谷口も丸井もイガラシも、墨谷二中の全員が青葉学院に勝つために頑張っています
イチローや新庄も大きな影響を受けたという野球漫画の傑作『キャプテン』が実写映画として蘇った。スーパースターが登場する作品とは一線を画し等身大の登場人物を描いた本作は、1972年の登場以来、常に野球少年たちのバイブルとして親しまれてきた。今回映画化されたのは、特に人気の高かった「谷口キャプテン時代」。どこか頼りなさそうな布施紀行演じる谷口キャプテンの下、チームのムードメーカーとして活躍する丸井役の小川拓哉と、クールな中にも谷口とチームを支えるイガラシ役の中西 健が、撮影の思い出と本作の魅力を語ってくれた。
小川拓哉
1993年9月20日生まれ。埼玉県出身。
『富豪刑事』(テレビ朝日)、『逃亡者おりん』(テレビ東京)などに出演。
趣味はダンス。好きな俳優は木村拓哉。
中西 健
1993年4月15日生まれ。福岡県出身。
『玄海』(NHK)などに出演。
趣味はカラオケ。好きな歌手は中島美嘉。
この映画に出演する前は、野球は好きでしたか?
小川拓哉:野球をやるのはこの映画が初めてでしたが、緊張しながらスタッフやキャストの皆さんに教えていただいたので、何とか出来ました。
中西 健:撮影した頃は小学校6年生でしたが、ちょうど野球を習っていました。
皆さんの年代だとサッカー人気もかなりあると思いますが、学校では野球とサッカーのどちらに人気がありますか?
小川拓哉:中学ではサッカーのほうが人気ですが、僕は野球のほうが好きです。
中西 健:最初は野球部に入っていましたが、きついので途中で止め、サッカー部に移りました。
芝居はこの映画の前からやっていたのですか?
小川拓哉:以前からドラマなどには出演していましたが、映画は初めてだったのでとてもうれしかったです。
中西 健:僕は、福岡で舞台やCMの経験はありますが、映画はエキストラなどを少しやっていたぐらいです。
この映画への出演が決まったときは、どんな気持ちでしたか?
小川拓哉:特にスポーツが好きだから恋愛映画よりもスポーツの映画に出たかったので、とても驚いたしうれしかったです。恋愛映画は苦手ではないですが、スポーツの映画だと皆のチームワークが良くなって友達や仲間がたくさん出来るので、そちらのほうが面白いと思いました。
中西 健:野球も芝居も好きなので、この映画の出演者募集の記事が雑誌に載っているのを見て応募したら、合格しました。
1ヵ月弱の撮影期間には同年代の出演者がたくさん集まったと思いますが、どんな思い出がありますか?
小川拓哉:合宿所が男ばかりだったので、女性出演者の話などで盛りあがりました。すごく楽しかったです。
中西 健:コーラの一気飲みをしたり、変な熊の人形で遊んだり、すごく楽しかったですね。
女性出演者の話で盛りあがったというと、例えば小林麻央さんを初めて生で見たとか?
小川拓哉:そうですね(笑)。とてもきれいで、すごいなみたいな……。とにかくきれいでした。
ヒロイン役の岩田さゆりさんはどんな印象でしたか?
小川拓哉:雑誌に出ているのを見たことがありましたが、そのままでとてもきれいでした。
中西 健:緊張しましたね。
逆にきつかった撮影の思い出は?
小川拓哉:深夜まで撮影が続いたことがありましたが、そのときにはもう眠くて。歩くシーンでしたがロボットみたいな歩き方になってしまい、何回もテイクを重ねてしまい大変でした。
中西 健:決勝戦でイガラシがピッチャーとして出て行くところがあるのですが、その時に歩くシーンでは何回もNGを出してしまい、悔しくて泣いてしまいました。
室賀 厚監督はどんな方でしたか?
小川拓哉:見た目はヤンキーみたいで怖いのですが、とても優しくて。厳しいところは厳しいですが面白いところは面白くて、素晴らしい監督だと思いました。
中西 健:最初に見たときには厳しいなと思っていましたが、話してみると優しかったですね。ちょうど、撮影中に誕生日だったのですが、みんな知らないのに、監督が「これで好きなもの買って来い!」とおこずかいをくれました。すごくうれしかったです!
原作の漫画は撮影前に読みましたか?
小川拓哉:はい。
中西 健:アニメのDVDも、借りてきました。
原作を読んでの感想は?
小川拓哉:丸井役に決まってから読んだのですが、“あぁ、こんな役をやるんだ”と思いながら読みました。すごいなと思って、ワクワクしました。
中西 健:イガラシはクールでカッコイイ役ですが、自分もクールになって頑張るしかないと思いました。
映画は墨谷二中と青葉学園の決勝戦で終わりますが、あのエンディングについてはどう思いましたか?
小川拓哉:この後も続くなと思いましたね。
中西 健:続きがあってそこから広がるので、楽しみが増えるから良いなと思いました。
パート2、パート3と続けば、うまくいけばまた出演できると?
小川拓哉、中西 健:はい、そうですね(笑)。
お二人とも初めての本格的映画出演ですが、他の仕事と比べると、映画のどんなところに魅力を感じましたか?
小川拓哉:ドラマはカットが多いですが、映画はカットの数が少ないですね。それにあわせて、台詞の覚え方も違ってくるので、その辺に魅力を感じます。難しいですが、面白いと思います。
中西 健:皆で合宿みたいにずっと一緒にいてやれるので、本当のチームみたいになって撮影できるのが魅力です。
お二人が演じた役は個性的で魅力的でしたが、丸井とイガラシの役をどのように理解し、どのように演じようと思いましたか?
小川拓哉:僕の性格もうるさくて出しゃばりで、すごく丸井に似ています。丸井役に決まった時に、ここで丸井に成りきるためにもう少し出しゃばろうとしていたら、学校で「おい、お前どうしたんだよ?」と言われました。丸井はうるさいですが、キャプテンをすごく尊敬していると思います。
中西 健:台本を読むと僕がやるイガラシ役はすごくクールですが、普段はそれほどクールではないんですよ。生意気なところは結構あるので、後はクールに成りきって頑張ろうと思いました。
もし、トップクラスの野球選手とトップクラスの俳優とどちらかになれるとしたら、どうしますか?
小川拓哉:僕は最初から俳優になりたいので、俳優を選びます。
中西 健:僕も俳優のほうが良いですね。
今後はどういった俳優さんを目指したいですか?
小川拓哉:僕が目指している俳優さんは、木村拓哉さんです。木村さんはどんなドラマでもどんな役にもなりきり、自分の役を完全に理解して演技をしているところがすごいと思います。
中西 健:普通の学園ドラマが好きなので、そういう映画やドラマに出たいですね。歌を歌いながら演技も出来る俳優さんになりたいです。
好きな映画やドラマはありますか?
小川拓哉:この前まで月9でやっていた『プロポーズ大作戦』にハマってしまいました。笑いも感動もあるすごく楽しいドラマですが、その点ではこの映画にとても似ていると思います。野球と恋愛は別ですが、原点は一緒だと思いました。
中西 健:僕は『パイレーツ・オブ・カリビアン』のような作品が好きです。
最後に、この映画の魅力をひとことでお願いします。
小川拓哉:笑いも感動もある、世代を超えて楽しめるすごい映画になっているので、ぜひ皆さんに観ていただきたいと思います。
中西 健:谷口も丸井もイガラシも、墨谷二中の全員が青葉学院に勝つために頑張っています。弱いチームが勝ち進んでいくところが魅力だと思うので、ぜひそこを観ていただきたいと思います。
今回登場してくれた小川拓哉も中西健はもちろん、布施紀行が演じたキャプテン役の谷口タカオを含め、この映画で登場する墨谷二中の野球部員には有名なアイドルは1人もいない。だが、スーパースター無きチームで個性的な面々が皆で助け合っていくところが魅力の原作には、まさにピッタリのキャスティング。オチはある程度予想できるとはいえ、スポーツや野球に興味のないひとでも清々しい感動を味わえる作品だ。
(取材・写真・文:Kei Hirai)
(オフィシャル素材提供)
公開表記
配給:トライネットエンタテインメント、ビデオプランニング
2007年7月28日(土)より渋谷Q-AXシネマにてレイトショー、8月4日(土)より大阪シネヌーヴォX、8月18日(土)より名古屋シネマスコーレにてロードショー