作品紹介
大阪市釜ヶ崎、若い女性たちの惨殺事件が続発する。被害者たちは下腹部を切り裂かれ、その生殖器が持ち去られていた。犯人は廃墟ビルの屋上で暮らす孤独な青年、誠(佐野和宏)。彼は「菜穂子」と名づけられたマネキンを愛し「愛の結晶」が誕生することを夢想していた。次々に若い女性を惨殺し、奪った子宮を「菜穂子」に埋め込み、そして、愛した。
やがて彼女に不思議な生命が宿りはじめ、さまざまな人間が廃墟ビル=「魔境」へと引き込まれていく。現実の街並みは、いつしか時間感覚を失い、傷痍軍人や浮浪者など、敗戦直後を思わせるグロテスクなキャラクターが彷徨しはじめる。
純粋に二人だけの世界で生きていた幼く美しい一組の兄と妹(隈井士門、村田友紀子)。彼らもまた、「菜穂子」がいる廃墟へと導かれてゆく。幼い妹は「菜穂子」に「母」の面影を見る。兄は、その姿に激しく「性」を感じる。そのとき、廃墟ビルに引き込まれた人々に残酷な運命が訪れる……。
(2007年、日本、上映時間:150分)
キャスト&スタッフ
監督・脚本:松井良彦
出演:佐野和宏、仲井まみ子、隈井士門、村田友紀子、大須賀 勇(白虎社)、日野利彦(人力飛行機舎)、白藤 茜、皆渡静男、高瀬泰司、(声)松本雄吉ほか
ギャラリー
公開表記
配給:安岡フィルムズ、配給協力:バイオタイド
2007年9月1日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてレイトショーほか全国順次公開
(オフィシャル素材提供)