インタビュー

『デッド・サイレンス』いっこく堂 単独インタビュー

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腹話術師としては“ひょっとしたら自分の身の上にも……”とさえ思えるほど、リアルな映画だなと思いました

 新感覚のホラー『ソウ』シリーズで全世界を震撼させた監督:ジェームズ・ワンと脚本:リー・ワネルのコンビが、初めてハリウッドのメジャースタジオに招かれ製作した『デッド・サイレンス』が公開される。腹話術人形にまつわる呪いと恐怖を描いた本作の宣伝役を引き受けたのが、いっこく堂。世界で活躍する玉城一石が、腹話術師の立場からその魅力を語ってくれた。

いっこく堂(玉城一石)

 正確には、いっこく堂とは、腹話術師である玉城一石を座長とする人形劇団をさす。1982年沖縄県生まれ。舞台俳優を目指して劇団民芸に在籍中に、腹話術修行のため渡米。以降、独自の腹話術を習得。2000年にラスベガスで開催された「世界腹話術フェスティバル」でオープニングを飾るなど、国内はもとより、アメリカ・アジア・ヨーロッパ・南米など世界中で活躍。文字どおり、世界の腹話術界のトップスター。

いっこく堂 Official website
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人形が登場する映画はたくさんありましたが、特にお好きな作品は?

 『1900年』です。腹話術の人形が出てきましたが、すごく怖くて印象的でした。あとは『チャイルド・プレイ』(笑)。やはり、見ていると怖いですね。

『デッド・サイレンス』の宣伝の仕事のお話が来た時の感想は?

 正直に言って、うれしかったですね。腹話術とか人形という言葉にはすぐ反応してしまうので、こういうお仕事は出来るだけやりたいと思っていますから、とてもうれかったです。

その腹話術が重要な役割を果たすホラーであるこの映画を、ご覧になった感想は?

 腹話術師としては、まんざらないことではないな、あり得るかもしれないな、意外にもリアルな映画だなと思いました。“ひょっとしたら自分の身の上にも……”とさえ、思えるなと。

中でも一番怖かったシーンはどこですか?

 う~ん、やはり最後の方ですかね。なかなか見応えがありました。

ところで、いつも使っている人形はご自分で作られているのですか?

 いえいえ、自分では作れません。腹話術のための人形は、日本に3人、アメリカに1人いる人形師の方にお願いしています。今、手にしているような木の感触のものは日本で、ラテックス(ゴム)の人形はアメリカで作っています。木製の人形は眼も口も動くので面白いですが、ゴムの質感も好きなので、いくつか作ってもらっています。

全部で何体お持ちですか?

 30体です。等身大の人形もありますが、ライブがある時などトラック移動の時には持って行きます。新しいキャラクターのエイリアンという人形は、僕がおんぶされるほど、とてつもなく大きいです。

印象深い人形との思い出は?

 失敗談になりますが、仕掛けのヒモがライブ中に切れてしまい、口が動かなくなりました(笑)。仕方がないので、「この人形も腹話術で話すことが出来るんだ」と言いましましたが(笑)。でも、「ちょっと休憩。本当は仕掛けが切れちゃったから、解体ショーをしましょう」と言って修理し、その後は何事もなかったように続けました。

ご自身の人形にまつわり、不思議な体験をされたことはありますか?

 不思議とまではいきませんが、ごくたまに、人形が面白いことを言わせてくれたりして、笑わせてくれることあります。すごく面白いことを言って、自分でも笑ってしまう。たぶん、どこかで意識をしているのでしょうが、自分自身でも「えっ?」という感じです。

この映画のように、ご自身が持っている腹話術の人形が人に危害を加える役回りを担うとしたら、どうしますか?

 これは大丈夫です。日頃からちゃんと付き合っていけば、大丈夫だと思います。

人間と付き合うのと同じですか?

 同じです。信頼関係です。義理と人形(人情)ですね(笑)。

人形と付き合う上で、一番大切なことは?

 やはり大切に、愛情をもって接することです。でも、周囲から見ると危ないかもしれないですが。

映画は良く観られますか?

 月に1、2本は観ますね。

お好きな作品は?

 ホラーもたまに観ますが、コメディが好きですね。こういう仕事をしていますから、バラエティというかエンタテインメント系が好きです。でも、ジャンルを問わず何でも観ますよ。

もし、腹話術師の役で人形と一緒に映画の出演依頼が来たら?

 それはやりたいですね。本当にやってみたいです。ホラーでも何でも、ぜひお願いします。

最後に、この映画の見どころをお願いします。

 『デッド・サイレンス』! 人形たちがとてもたくさん出てきますが、人形たちの魅力以上に人間関係と物語の深さがすごいですね。そして、最後に待っている衝撃の結末! これを含めて、観てもらわないと判りません。だから、ぜひ劇場に来て下さい。『デッド・サイレンス』、どうぞよろしく。

 相変わらず、見事な腹話術を交えながら本作の魅力を語ってくれたいっこく堂(玉城一石氏)。ご自身も相当な映画ファンとのことなので、近い将来にはスクリーンでその華麗な腹話術を披露してくれるかもしれない。

 (取材・文・写真:Kei Hirai)

公開表記

 配給:東宝東和
 2008年3月22日(土)より、有楽町スバル座ほか全国ロードショー

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