イントロダクション
政治家にとって言葉は命。類いまれなスピーチの才能によって民衆を熱狂させ、強大な権力者にのし上がってきたヒトラーにとってはなおさらである。そんなヒトラーが第二次世界大戦末期には病に苦しみ、精神的に不安定だったことも歴史上の事実。自らオリジナル脚本を執筆したダニー・レヴィ監督は、ゲッペルスからヒトラーの再生を命じられた“教師”を何とユダヤ人に設定し、意外性抜群で鋭い皮肉のこもったストーリーを映画化した。
ちなみに、『イカれたロミオに泣き虫ジュリエット』『ショコラーデ』などで知られるレヴィ監督自身もユダヤ人。ヒトラーを描くにあたっては神経質にならざるを得ないドイツ映画界において、本作ほどヒトラーをユーモラスかつ“人間味豊か”に表現してみせたセンセーショナルな作品は史上初であろう。
ストーリー
1944年12月、連合軍との戦いに疲弊しきったナチス・ドイツの命運は、もはや風前の灯火だった。宣伝相ゲッベルスは来る新年の1月1日に、ヒトラー総統の大演説によって国威を発揚する起死回生の計画を思いつく。しかし肝心のヒトラーは鬱状態で、執務室に独りで引きこもっている有様。わずか5日間でヒトラーに全盛期のカリスマ性を取り戻させるという困難な任務を託されたのは、元俳優のユダヤ人教授だった……。
(原題:Mein Fuhrer – Die Wirklich Wahrste Wahrheit Uber Adolf Hitler、2007年、ドイツ、上映時間:95分)
スタッフ&キャスト
監督・脚本:ダニー・レヴィ
出演:ウルリッヒ・ミューエ、ヘルゲ・シュナイダー、シルヴェスター・グロート、アドリアーナ・アルタラスほか
ギャラリー
公開表記
配給:アルバトロス・フィルム
2008年9月6日(土)、Bunkamura ル・シネマ他にてロードショー!
(オフィシャル素材提供)