声優初挑戦! 俳優としての本領発揮。「声の仕事は何にでもなれるから興奮します」
ウォルト・ディズニー最新作! キュートなチワワたちが巻き起こす奇想天外な大冒険活劇映画『ビバリーヒルズ・チワワ』で声優デビューを飾った、黒田福美に話を聞くことができた。
黒田福美
東京都出身。 映画・テレビドラマなどで俳優として活躍する一方、芸能界きっての韓国通として知られる。テレビコメンテーターや日韓関連のイベントにも数多く出演、講演活動なども活発におこなっている。
著書に『ソウルマイハート』『ソウルの達人 最新版』(講談社)などがあり、韓国地方の魅力を紹介したDVD『Ryu・黒田福美が行く韓国四季の旅』も絶賛発売中。09年は『ビバリーヒルズ・チワワ(吹き替え)』(Disney)、『ゼロの焦点』(東宝)に出演。
★黒田福美ブログ:http://ameblo.jp/kuroda-fukumi/(外部サイト)
セレブ犬クロエの飼い主ヴィヴ(ジエイミー・リー・カーティス)の声を担当されましたが、お話が来たときの感想から聞かせてください。
アテレコは初めてで、チャンスをいただいて、それもディズニーという大舞台で、戸惑いと嬉しさでいっぱいでしたね。声優にチャレンジしてみたいとずっと思っていましたから。
どんな風に準備されたのでしょう? 人物に声を当てることへの戸惑いはありませんでしたか?
映像資料と台本をいただいてから自分なりにずいぶん練習しました。100の表現があるとすれば、それを自分で100をやらなくちゃいけないと思って稽古をしているわけですが、実際にスタジオに入ってやってみるとそれだけでは不足なんですね。というのは、100やろうとしても、95とか90でしかないですから。むしろ120%ぐらいやるつもりで取り組むとちょうど100の表現ができるということが分かってきたら、ドンドン面白くなっていきました。のびのびと楽しくやらせていただきました。
声優として初チャレンジしてみて、手ごたえのようなものは感じられましたか?
声をつけているうちに、声の仕事ならではの幅の広さみたいなものを感じていきました。俳優としては本領発揮といいましょうか、声というのは風や木や魂なんかにもなれれば、おばあさんになることもできるんですね。何にでもなれるというのは興奮するというか、楽しくて、役者冥利に尽きる瞬間でした。
声を当てられた女優のジエイミー・リー・カーティスにはどんな印象をもたれましたか?
明るくて、愛情深くて、上品で、素敵な女優さんだと思いました。
超セレブな役柄ということで、工夫されたところはありますか?
私自身、俳優としてセレブな役柄を演じることが多いんですね(笑)。ヴィヴは大きな化粧品会社の社長でもありますが、クロエに対しても、造園師や彼の犬のパピに対するときはごく普通の女性として愛情深く接していますよね。普通に犬を愛していたり、普通の働く女性である――すごく生身の感じがしました。そんな気分を持っていればいいのじゃないかなと思っていました。
以前に犬を飼われていたそうですが、愛犬とはどんな風に付き合っていられたのでしょう?
もっと良くしてあげれば良かったな…って感じで、今では後悔ばかりです。雑種犬で、外で飼っていましたが、いなくなってしまうと、ああしてあげれば良かったなといろいろ思いましたね……。
また、飼ってみたいと思われますか?
もちろんです。欲しくって……。私、犬を見かけると立ち止まらなくてはいられないんですよ(笑)。マーケットで飼い主を待っている犬がいたりすると、そのまま通りすぎることができません。たとえ噛まれても、「いい子ねえ~」なんて言ってしまいます(笑)。私は特に雑種犬が好きですね。日本犬の昔ながらの雑種とかシバ犬、「日本人です」って言っているような犬が好き(笑)。
飼われたとしたら、映画の中のクロエのように衣装を着せたり、アクセサリーをつけたりはすると思いますか?
分かんないですね~。でも、実際に飼ったらそうなっちゃうかも(笑)。
本作はチワワが主人公ですが、チワワ犬の歴史も描かれていましたね?
チワワってすっかり愛玩犬として認知されているけれど、実際にはそんな歴史があったのかってビックリしましたね。クロエが野生に目覚めて大きな声を出すシーンとかも面白かった(笑)。
クロエはいろんな危機に陥っても頑張って切り抜けていきますが、黒田さんは危機に陥ったときはどんな風になってしまいますか?
固まってしまうか、パニックになってしまって舞い上がってしまいます(笑)。どちらかですね(笑)。冷静になるためにまず、止まって考えます。へたに動かないで考えるんです。でもそれが許されないのは車の運転中で、道を間違えてしまったときで、逆走しちゃったこともあります。両極端なんですね~(笑)。
セレブ犬のクロエが外の世界を知って、学んで成長したと思うことはどんなことでしょうか?
セレブな箱入り娘だったのに外の世界に出て、命の危険があったり、デルガドのように自分を守ってくれる騎士のような犬にも出会ったり、別れもあって、自分のいた環境での幸せやパピのことも再認識したと思いますね。自分自身が犬の目線になってドラマを感じていました。すごく面白かったです。
ヴィヴの宝物はクロエでしたが、黒田さんの宝物って?
私にとっては母親ですね。娘と母親って結構し烈なもので、父親から「おまえたちは他人よりもヒドイ喧嘩をするなあ」って言われていました。そんな部分もあるから何でも腹を割って話すことができたり、頼れるところもあるんですね。歳を重ねてくれば来るほど、母親の偉さが分かってきて、ありがたさが身にしみています……。
この映画が伝えていることはどんなことだと思われますか?
広い世界に出て、冒険してみることの大切さとか、それで分かる日常の大切さとか…ですね。いろんな犬の個性が見られて、とても楽しいです。私が一番好きなのはお祈り犬です。ちょこっとしか出てきませんが、こういう人っているよねって……(笑)。青い鳥はけっこう側にいると思います。クロエに恋している雑種のパピもとてもかわいらしかったですね。
最後にこの映画を観る方々へのメッセージをお願いします。
大人も子供も楽しめる映画です。犬を飼っている人もいない人も楽しめると思います。見どころは、冒険をとおした“出会いと別れ”ですね。冒険することで広い世界を知っていくというのも魅力です。多くの皆さんに楽しんでいただきたいですね。
声優に初挑戦し、楽しそうにエピソードを語った黒田の印象はとても上品で美しく、まさに映画の役どころにピッタリ。韓国通としても知られる黒田に、一押しの化粧品を尋ねてみると、杏(あんず)のオイルという答えが返ってきた。これは手に入れなければ……。
今後も声優はもちろん、女優としても魅力的に輝き続けて欲しい。
(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
2009年5月1日(金)より全国ロードショー