イントロダクション
カンヌが沸いた前作『ブロークン・フラワーズ』(審査員特別グランプリ受賞)から約4年――。
鬼才ジム・ジャームッシュの集大成ともいえるオールスター・キャスト出演の作品がここに生まれた。
主演はジャームッシュ作品4度目の出演になる盟友イザック・ド・バンコレ。さらに『ミステリー・トレイン』の工藤夕貴、オスカー女優・ティルダ・スウィントン、燻し銀の演技が光るビル・マーレイら過去の名作のオールスターたち。新たな顔ぶれとして『モーターサイクル・ダイアリーズ』のガエル・ガルシア・ベルナルなど気鋭の俳優たちが集結した。
撮影監督には『花様年華』などで独自のカメラワークが世界的な注目を浴びるクリストファー・ドイル。色彩の国・スペインを舞台にオールロケを敢行! “色の洪水”ともいえる幻想的な世界がスクリーンに描かれる。
ストーリー
1968年メキシコ・オリンピック、ボクシング・バンタム級の銅メダリスト森岡栄治(武田真治)。オリンピック後、プロに転向するも網膜はく離によって5年後に引退。定職に就かない父と家計を支えるためにスナックで働く母・和江(紺野まひる)の間に生まれた治子(藤本七海)は、父への反発からいじめも許さない正義感の強い女の子に育つ。そんな栄治を支えた栄治の姉(鈴木砂羽)は、「腐ってもオリンピック選手」と弟の栄光を誇りにしていた。
あることをきっかけに栄治は、ヤクザの親分の世話になりボクシングジムの会長を務めることに。しかし、父の女遊びや破天荒な生き方に嫌気がさした和江は、子供たちを置いて家を出て行ってしまった……。
入れ替わるように、父の愛人・裕子(広末涼子)が森岡家にやってくる。治子にとっては居心地の悪い日々。自分に降りかかる不幸はすべて父のせい、そんな治子に正面からぶつかってきたのは意外にも裕子だった――。
自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ――。スペインに降り立ったコードネーム“孤独な男”に与えられた任務はその言葉のみ。〝必ずエスプレッソを2つ注文し、携帯も銃も仕事中のセックスもなし〟それ以外、全ては謎に包まれたまま、名もなき“孤独な男”はただ任務の遂行を目指す。スペイン中を巡り、さすらう彼の前に現れるのは、「スペイン語は話さないのか?」という問いを合言葉にする同じくコードネームを持った名もなき仲間たち。彼らはそれぞれの情報をマッチ箱の中の暗号に託す。「裏切り者がいる」と告げる仲間、しかしその言葉とは裏腹に「自分も仲間ではない」と男は呟いた。ありのままの現実と、夢の中を彷徨うかのような非現実が交錯する世界の末、荒野の中にあるアジトへたどり着く。想像力が支配(コントロール)の限界を超えた時、その先にあるものは一体何なのか?
(原題:The Limits of Control、2009年、スペイン=アメリカ=日本、上映時間:115分)
スタッフ&キャスト
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影監督:クリストファー・ドイル
音楽:Boris
出演:イザック・ド・バンコレ、アレックス・デスカス、ジャン=フランソワ・ステヴナン、ティルダ・スウィントン、工藤夕貴、ジョン・ハート、ガエル・ガルシア・ベルナル、ビル・マーレイほか
ギャラリー
公開表記
配給:ピックス
2009年9月19日よりシネマライズ、シネカノン有楽町2丁目、新宿バルト9、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)