この度、是枝裕和監督の待望の新作製作が決定し、2017年秋、東宝・ギャガが共同配給することとなった。
主演は、第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞、2013年に全国公開し、国内興行成績32億円の大ヒットを記録した『そして父になる』から是枝監督と2度目のタッグとなる福山雅治。福山に対峙する殺人犯は、是枝組初参加の名優・役所広司が演じる。なお福山雅治と役所広司は初共演となる。
本作は弁護士・重盛の目を通して、弁護を担当する殺人犯・三隅の底意と真意を凝視し、考え、想像していく法廷心理サスペンス。是枝監督は本作品の開発にあたり、弁護士や検事たちへの取材に加え、弁護士たちの協力のもと、実際に作品の設定通りに弁護側、検事側、裁判官、犯人、証人役に分かれて模擬裁判を実施した。そこで出てきた各立場からのリアルな反応や行動、言葉などの要素を脚本に取り込み反映させる作業をしている。
映画タイトルは未定。クランクインは2017年1月中旬、撮影は3月まで行い、公開は2017年9月を予定している。
キャスト&スタッフ コメント
福山雅治(弁護士:重盛役)
初めてご一緒させていただく役所さんとの読み合わせは、とても緊張感のある時間でした。より深く、さらに研ぎ澄まされた是枝監督の演出に応えられるよう精一杯演じられたらと思っています。
役所広司(殺人犯:三隅役)
準備段階での是枝監督の丁寧な映画作りの姿勢に触れ、既に緊張しています。福山さんはじめ素晴らしいキャスト皆さんとの仕事を楽しみにしています。
是枝裕和監督
福山さんにオファーをするにあたり、近年描いてきたホームドラマに一度区切りをつけ、かねてより挑戦したいと考えていた法廷劇を選びました。そして福山さんに対峙する殺人犯役を、監督としてはある種の覚悟が必要な俳優である役所さんにお願いしました。
弁護にあたり真実を知る必要はないと考えていた主人公が、犯人と交流していくうちに事件の真実を知りたいと思うに至る過程を描く心理劇です。役所さんの胸を借りるかたちで、福山さんをいじめ、揺さぶっていきたいと思います。
福山さんと役所さんの本読みで感じた「この二人の組み合わせは新鮮で面白い」という、ドキドキした僕自身の感触をどう本編に刻んでいけるか、悩み苦しみ、楽しみにしながら脚本の最終仕上げを現在行っているところです。
ストーリー
勝利にこだわる弁護士・重盛(福山)が、やむをえず弁護を担当することになったのは、30年前にも殺人の前科がある三隅(役所)。解雇された工場の社長を殺し、死体に火をつけた容疑で起訴されている。犯行も自供し、このままだと死刑はまぬがれない。
はじめから「負け」が決まったような裁判だったが、三隅に会うたび重盛の中で確信が揺らいでいく。三隅の動機が希薄なのだ。彼はなぜ殺したのか? 本当に彼が殺したのか?
重盛の視点で絡んだ人間たちの糸を一つ一つ紐解いていくと、それまでみえていた事実が次々と変容していく――。心揺さぶる法廷サスペンス。
公開表記
配給:東宝・ギャガ
2017年9月全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)