日本映画界を代表する俳優、中井貴一×佐々木蔵之介のダブル主演作『嘘八百』の全国公開が始まった。本作は千利休を生んだ茶の湯の聖地、大阪・堺を舞台に、イカサマ古物商と落ちぶれた陶芸家が“幻”の利休の茶器という<真っ赤なウソ>で仕掛ける一発逆転の大勝負を描く、年初めにぴったりな開運エンターテインメント。
この度、公開を記念してW主演の中井貴一、佐々木蔵之介ほか、脇を固める友近、森川葵らが登壇する舞台挨拶が実施された。
満員の会場のなか、“真っ赤な嘘にかけた”赤を取り入れた衣装に身を包んだキャスト、監督が登壇。
中井貴一が「あけましておめでとうございます。新年早々この映画を選んでいただきありがとうございます。16日間でこの映画は撮影しました。とってもいい緊張感の中仕事ができました」、佐々木蔵之介が「新年あけましておめでとうございます。シリアスなサスペンス映画だと思って撮っていたんですが、笑っていただけましたらありたいです(笑)」、友近が「あけおめでもってことよろ、ということで(笑)。昭和っぽい匂いの映画が少なってくる中、味のある映画になっているんじゃないかな、と思います。今日はヤング・チームで舞台挨拶をさせていただきました」と冗談を交えての挨拶に会場は大爆笑。森川 葵が「私は今日が仕事始めで、『嘘八百』の舞台挨拶でスタートを切れて、1年が楽しいスタートになる予感がしています」、武 正晴監督が「この映画を選んでいただきましてありがとうございます。夢のようなキャスト陣です」とそれぞれ話した。
赤のタートルネックを着ている中井と佐々木にMCからツッコミをが入ると、中井が「全く打ち合わせなしでしたが、危うく(佐々木と同じ)黒のスーツも着てくるところだった」と、佐々木が「バディ感が出てよかったな、と思います」と抜群のコンビネーションであることをのぞかせた。
親子役を演じた中井と森川に共演の感想を尋ねると、中井が「反抗期のわりには父親に付いてきてくれる、現代っぽい子だなと思いました。あんまり年を感じない職業ですが、子役の年が上がってくるにつれて、“年取ったな”と痛感させていただきます」と話し、さらに森川について聞かれると「(森川は)魅力ありますもん。今年は森川の年になると思います」と発言。その大先輩からの言葉に森川は「ん~……わ~……」と恥ずかしさに言葉を詰まらせながら、自信の役柄に関して「私には反抗期がなかったので、いまりちゃんが親についていくのは分かります。自分たちの世代って、そういう風に反抗しながらついてくるのかな、と思いました。貴一さんの元、安心してお芝居させていただきました」と話した。
一方夫婦役を演じた佐々木と友近に尋ねると佐々木が「懐の大きい奥さんをやっていただきまして、本当によかったです」と、友近が「劇中にそんな言葉があるわけではないんですが、愛してるっていうのが伝わるかな、と思います。蔵之介さんは役もご自身も真面目で見てて本当に勉強になるんですよ。その人と夫婦役をできて本当によかったです。このまま私生活も続ければな、と思います」と、こちらの発言でも会場からは笑いが起こった。佐々木と友近の息子を前野朋哉が演じたことに対して、佐々木が「息子にしては年齢が高すぎて、撮影以外でも息子な感じで接してくるんですが、息子じゃないだろって思いました」と裏話を明かした。
そこから共演者の話になると、中井が「僕は今日は坂田師匠の代わりなんですよ。お正月なんでご足労かけちゃいけないと思って来ました」と冗談を入れつつも、「現場のムードを作ってくれたのは全部先輩たち。アドリブといえば聞こえが良いですが、“間違い”、“忘れる”、というところで和ませてくれました。それでも絶対諦めない、という監督のもと仕事ができました」と話したのち、「きっかけを覚えられない、ね」というストレートな佐々木の発言に、「はっきり言いましたね」友近さんがツッコミ。「その先輩方の(セリフを思い出す)間があって、それで現場に緊張感があって、あんな幸せな2週間はなかったですよ」と改めて佐々木は振り返ると、友近も「歩き方もすごくスローだったんで、コントに生かそうかな、と思ってた。和やかな現場で、口角がずっと上がってニコニコしちゃうという期間でした」と振り返った。森川も「現場の時間がタイトなはずなのに、空気がゆったりしているというか穏やかな時間でした。監督の『大丈夫です』は毎日聞いていました」と思い出したように話すと、監督は「自分に言い聞かせていました(笑)。皆さんとやれているっていうのは幸せでしたが、日は沈んでいきました」と独特な現場であったことがそれぞれから明かされた。
まさに“騙しあい”が繰り広げられる本作にかこつけて、“騙すほう”、“騙されるほう”どちらが良いか聞かれると、中井が「命に関わることじゃなければ、騙すほうがいい。けど、やっぱり騙されるほうがいいかな」と、佐々木が「騙しまくりたいですね。最も美しい嘘が芸術だとドビュッシーが言っています。あ、これはパンフレットからの引用なので、皆さんお買い求めください(笑)。でも豊かになるような騙しができたらいいな、と思います」と、友近は「プライベートだと、騙されるほうが楽な気がします。騙されるほうがなんか救われるのかな、という気がします」、森川は「私も騙されるほうがいいです。嘘ついていると大変だなあと思います」、監督が「映画においては心地よく騙されたいし騙したいと思いますが、騙されるほうがいいと思います」と、佐々木以外全員“騙されるほうがいい”という結果に。佐々木は慌てて「僕も騙されるほうがいいです」と話し、会場は笑いが。
また今日が“2018年初の”舞台挨拶となるキャストに、今年初めてトライしようと思っていることを尋ねると、中井が「友近があると思います」と言い、バトンを渡された友近は「パン作りかな」と話し、意外な言葉に会場は大爆笑。さらに「女性としてまだやってないことをやりたいなと思いますね。いちご大福を作ったりとか、あんまり家でやらないこと」と、続けた。佐々木に話を振ると「こういうのは森川かな」と続いて森川に話を回すと、困惑しつつも森川は「ラップ? 嘘つきました(笑)」と、『嘘八百』の舞台挨拶らしい発言。
さらに『嘘八百』というタイトルから“嘘で”今年の抱負を聞かれると「今年は出産をしてみたいな」と中井が話し、会場は大爆笑に包まれると、続いて佐々木が「今年成人式を迎えたいなと思います」、友近が「今年は絶対東大合格したいなと思います」、森川が「今年はイケメン俳優として芸能界を担っていきます」、最後に監督が「16日間で映画を作っていきたいと思います」とそれぞれ話した。
最後に、観客の「大ヒット」という掛け声のもと、「酒屋の息子がいるので、鏡開きのやり方を教わっています」という中井のコメントもありつつ、鏡開きが行われた。
締めの挨拶として中井が「本日はありがとうございました。昨今日本では働き方改革、と言われますが、労働時間の問題ではなく、現場にいかに心のゆとりがあるかが大事かというのを諸先輩に教えていただきました。お正月映画というのはとってもめでたい映画だという思いがあります。そんな時期に公開できて本当にうれしいです。本日はありがとうございました」と、佐々木が「子供の頃お正月になったら、両親に映画に連れて行ってもらったことが心に残っています。今日観ていただいて、面白かったと思ったら、お父さんお母さん、ご友人ともぜひ一緒にご覧ください。心に残る、皆さんに愛される映画になるといいなと思います」と話し、大盛況のままイベントは幕を閉じた。
登壇者:中井貴一、佐々木蔵之介、友近、森川 葵、武 正晴監督
(オフィシャル素材提供)
公開表記
配給:ギャガ
大ヒット全国公開中