ボストンマラソン爆弾テロ事件で“ボストンのヒーロー”と呼ばれた男の真実の物語を描いたジェイク・ギレンホール主演・プロデュース作『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』が5月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショーとなる。この度、主演ジェイク・ギレンホールのインタビューが到着した。
ジェイク・ギレンホール
1980年12月19日生まれ、アメリカ・カリフォルニア州出身。父は映画監督のスティーヴン・ギレンホール、母はプロデューサー兼脚本家ナオミ・フォナー、姉は女優のマギー・ギレンホールという芸能一家で育つ。
11歳の時に『シティ・スリッカーズ』(91)でキャリアをスタート。メジャースタジオ作品からインディペンデント映画まで、名だたる監督の作品に出演する同世代を代表する実力派。アン・リー監督の『ブロークバック・マウンテン』(05)で英国アカデミー賞助演男優賞を受賞し、アカデミー賞®にもノミネートされた。
ダン・ギルロイ監督の『ナイトクローラー』(14)で英国アカデミー賞やゴールデングローブ賞映画部門の主演男優賞に、トム・フォード監督の『ノクターナル・アニマルズ』(16)で英国アカデミー賞にノミネートされている。
主な出演作は『遠い空の向こうに』(99)、『ムーンライト・マイル』(02)、『グッド・ガール』(02)、『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』(05)、『ジャーヘッド』(05)、『ゾディアック』(06)、『マイ・ブラザー』(09)、『ミッション:8ミニッツ』(11)、『プリズナーズ』(13)、『複製された男』(13)、『サウスポー』(15)、『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(15)、『ライフ』(17)など。
製作会社ナイン・ストーリーズを設立し、製作者としても活躍。ポール・ダノが初監督を務めキャリー・マリガンと共演する『Wildlife』(18)、ジョー・ネスボの小説を基にしたドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務める『The Son』、世紀末の世界を描いたUbisoftのビデオゲームをベースにスティーヴン・ギャガンが監督を務めジェイクも出演する『The Division』などが進行中。
主人公のジェフ・ボーマンについて
この出来事を最初に聞いて、ジェフの写真を見たのは、もちろんニュースでだった。僕らの人生が交差するとは思わなかったよ。僕はジェフと会って話す時間をたくさんとった。彼にはとても少年のようなところがあるから、すぐに好きになった。僕たちみんながね。どうしてジェフが好きなのかずっと話せるよ。彼は考えられないほどの生存能力と謙虚さを持っている。予期せぬことが起きても優雅なんだ。カリスマがあるだけじゃなくて、とても愛情にあふれていて、ユーモアのセンスもある。同時に奥底に深い闇もあるね。彼の肉体的適応力に、ジェフという人間を知るための大きな手掛かりを見つけた。あと特にユーモアのセンスは、どん底の自分を救ったのだと思う。(ボーマン一家は)信じられないくらい強い結束力がある人々だ。ジェフは1日たりとも家族に会ったり話したりしないで過ごすことはない。
ボストンについて
ボストンで撮影を行うことが重要だったんだ。他の場所は考えられなかった。できることは全てやったし、ボストンが素晴らしい場所で、ボストンの人々が素晴らしい心の持ち主だと世界中に伝わればいいな。
これまで複雑で難しい役柄をたくさん演じてきたと思いますが、今回の役はどこに位置しますか?
ボストンの人間、特に男は気持ちをあまり言わない。だから気持ちを話させるのではなく、彼のペースや様々な問題に対するやり方から感情の手掛かりを見つけなければならなかった。
演技の話をするときに、難しいというときに「大変」という言葉を使うのは好きではないけれど、今回の役は人生で一番変革的(斬新)だった。仕事を通じて周りの世界を学ぶことが大好きだし、それが役者の一番の醍醐味だけど、彼のストーリーを知って、彼の友人になって……ジェフを知っているみんなが言うように、彼自身の想い(spirit)というものがあって、その想いは周囲を動かすほど力のあるもので、しかし彼自身はおそらくそれをいつも快く思っているわけではないと思うが、そういった部分もこの映画で描かれる内容の一部になっている。当然、彼は僕に対してもその部分を見せてくれた。だから今回の旅は、これまでの僕の役者人生の中でも一番素晴らしい旅になったと思ってるよ。
ジェフ・ボーマン本人に話を聞いて知ること以外に、この役を演じるにあたって準備したことはありますか。
もちろん。ジェフの周りにはチームがあって、彼を取り囲む人たちの世界があって、ジェフが一人で乗り越えたのではなく、彼を助けた人たちも一緒に乗り越えたんだ。その人たちに会うこと―ボストンのスポールディング・リハビリ・センターで彼を助けた人たち、ユナイテッド・プロステティクス社(人口装具、義足の会社)や、そこのジェフの義足の半分をデザインしたマーティーニ兄弟、アーロン、アーロンの母、彼の友達、カルロスに会ったり、チェルムスフォードに行ってジェフが育った地域を訪ねたり、たくさんの準備をしたよ。回復についての一般知識に関するリサーチ、今回のようなシチュエーションを乗り越える精神面を理解することなど……本当にたくさんの調査をしたよ。あとはその中で生きる、その空間に入ろうとすること。
この映画を作るにあたって、個人的に何を学びましたか?
僕が気づいたのは、みんな自分のキャリアの中で伝えたいと思うストーリーがいくつかあって、観客から一人ひとり特有の感想を引き出したりすることだ。昔関わった作品の一つ『ブロークバック・マウンテン』で、人々がストーリーを聞かせてくれた。僕のところに来て、いろんなストーリーを、彼らが乗り越えてきたこと、映画が彼らに気づかせたことを。プレミアの前に何度も行った試写の後や予告ができたときに、人々のそれぞれ特有のストーリーを聞いた。一人ひとりが何かに苦しんでる、もしくは誰か愛する人が何かにもがいていると知ること、ジェフのような人やそのストーリーが僕たちに希望を与えてくれること、(その希望は例えば)次の日も生きてゆけるとか、きっと大丈夫とか、もしくは経験からきっと強くなれる、だったり、それが僕がこの映画を通して学んだことで、今でも毎日学んでいることだと思う。さらに、多くの国に響いてくれるとうれしいね。
あなたのたっての願いで実現した、英国女優ミランダ・リチャードソンについてお話しください。
ジェフにとって母の壁を破るのは容易ではない。ミランダ演じるパティとの場面を一つひとつ演じるのは、素晴らしいゲームだった。
エリン役を演じたタチアナ・マスラニ―については?
タチアナは隠れたヒーローで、彼女の演技は最高だと思う。
最後に本作が伝えたいこととは?
ジェフ・ボーマンの物語を聞いた人はまず、このテロ事件の特殊な点に気づくはずだ。でもこの映画はそれ以上にもっと大切なことを伝えようとしている。困難な状況をどのように克服していくかについて描いた映画だ。絶望的な環境の中でも、僕たちは乗り越えることができる。ジェフがそれを証明してくれている。それがこの映画のテーマだよ。
公開表記
配給:ポニーキャニオン
2018年5月11日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)