異色の政治活動家・鈴木邦男に迫るドキュメンタリー映画『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』が2月1日(土)よりポレポレ東中野にて公開となる。その公開に先駆けた先行試写会が、1月16日(木)に実施された。予定されていた鈴木邦男氏は病気療養中のため、残念ながら欠席となったが、ゲストの『i-新聞記者ドキュメント-』が絶賛公開中の映画監督、森達也が中村真夕監督と共に登壇。映画について、鈴木邦男氏についてのトークを繰り広げた。
まず中村真夕監督からゲストの森 達也監督に、鈴木邦男氏との出会いを問われると、森監督は「鮮烈な出会いでした」と口火を切った。「僕が初めて映画を撮った『A』という作品の公開前のこと。地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教を題材にした映画で、1998年当時、本当に人が観に来てくれるか心配でいました。それでも、マスコミ試写会は盛況で評判も悪くなかったけど、なかなか映画の記事が出ない。聞くと、映画は面白いけど、やはりこの映画を取り上げるのは難しいと上司や会社に言われてしまって、という声を聞いた。そんな折りに鈴木さんがふらっと試写会に観に来てくれて、その時は初めてで付き合いもなかったのだけど、その後にすぐに当時連載していた週刊誌「SPA!」に『A』を大絶賛する記事を書いてくれました。「すごいものを観た」みたいな感じで。それが僕の映画の初レビューでした。だからとても鈴木さんには感謝しているんです」と印象的なエピソードを披露した。中村監督がそれに答えて「当時から怖いもの知らずというか、批判されることに対しての覚悟をもっていたんでしょうか?」と問うと、森監督は「鈴木さんは、怖いもの知らずということではないと思う。むしろ小心者みたいな部分もある。それでも、やはり言うべきことは言う、言わなければならないという覚悟が勝るんでしょうね」と答えた。
続けて、森監督より、中村監督と鈴木氏の出会いを問われると中村監督は、「もともと私の父が正津 勉という現代詩の詩人なのですが、以前ジャーナリスト専門学校というところで教えていたことがあって、その時に鈴木さんも教鞭をとっていました。その当時からのお付き合いだったのですが、それからずいぶん経って『ナオトひとりっきりAlone in Fukushima』2015という作品を撮った際に、上映中のトークゲストに来ていただきました。それからまた交流が始まったんですが、私自身が、団塊ジュニアで父親も含め激動の60、70年代を生きた人々に対しての憧憬なのか、愛憎なのかみたいなものがずっとあって、もしかしたら鈴木さんを撮ることで見えてくるものがないか知りたくて、カメラを回し始めました」と答えた。
気になる現在の鈴木氏の容体に関しては、昨年11月上旬に倒れて手術後、今も入院してリハビリ中とのこと。車椅子での生活を余儀なくされているというが、それでも、2月1日から始まる公開の際には「ぜひ、元気な姿で観客の前に登壇して欲しい」と中村監督が最後に語り、試写会は盛況のうちに終了した。
なお、2月1日からの公開2週間は、鈴木邦男氏が登壇できないとしても、出演している上祐史浩(ひかりの輪代表)、松本麗華(カウンセラー)、雨宮処凛(作家・活動家)や、鈴木氏と親しい武田砂鉄(ライター)、白井 聡(政治学者)ほか豪華ゲストが連日登壇する予定。
登壇者:森 達也(映画監督)、中村真夕監督
公開表記
配給:オンファロスピクチャーズ
ポレポレ東中野にて年2月1日(土)より公開!
(オフィシャル素材提供)