イベント・舞台挨拶

『アンダー・ユア・ベッド』公開中プレミアムトーク祭り

© 2019 映画「アンダー・ユア・ベッド」製作委員会

 登壇者:高良健吾、廣木隆一監督

 映画『アンダー・ユア・ベッド』が公開中だが、7月19日の公開初日から満席&立ち見客続出で、連日劇場は大入り。公開二週目を迎えたが、観客動員数が全く落ちることなく好調を維持している。映画レビューサイトFilmarks初日満足度ランキング第3位、国内作品としては最上位にランクインし、「今年ナンバーワン!」「凄い映画を観てしまった!」「余韻が半端ない!」など本作の世界観に引きずり込まれている口コミが飛び交っている。客層は、R18+作品のレイトショーにも関わらず、20代、30代の女性客が連れ立って観に来ているのが目立ち、カップル客も混ざり、ヒリヒリとした刺激と余韻を求める人々が劇場へ連日詰め掛け、期待と熱気に満ちており、本作のスマッシュヒットに繋がっている。単館1館から公開をスタートした本作は、東京での反響と全国から公開拡大の熱い声援を受け、横浜シネマ・ジャック&ベティ、大阪シネ・リーブル梅田、名古屋シネマスコーレなど現在18館公開まで拡大。さらには9月6日より台湾での公開決定! 日本を超え海外にも『アンダー・ユア・ベッド』の熱が広がっている。

 そしてこの度、公開中プレミアムトーク祭りが開催され、主演の高良健吾と『M』(07)、『軽蔑』(11)、『彼女の人生は間違いじゃない』(17)などの作品でタッグを組み、俳優・高良健吾をもっとも知る廣木隆一監督がスペシャルゲストとして登壇した。10代から高良を見てきた廣木監督が、30代最初の年に久しぶりに痛々しく、ヒリヒリする役を演じた高良の、廣木監督でないと語れない話が満載。高良と廣木監督の仲の良さと関係性がにじみ出た、穏やかでほのぼのとした温かい笑顔に終始包まれた一夜限りのプレミアムトークショーに、超満員の観客も笑顔が絶えずうっとりと酔いしれた。

 土用の丑の日、夜もむし暑い中、今ジワジワと世界中に広がる『アンダー・ユア・ベッド』現象。その台風の目とされるテアトル新宿のレイトショーには、暑さを押しのけ集まった観客たちによって埋まる満席と立見席。上映後には自然と拍手が巻き起こった。そこに登壇したのは本作の主役、三井を演じた高良健吾。続いて、高良と幾度もタッグを組み本人の演技に大きな影響を与えた廣木隆一監督が登壇した。

 高良は「こんなにたくさんのお客さんに集まってもらい本当にうれしいです。廣木監督たちとさっきご飯食べてていて思い出したんですけど、マスコミが入るのを忘れていて……、こんな感じです(Tシャツにジーンズのラフな格好)。今日は楽しんで帰ってください。」とお茶目な高良の表情から挨拶からスタートした。廣木は「この映画とまったく関係ない廣木です。今夜は高良健吾を丸裸にしたいと思いますので、よろしくお願いします」。

 廣木監督と高良は『M』(07)にて初タッグを組み、『雷桜』(10)、『軽蔑』(11)、『きいろいゾウ』(13)、『彼女の人生は間違いじゃない』(17)、そして、『海まで何マイル』(19)にて共に作品を作っている。廣木監督は最も高良を知る人物とも言える。

 高良「今日ずーっと朝からソワソワしていたんですけど、それがなぜか不思議で。廣木さんとこうやってトークするの初めてだなとここに向かっていて気づきました。今はもう大丈夫です」と今の心境を吐露すると、「今は俺が緊張してるよ」と廣木監督も心境を吐露し笑いを誘った。「僕が熊本の高校3年生の時、事務所に挨拶しに行って、はじめて廣木さんに会いましたね」と高良は廣木監督との初対面を語ると「その時には『M』をやると決めていたので、「あ、ここに『M』の主演がいたぞ」って当時思いましたね」、「でも、その後オーディションありましたよね(笑)?」「一応ね(笑)」と『M』のキャスト決定の裏話が披露された。「それから、嬉しくて廣木さんの映画をいろいろ観て、これからすごいとこに行くんじゃないかって当時すごく思いました」と当時の心境を語った。

 「だから、今日は廣木さんと話したことないこと話せたら自分もラッキーだなと思っています。今までずっと気になっていたんですけど、『M』で河原でキャッチボールするシーンがあって、ただのキャッチボールするだけのシーンなのに、テイクが20~30もあって、その時に『お前ずっと立ててないから』って廣木さんに言われたんです。確かに自分も18で熊本から出てきたばかりでソワソワして芝居に集中できていなかったんです。『立ててない』って言われて、“この人は何を見ているんだろう、なんでバレるんだろう”と思ったんですよね。なにを見ていたんですか?」と当時から疑問に思っていたことを問う高良。それに対して廣木は「なにを見ていたんだろう(笑)。まぁ、芝居は見ているけど、その演技の場所に立つまでを見ていて、気持ちの見え方とかを見ている。それができてないから『立ってないじゃん』とかは言う。あえて言うこともあって、言うことで何か考えてくれるかな?って。役者さんのどこをつつけばいいかってのをすごく考えている」と廣木監督の考えが語られた。

 それを聞いた高良は「僕の場合、廣木さんの演出って厳しいイメージがあるんですけど、さっき新宿3丁目にいて当時18で中打ち上げした時のことを思い出しましたよ。その日の演技、“自分はできた”と思ったんです。だから、調子に乗って『今日の俺、出来てたっすよね?』って廣木さんに聞いたら、『はぁ?』って言われて、そこから中打ち上げですごい怒られて、そこからトイレに籠るっていう(笑)。そしたら皆が下で待っててくれてたっていうのを、さっき思い出しました」と当時の苦い出来事を思い出した高良に、廣木監督は「今日、健吾のファンがいっぱいいるから、僕ほとんどの人に嫌われるじゃない(笑)」と心配そうに語り、「でも僕のヒリヒリした役どころは『M』から始まってます(笑)!」と高良も応戦した。

 続いて、客席とのティーチインでは、「高良さんが演じた三井を見て廣木監督はどう思ったか?」と聞かれると、廣木監督は「一つの作品のなかの彼の執着している部分や純粋な部分、自分の殻から出る部分、いろいろな感情を内包している主人公はこれからどうするんだろうってすごいドキドキして見ていた」と語った。続いて聞かれた質問は「お二方でやりたい役、やってほしい役は何か?」と聞かれ、高良は「これからラブコメをやるんですけど、自分は初めてだから、最近ラブコメばっかり見ていてほっこりしています。そういうのもやってみて一緒にふざけてみたいですね」、「『オオカミ少女と黒王子』みたいなね(笑)」と廣木監督は自身の監督作を例に出し語った。

 さらに本作に関しての話が展開されると、高良は「今回この映画ではおむつ履くシーンがあるんですけど、その時思ったのが“三井君、本気出したぁ!”って思いましたね。(笑)」それに対して廣木監督は「おむつプレイかと思ったよ(笑)」と会場を笑わせ、「おむつのシーンでも爽やかだよね」というと会場に納得の声が広がった。「すごい変態なことをしているのに、何故かすがすがしい作品だと思った。それは現場の勢いがあったからだろうな」と本作について語る廣木監督。

 そして、30代を迎えた俳優・高良健吾についての話に及ぶと、廣木監督は「健吾が30になったって、俺の中では信じがたい部分がすごいある。『M』が制作から公開されるまで時間があったから、健吾を連れてヨーロッパの映画祭に行って、帰ってきてすぐ東京国際映画祭で新人賞とってすっごい嬉しかった。やった!って思ったよ。しかも、その受賞のスピーチが18なのに立派でびっくりしたんだよね」と当時の高良を思い出すように語り、今年「『彼女の人生は間違いじゃない』で久しぶりに健吾が出演してくれて、その時に面白いなと思ったのが、健吾がちゃんと相手の芝居を引き出そうというのができていて、健吾の芝居につられて相手の芝居が変わるってことをなんだかすごく嬉しく思って見ていた。昔に比べてすごくリラックスしていたし、18~30歳で12年のキャリアってすごいなって思うし、その中で存在できている」と最近の高良の芝居の変化を語った廣木監督。それに対し高良は、「廣木さんに、その年齢をその年ごとにちゃんと演じるように言われて、それをずっと大切にしている」と語った。

 観客からの最後の質問で「30代になって高良さんの色気が増したと思うのですが、廣木監督はその色気をどんなふうに撮りますか?」という問いに廣木は「僕だったら高良健吾に抱きしめられたいですね(笑)」とジョークで会場を笑いに包んだ。

 まだまだ語り足らない二人だったが、時間に追われ最後の言葉に高良は「まずこんなふうに二人で話すこともそうそうないことだったし、皆さんと一緒に共有できて楽しかったです。この作品『アンダー・ユア・ベッド』は自分の中でも特別な作品であり、廣木監督とこうやって語ることができてすごい特別な時間でした。僕、映画が好きだなぁって改めて思いました。また映画館で会いましょう。ちょくちょくいるので(笑)。今日はゆっくり休んでください。おやすみなさい」本作の全身に力が入りズシンと重くのしかかる空気から一転、今からぐっすり眠れるような高良のささやきと共に今夜のイベントは幕を閉じた。

公開表記

 配給:KADOKAWA
 2019年7月19日(金) テアトル新宿ほか全国ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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