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『サタデー・フィクション』第76回ヴェネチア国際映画祭 公式記者会見&レッドカーペット

©YINGFILMS

 ハリウッドでも活躍する中国を代表する女優コン・リーとオダギリジョー共演が注目される映画『サタデー・フィクション』の公式記者会見が、現地時間9月4日(水)にイタリアで開催中の第76回ヴェネチア国際映画祭の中で行われ、メガホンを取ったロウ・イエ監督、主演のコン・リー、日本からはオダギリジョー、中島 歩、ドイツからはトム・ヴラシア、フランスからはパスカル・グレゴリー、また、台湾からはマーク・チャオらが出席。

 ロウ監督は、中国語、フランス語、日本語など多くの言語が使われる本作の難しさを問われ、「素晴らしい俳優たちによって絶妙のバランスを保つことができた」と語った。

 ベネチア国際映画祭、コンペティション部門に出品されている本作は、世界の諜報員が暗躍する1940年代の上海、実在する「蘭心劇場」で巻き起こる愛と謀略の物語。

 世界初のお披露目となった公式上映では、国際色豊かなインターナショナルキャストがレッドカーペットを歩き、観客の声援に笑顔で答えた。終映時には拍手喝采が起きた。

 公式上映を終えた、オダギリジョーは「凄い映画でした。音楽も一切使わず、ほとんどがハンディカメラでしかも白黒。今までにないタイプの映画と言えるんじゃないでしょうか。刺激を受けました。僕も監督として『ある船頭の話』では、挑戦的な映画を作ったつもりだったが、『サタデー・フィクション』も攻めてる。やはり媚びてないロウ・イエのカッコよさを改めて見たなと思いました」と語った。

 日本での劇場公開は、2020年秋。

『サタデー・フィクション』記者会見

オダギリジョー:今回、ロウ・イエ監督の作品に呼んでいただけて光栄でした。
 コン・リーさんはじめ、たくさんの国際的に活躍されている人たちと仕事ができて、光栄で幸せなことでした。
 ヴェネチアにも連れてきていただけて、本当に嬉しく思っています。

中島 歩:僕は、学生の頃にロウ・イエ監督の作品『スプリング・フィーバー』を観て彼のファンになって、映画の世界に入るきっかけのひとつになりました。
 そのロウ・イエ監督とご一緒できたことを本当に幸せに思いますし、光栄に思います。
 そして何より、多国籍なキャストと共演できたことを誇りに思います。ベネチアまで連れてきてくれた監督に改めて感謝したいと思います。

ロウ・イエ監督:映画は第二次世界大戦中という設定で、世界背景がとても混乱しています。
 個人個人にカメラをフォーカスしたいと思い、ぼやけた、スモーキーな映像で撮影しました。
 中国語、フランス語、日本語など多くの言語が出てくる作品なので、撮影中、撮影後と、いろいろな人のサポートがありました。
 様々な言語の中で、バランスとるのがとても大変でしたが、監督の仕事はそのバランスを保つことです。すばらしい俳優たちによって、そのバランスが保てたと思います。

コン・リー:最初に脚本を読んだとき、とてもやりがいのある役だと思いました。脚本を読み終えるのに1週間かかりました。複雑な役ですが、その複雑さをロウ・イエ監督は説明してくれました。
 この役はスパイでありながら、フェミニンな側面も持ち合わせています。ラストシーンの銃撃戦では、殺人者の側面も出てきます。
 彼女が持つ愛や温和さを表現したいと思いました。ロウ・イエはそれを助けてくれました。
 まだ映画は観ていないので、どのようになったか楽しみです。

ロウ・イエ(婁燁)プロフィール

 1965年生まれ。中国の脚本家、監督、プロデューサー。
 1994年、『デッド・エンド/最後の恋人』で監督デビュー。
 2000年、『ふたりの人魚』は当局の許可なしにロッテルダム国際映画祭に出品したため中国では上映禁止となった。
 2003年、チャン・ツィーを主演に1930年代の中国と日本の間の対立を描いた『パープル・バタフライ』は、カンヌ国際映画祭の公式コンペティション部門に選出。
 2006年、天安門事件にまつわる出来事を扱った『天安門、恋人たち』はカンヌ国際映画祭で上映された結果、再び5年間の映画製作・上映禁止処分となる。禁止処分の最中、検閲を避けるためフランスと香港合作で作られた『スプリング・フィーバー』は2009年カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。
 その2年後、2011年タハール・ラヒム主演で『パリ、ただよう花』をフランスで撮影。2012年、カンヌ国際映画祭“ある視点部門”オープニング作品に選ばれた『二重生活』は、映画制作禁止後に、ロウ・イエが公式に復活を果たした作品。
 2013年、『ブラインド・マッサージ』はベルリン国際映画祭にコンペティション部門に選出され、台湾のアカデミー賞金馬奨で作品賞を含む6冠を受賞。2018年、広州・香港・台北を舞台にしたクライムサスペンス『The Shadow Play(英題)』は金馬奨で4部門ノミネート。

©YINGFILMS

登壇者:コン・リー、オダギリジョー、中島 歩、トム・ヴラシア、パスカル・グレゴリー、マーク・チャオ、ロウ・イエ監督ほか

公開表記

配給:アップリンク
2020年秋 公開

(オフィシャル素材提供)

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