『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督とともに河瀨直美、北野 武、是枝裕和、黒沢 清に次ぐ映画監督として海外から高い評価を得ている深田晃司監督。最新にして9本目の長編映画『LOVE LIFE』はミュージシャン・矢野顕子の1991年にニューヨーク移住後に発表した初のアルバム『LOVE LIFE』に収録された同名楽曲をモチーフに、「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語を構想期間20年の時を経て完成させた作品。なお、本作は「メ~テレ60周年記念作品」として位置づけられている。
劇中では、愛する夫と愛する息子、幸せな人生を手にしたはずの主人公・妙子に、ある日突然降りかかる悲しい出来事、そこから明らかになる本当の気持ち、彼女が選ぶ人生が描かれる。主人公妙子を演じるのは木村文乃。木村は妙子の、嵐の前の静けさが孕む寧静な佇まいと爆発しそうな激情を、全身全霊で表現。本作は女優・木村文乃の新境地を体感できる意欲作でもある。
「愛する」とはどういうことなのかという普遍的な問いかけ。映画『LOVE LIFE』はひとりの女性を通して「愛」について「人生」について描いた物語。すでにフランスでも公開が決定していることから、日本のみならず海外からも熱い注目が集まる映画『LOVE LIFE』は本年、2022年秋公開予定。
穏やかな家族に潜む、崩壊の前触れ……
ドラマティックな展開が期待される場面スチールを解禁!
新キャストの情報とともに、場面スチールを解禁。ひとり息子を囲む妙子(木村文乃)と二郎(永山絢斗)の幸せそうな家族写真がある一方、妙子の思い詰めた表情やそれぞれに近づく別の異性の存在。山崎(山崎紘菜)は二郎を引き留めるかのように張り詰めた表情をしており、妙子はパク(砂田アトム)に全てを委ねたように寄り添う。明恵(神野三鈴)と誠(田口トモロヲ)の不幸の前触れとも思しきショットの数々も。“LOVE LIFE”というポジティヴなタイトルとは裏腹に、どこか不穏な空気が漂う場面スチールとなっている。
キャスト コメント
◆ 永山絢斗
深田監督の作品は『淵に立つ』を拝見していたのですが、このお話をいただいた時は、とても嬉しかったです。監督の作品は、一言ではまとめられない監督の色が、どこかしらすごく出ていて、俳優としてもっと早くいろんな作品を見ておけば良かったなと思いました。
監督は天使なのか悪魔なのか。まぁ、両方持っているんでしょうけど。宇宙人みたいな人ですよね。探り探り、撮影していました。最近はテレパシーも受け取れるようになってきました。
久しぶりの映画の撮影なので、自分自身ほくほくしている部分もありましたし、朝起きて、ワクワクしている自分が少しいるというか、幸せな現場に携わることが出来たと感じています。
二郎という役を貫いて、完成した本編に「LOVE LIFE」の音が流れるのを聞くのを楽しみにとっておきたいと思います。
◆ 砂田アトム
映画『LOVE LIFE』に出演させていただいてすごく嬉しく思っています。
共演した木村文乃さんは本当に素晴らしい方です。木村さんの“目”の表情というのはものすごく伝えてくるものがあって、目の奥から言葉が伝わってくる、そんなことを感じました。
内容は「愛とは何か」そして日本人と韓国人の関係、さらに聞こえる人と聞こえない人との絡みなど、さまざまなものが盛り込まれた映画になっています。
非常に魅力ある作品ですので、ぜひ皆さまもご覧ください。そして聞こえない人たちの文化、聞こえない人の生活様式、さまざまなものが盛り込まれておりますので、聞こえる人も聞こえない人も、一緒に観ていただけたら非常に嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
◆ 山崎紘菜
役名が自分の名前と同じ「山崎」で、役柄の設定に自分と重なる部分も多かったので、オーディションの時から山崎理佐という人物にとても親近感を抱いていました。なので出演が決まった時はとても嬉しかったですし、今作との出合いに何か運命的な物を感じました。
深田監督は「観客に向けて何かを伝えようとするのではなく、目の前にいる相手に、共演者に伝えることに集中してほしい」とおっしゃられていたので、撮影中はただただそのことだけを全うしようと努めていました。
「なんでこんなことを言ってしまったのか分からないけど口走ってしまった」というような無意識の領域をお芝居で見つけようと模索した経験は、私にとってとてもかけがえのない財産となりました。今作に、そして監督との出会いにとても感謝しています。
私自身、この映画を観終わった後にどんな感情が湧き出てくるのか、全然予想がつきません。全く新しい、自分でも出合ったことのない感情に出合えそうな予感がして、とても楽しみにしています。観てくださった方がどんな感想をお持ちになるのかぜひ知りたいです。
◆ 神野三鈴
初めての深田監督は映画をつくること、みんなが尊重し合える状況で映画をつくること。純粋にそれのみに魂が熱く青く燃えているようで、私はとても幸せでした。
脚本を読み終えた時、不思議な「救い」を感じました。
罪を抱え、どうしようもない真っ暗な世界の中で生きる時、初めて覗く何かの存在、人生詰んだ……ではなく、その人生そのものがもしかしたらその人の「人生の個性」なんじゃないか……そこからが真に与えられた宿題のような……、そんな感覚になりました。
何かの存在に名前はつける勇気がまだないけど、空を見上げた時にふっと感じました。皆さんと繋がる同じ空に。
皆さん、それぞれの「LOVE LIFE」を感じてくださったら嬉しいです。
◆ 田口トモロヲ
現代社会が生み出して、隠れがちな歪なものであったり、闇であったりというのを、本当に静かにあぶり出す。その毒素もひっくるめて「LOVE LIFE」であると。一見静かですけど、生きる人間たちにとっては、ハードコアな気持ちが存在しているんだっていうところの面白さを感じていただけたら、興味深く、観ていただけるのではないかと思います。
映画『LOVE LIFE』観て、感じて、そして考える映画になると思います。
公開表記
配給:エレファントハウス
2022年秋 全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)