累計30万部を超える平野啓一郎のベストセラー小説「ある男」を、『蜜蜂と遠雷』の石川 慶がメガホンをとり映画化、11月18日(金)全国公開となる。本作は、主演の妻夫木聡をはじめ、安藤サクラ、窪田正孝、清野菜名、眞島秀和、小籔千豊、仲野太賀、真木よう子、柄本 明ら日本を代表する豪華俳優陣が集結した、珠玉の感動ヒューマン・ミステリー。第79回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門へ出品に続き、第27回釜山映画祭のクロージング作品にも選ばれ、海外で高い評価を得ている本作。
10月27日(木)、日本初のお披露目となるジャパンプレミアが開催され、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、眞島秀和、柄本 明、石川 慶監督、そして原作者の平野啓一郎がレッドカーペットに登場。海外での反響や撮影中の裏話や思い出、作品に込めた想いなど、本作についてたっぷり語った。
舞台上には、超大型タイトルパネルも登場し、華やかで大盛り上がりのイベントになった。
華やかなレッドカーペットに妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、眞島秀和、柄本 明、石川 慶監督、原作者の平野啓一郎ら豪華キャストとスタッフが登壇すると、会場は溢れんばかりの拍手に包まれた。そんな観客の期待に応えるかのように、登壇者が一言ずつ挨拶した。
妻夫木:ようやく皆さんに観てもらえるということで、緊張しています。最後まで楽しんでいってください。
安藤:原作者の平野さんと登壇することもあまりないので、楽しく過ごしたいと思います。
窪田:ヴェネチアと釜山を経てようやく日本で皆さんに観てもらえる機会が来て嬉しく思っています。
眞島:本日はありがとうございます。楽しんでいってください。
柄本:ご来場ありがとうございます。楽しんで観ていただいて、帰ったら周りの方にぜひ宣伝してください。
石川監督:今日は改めて豪華なキャストが揃ったと思います。短い間ですが楽しんでください。
平野:才能溢れる皆さんに作っていただいて、本当に作家冥利に尽きる。喜びを噛みしめています。
撮影から約1年半を経てついに公開となる本作の撮影エピソードを問われると、妻夫木は柄本との共演シーンが印象に残っているとコメント。「監督がテクニカルなことに挑戦して、柄本さん演じる小見浦という、なかなかな役がさらに増長して観客を引き込むシーンになっています。柄本さんに食われるのかと思うくらいに演じていて楽しかった」と語り、役者同士の演技がぶつかるシーンに期待が高まる。
一方、安藤は子どもを亡くした経験をもつ里枝を演じたことから「悲しいことがある役柄だったので、あえて楽しいことをしたいと思い、山梨での撮影中に映画を観ました。その時、偶然に妻夫木さんに会って。今回3回目の共演になりますが、安心感がある方です」と意外なエピソードと妻夫木の印象を明かした。また、窪田は安藤との家族シーンが思い出深いそうで、「安藤さんは大黒柱というか、ベースを作ってもらって引っぱってもらいました。リアルな家族の風景が描かれていると思います」と、さらに子役の演技も素晴らしかったと感慨深そうに語った。眞島は石川組への久々の参加に「石川組に参加できるだけで楽しかった。妻夫木さんにも久しぶりにお会いしました。次回は、城戸と恭一逆の役柄を演じてみたいです」とコメントすると、妻夫木も「クセが強い役を嫌味なく演じられるのはさすがでした(笑)」と返した。石川監督は「本当に素晴らしいキャストが集結したので、見ているだけで楽しい気分になりました。コロナ禍だったので静かに、充実した撮影期間でした」と振り返った。平野は撮影現場にも訪れたそうで、「弁護士事務所での緊迫したシーンだったのですが、見ていて興奮しましたし、セットも緻密でした。初めて出来上がった作品を観た時はとにかく感動しました」と、原作者として胸の内を明かした。
ヴェネチア国際映画祭に続き、釜山国際映画祭のクロージング作品として上映され、海外でも評価されている本作。久しぶりの海外映画祭に参加した感想を妻夫木は「ヴェネチア映画祭では、上映が終わった後に笑っている方もいて。日本とはまた違った捉え方が興味深かった」、窪田は「釜山映画祭では、舞台挨拶の後に帰る導線が観客と一緒で、そこで直接感想をもらったり新鮮でした」と盛大に迎えられた海外での反響を語った。安藤は「撮影中はなかなか皆でごはんに行くことができませんでしたが、異国の場所でやっとごはんを食べることができて、今、私たち仲良しなんです!」と海外でよりチームの結束が強まったようだ。
続いて、別人の人生を生きていた“ある男”にちなみ、もし別人になれるとしたら誰になりたいかという話題に。
石川監督は「今回音楽を担当してくださったCicadaの音楽を聴いて、楽器ができたらいいなと思いましたね」、格闘技好きの平野は「入場シーンと勝った時の雄叫びをあげるというところだけやってみたい(笑)」と回答した。柄本は「その時の気分次第ですね。相米慎二監督の目線で世界を見られたらいいですね」、眞島は「18歳で上京した時は、公務員になりたかった。役者ではなく、公務員の道に進んでいたらどうなったのか、のぞいてみたい」と願望した。窪田は大先輩である妻夫木になりたいと明かす。「妻夫木さんは学びをやめない人。先輩後輩の垣根がなくて、すごくリスペクトしています」とラブコールを送ると、妻夫木は「好きなことをやってるだけなんだけどね」と謙遜するも、二人の仲の良さが垣間見られた。そんな中、安藤は「ターザンが良い。何かにぶら下がって、壁から壁に飛ぶ能力を身につけて飛びたい!」と意外な回答も。妻夫木は「『ブロークバック・マウンテン』のヒース・レジャーになりたい」とコメント。「フィルムの中に生きていて、ただそこにいるだけの存在ってどういうふうに役と向き合うのか知りたい」と、役者ならではの回答が飛び出した。
最後に、石川監督は「日本で初めて上映されることになりますが、深く重要なテーマも盛り込まれていて、それ以上におもしろいストーリーなので、純粋に楽しんで感想を持ち帰ってください」、妻夫木は「これほど観終わった後にいろいろな感想をもたれる映画はめずらしい。人それぞれの結末があって良いと思います。海外の映画祭での感想を受けて、僕たちの思い描いていた『ある男』のイメージがより広がって、こういうことがあるのかなぁと逆に思わされたりもしました。皆さんが良いと思っていただいたら、いろいろ想像していただけたらと思います。今日はありがとうございました」と締め、日本初お披露目に相応しい盛大なイベントは幕を閉じた。
登壇者:妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、眞島秀和、柄本 明、石川 慶監督、平野啓一郎(原作者)
公開表記
企画・配給:松竹
11月18日(金) 全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)