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『月の満ち欠け』第35回東京国際映画祭ティーチイン付き上映会

©2022「月の満ち欠け」製作委員会

 

 2017年に第157回直木賞を受賞し、累計発行部数56万部を超える佐藤正午によるベストセラー小説「月の満ち欠け」(岩波書店刊)。著者・佐藤正午の最高傑作と名高い純愛小説が実写映画化、2022年12月2日(金)に全国公開となる。

 現代を生きる、愛する妻子を亡くした男性・小山内と、27年前にある女性と許されざる恋をした男性・三角。無関係だった彼らの人生が、“瑠璃”という名の女性の存在で交錯する。これは、「愛する人にもう一度めぐり逢いたい」という想いが起こした“奇跡”が紡ぐ、数奇で壮大なラブ・ストーリー。

 10月29日(土)、第35回東京国際映画祭での上映にて、廣木隆一監督の登壇のティーチインイベントが実施された。

  上映会終了後、大きな拍手に包まれた会場内に廣木隆一監督が登場し、ティーチインイベントがスタート。まずは、映画を観終えたばかりの観客へ「最後に拍手をいただいたので楽な気持ちになりました。短い時間ですが楽しんでいってください」と挨拶。本作は直木賞作家の佐藤正午による小説を原作としており、観客の中にも原作ファンが多く見受けられた。廣木は「佐藤さんの原作は、話や人間模様が非常に入り組んでいるので、映画化をするのは大変だと思ったが、これまでも複雑な原作を映画にするという挑戦をしてきているので、本作も人間関係をすっきり出来れば成り立つと思いました。僕自身生まれ変わりを心のどこかで信じている気持ちがあって、親戚の子どもが産まれたりすると“もしかしたら……”と思うこともありました。そんなファンタジーだけどリアルさもあるような感じに作りました」と話題の小説を映画化することへの思いを語った。
 続いて本作のキャストについての話題へ。「(主演の)大泉 洋さんが最初に決まって、他の方も続いて決まっていきました。大泉さんの役は唯一観客と同じような視点で、等身大のお父さん。とてもリアルに演じてくださっているので、映画が観やすくなったと思います」と話す。三角哲彦役の目黒 蓮については「彼は現場では自分のキャラクターを守るようにあまり口をきかず、役に没頭していました。良い役者さんです。堅の元を三角が訪ねて来るシーンはとても緊張感があって、大泉さんの芝居で目黒さんの良いところが引き出されていてとても助かりました。大泉さんとの共演は彼にとってとても良い経験になったと思います」と振り返った。


 また、Q&Aコーナーでは観客から有村と目黒の共演シーンの撮影にまつわる質問が。「三角が瑠璃を撮影するシーンで惹かれ合う2人の関係性が近くなっていくんですが、2人ともとても自然に芝居していて印象的でした」と語った。そして本作で大人顔負けの演技を見せた子役たちについては「事前に台本を読ませず、台詞を覚えてもらわずに現場でやってもらいました。台本を渡しちゃうと親御さんと練習しちゃうので」と自然な芝居へのこだわりがうかがえる廣木流の演出を明かした。
 制作の裏側に関する質問も多く、劇中で有村演じる瑠璃が小津安二郎の『東京暮色』を観るシーンについて「瑠璃の心境がシンクロしている映画で何をかけようかとなった時に、僕の大好きな小津を引用しました」と回答。また、「音楽はゲスの極み乙女。のちゃんMARIさんが担当しています。(※本作ではFUKUSHIGE MARI名義)どれも素晴らしい楽曲」と劇中音楽もアピール。そして、本作の重要なランドマークとなっている高田馬場駅前を再現した撮影セットに関する質問では、「茨城県筑西市にある運動公園の駐車場の場所を借りて高田馬場を再現しました。風景は全てCGです。今行っても見られないです! この映画の中だけ(笑)」と笑顔を見せた。
 イベントの最後に観客へ「映画は面白かったですか?」と投げかけると、会場内からは再び大きな拍手が沸き起こる。安堵の表情の廣木は「ぜひSNSなどでどんどん宣伝してください。公開は12月2日(金)です。それまでにまた舞台挨拶やイベントをやると思いますので、何度でも観てほしいです。ありがとうございました」と挨拶で締めくくった。

登壇者:廣木隆一監督

(オフィシャル素材提供)

公開表記

配給:松竹株式会社
12月2日(金) 全国公開

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