イベント・舞台挨拶

『耳をすませば』ティーチインイベント

©柊あおい/集英社 ©2022『耳をすませば』製作委員会

 大ヒット上映中の映画『耳をすませば』のティーチインイベントが都内で行なわれ、主演の天沢聖司を演じる松坂桃李、中学生時代の聖司を演じる中川 翼、メガホンを取った平川雄一朗監督が出席して観客からの質問に答えた。


 本作は、「りぼん」で連載された漫画が原作。読書が大好きな中学生の女の子・月島 雫が、夢に向かって生きる男の子・天沢聖司に想いを寄せていく青春ラブ・ストーリー。1995年に公開されたスタジオジブリのアニメ映画で描かれた中学生時代の物語に加え、完全オリジナル・ストーリーの10年後の物語が描かれる。大人になった聖司を松坂が、雫を清野菜名が演じている。
 平川監督が手を上げた客席のファンを指名して質問に答える形式でイベントは進められた。
 雫と聖司の10年後が描かれる本作にちなんで、10年前の自分や10年後の自分についての質問が飛ぶと、松坂は「10年前に平川監督とは、樹木希林さんと共演した映画『ツナグ』(松坂初主演)でご一緒しました。『梅ちゃん先生』(NHK連続テレビ小説)を撮っているときで、毎日が忙しくて、てんやわんやしていてよく分からまま日々が過ぎている感じの頃でした。樹木希林さんに撮影前に読み合わせでしごかれたのを覚えています」と述懐。監督にもしごかれたという松坂だが、「あの現場があったから今の僕がいます」ときっぱり。そんな松坂に平川監督は「立派になられましたねー」としみじみ。役柄によって大きく変化する松坂の演技力を絶賛した。


 続けて松坂は「今34歳なので、10年後は44歳。『ツナグ』で教わったこと、芝居の心得などを大事にしていきたい」と話した。
 中川は10年後の自分について「松坂さんのような俳優になりたい」と夢を語った。目標にされた松坂が「菅田(将暉)さんから服をもらったと言って着ていたよね~」とちょっと意地悪くつっ込むと、慌てた中川は、「松坂さんもください」とおねだり。大人の松坂は「分かった! 忘年会の時に持っていくよ」と笑顔で中川に嬉しい約束をしていた。


 中川の演技に松坂は「振り向いた時の顔が僕に似ていると思う。研究してくれたんだね。声もいいし……」と先輩としての優しい笑顔を向ける。中川は「褒められたこと、あまりないので……」と大テレだった。
 中川は松坂が劇中でチェロを弾く松坂を「弦をつまびくところ、アドリブ力があるところが素晴らしい。空気感がかっこいい」と憧れのまなざしを向ける。チェロは1ヵ月ほど練習したという松坂。ユーチューブなどプロの演奏を見て、弾くときの動作など研究したそうだ。松坂のお手並みに注目。特に終盤の演奏シーンは素晴らしい。


 劇中の好きなセリフを聞かれた松坂は「聖司が言う“やな奴”というセリフが好きかも。言葉とは裏腹な気持ちが伝わってほっこりする」。平川監督は「夢は形を変えていく……」をあげていた。


 青春時代の夢の話になると、松坂は「バスケを始めたきっかけが『SLAM DUNK』だった」と振り返り、好きなキャラ(宮城リョータ)のドリブルを真似して出来るようになり、「漫画と同じ技が出来たり、登場人物がやっていることが出来たりするようになると楽しい」と嬉しそうに明かした。中川はカード・ゲームが好きだと明かし、「大きな大会に出たいな」と夢を語った。


 ヒロインの翼のように物語を書くとしたらどんな物語を書きたいという?という質問に、中川は「ミステリーやサスペンスが好きなので、刑事ものかな」。松坂はしばらく考えて「“桃太郎”かな。お供は人間にして実写化。キビ団子になるようなものは何がいいかなぁ~」とかなり真剣な様子だった。実現すると楽しいかも。平川監督は「九州の出身なので、九州を舞台にした青春群像劇かな」と楽しそうに答えていた。


 最後に松坂は「今日はありがとうございました。皆さんとコミュニケーションをとりながら時間を過ごすティーチインイベントのようなイベントはすごく好きです。公開されるまで(コロナ禍もあって)時間がかかりましたが、無事に公開できて幸せです」と客席に優しい笑顔を送った。

登壇者:松坂桃李、中川 翼、平川雄⼀朗監督

(取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント/松竹
全国大ヒット上映中!

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