『かがみの孤城』プレミアイベント

　映画『かがみの孤城』のプレミアイベントが都内で行われ、舞台挨拶に声優を務めた　當真あみ（こころ）、北村匠海（リオン）、吉柳咲良（アキ）、板垣李光人（スバル）、横溝菜帆（フウカ）、梶裕貴（ウレシノ）、宮﨑あおい（喜多嶋先生）とメガホンを取った原恵一監督が登壇した。

　2018年本屋大賞を史上最多得票数で受賞した辻村深月のファンタジー・ミステリーを劇場アニメ化。学校で居場所を亡くし、引きこもりの中学生・こころ（當真）が、不思議な“鏡の中の城”で、見ず知らずの中学生６人と一緒に経験する不思議な出来事が描かれる。

　会場にはスモークが焚かれ、キャスト陣たちは鏡の中から登場するという幻想的な演出が行われた。

　1000人を超えるオーディションを勝ち抜き、こころ役に抜てきされた當真は「原作が元々好きで、小説も読んでいました。選ばれて本当に嬉しいです。いろんな人に観て欲しい……」と喜びに胸を震わせる。抜てきの理由について原監督は「原作のこころのイメージと、當真さんの“いま”というものがピタッとクロスしました。まさに“こころを見つけました”」と話した。

　當真は「少し引っ込み思案なところが似てるなって思います。監督からアフレコの時に『オーディションの時のままの感じでやってほしい』と言われて、変わらないことを意識してやりました」と役柄について語った。

　リオン役の北村は「今25歳なので、サッカーが得意な中学生が出来るかなと思いましたが、監督から『ありのままでいい』と言われました」とコメント。
　そんな北村について原監督は「休憩を取りたくないと言って、休みも取らず、立ったままで４時間くらいかけてアフレコに臨んでいました。緊張やリオンの気持ちを切らしたくないんだなと感じました。マイクと闘う姿に“役者魂”を感じました」と称賛した。
　北村は「声優の仕事は、向かって行かなきゃいけない感情の振り幅があって、途中で『この作品は止まってはならないな』と思ったので、やり切るまでやらせていただきました」と応えていた。

　アキ役の吉柳は「こんなお城があればいいな―とずっと思いながらやっていました」。

　スバル役の板垣は「本格的な声優には初挑戦なので緊張しました。監督からはいつもの感じでいいと言われたので、肩の力を抜くことができました」と監督の後押しに感謝だった。

　横溝は「フウカは感情をあまり表に出さないクールな女の子なので、難しかったです。人見知りのところは似ていると思います」と話し、監督と話し合いながら役作りに励んだことを明かした。

　喜多嶋先生役の宮崎は「私は梶さんと同じ85年生まれなので、今日はお母さんのような気持ちで参加させていただいています」とにっこり。原監督は「宮崎さんとは３度目ですが、いつも文句のつけるところがありません」と大絶賛だった。

　梶も「僕も父親みたいな気持ち」と見守るような心境だと話し、役づくりについては「年齢とか性別とか外見を超越できるのが声優という仕事の面白さだと改めて感じました。ウレシノはコミカルな一面も持っているので、声優みょうりに尽きる役でした」と語った。

　劇中で「どんな願い事も叶える鍵」が登場することから、「叶えたい夢」について問われると、當真は「人に話しかけるのが苦手なので、誰とでもコミュニケーションが取れる、鬼のようなコミュニケーション能力がほしい」と告白。
　北村は、「最近身長が伸びたと言われるんですが、小栗旬さんくらいのたっぱがほしい（184cm）」と願った。

　当日、作品はまだ完成しておらず、試写が間に合わないので特別映像15分を披露するだけとなった。原監督は、横に勢ぞろいした声優陣を眺め、「よくぞ、この人たちがやってくれたなって。誇らしい」と称え、キャスティングに自信を覗かせた。そして、「もう少しで完成しますのでお待ちください。申し訳ありません」と平謝りだった。