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『近江商人、走る!』第26回タリン・ブラックナイト映画祭(エストニア)ワールドプレミア上映

©2022 KCI LLP

 今は昔、近江国(現在の滋賀県)をベースに全国を駆ける商人たちがいた――。大坂、伊勢と並ぶ「日本三大商人」“近江商人”の活躍を描く、痛快ビジネス時代劇『近江商人、走る!』が12月30日に公開となる。
 そろばん勘定だけじゃない。ある時はケガをして働けなくなった大工を救済する方法をひねり出し、ある時は閑古鳥が鳴く茶屋をアイデアで助ける、そしてまたある時は、店の大借金返済に知恵で挑む――。商いの才と人情に長けた主人公の近江商人・銀次役には、主役に抜擢されたデビュー作『許された子どもたち』(20)で見事毎日映画コンクール「スポニチグランプリ新人賞」を受賞した注目の新星・上村 侑。銀次を支える先輩の蔵之介には『ちはやふる』シリーズを始め映画にドラマにと出演作が途切れない実力派・森永悠希。銀次や蔵之介と共に米屋で働く楓役にはタレントとして活躍の場を広げるのみならず『アルプススタンドのはしの方』(20)では俳優としての実力もしっかりと見せつけた黒木ひかり。お茶屋の看板娘のお仙にはAKB出身で、映像作品のみならず舞台でも俳優としての活躍の場を広げている田野優花。また眼鏡屋の有益には『ハケンアニメ!』(22)での好演、そして『ひみつのなっちゃん。』のドラァグクイーン役も楽しみな前野朋哉といった若手俳優たちが結集。脇を固めるのは、筧 利夫、真飛 聖、矢柴俊博、堀部圭亮、渡辺裕之、藤岡 弘といったベテラン勢と、村田秀亮(とろサーモン)、大橋 彰(アキラ100%)、たむらけんじ、コウメ太夫らユーモアあふれる笑い芸人たちがキーパーソンとして続々登場! 監督は『老人ファーム』『鬼が笑う』で高く評価された新鋭・三野龍一が務める。
 無理難題に挫けず、あっと驚く発想で難局を乗り切る。今の日本に必要な“商人ヒーロー”が誕生!

現代社会の暗部を容赦なく描いた『鬼が笑う』(22)を手掛けた新星・三野監督の新作はビジネス時代劇!?

 地方の介護施設を舞台に都会から地元に戻った青年の戸惑いと葛藤を描いた『老人ファーム』(19)で鮮烈なデビューを飾り、続く『鬼が笑う』(22)では、愛する家族を守るために暴力を振るう父親を殺めてしまい「人殺し」の烙印を背負って生きる男を通して社会の暗部を鋭く描きだした三野龍一監督。映画ファンの間ではそのリアルでセンセーショナルな内容に惹きつけられる人が続出し、いま最も新作が待ち望まれる若手監督の一人だ。そんな三野の最新作はこれまでの作風を覆すような、軽快なコメディ・タッチで描かれる『近江商人、走る!』という先物取引をテーマにしたビジネス時代劇。既出の2作で三野を知った観客には驚きのニュースでもあるが、本作では時代劇でありながらも所謂“侍たちのチャンバラ物語”ではなく、近江商人という“庶民の生活が描かれている時代劇”という点では過去の三野作品とも共通する点があると言える作品に仕上がっている。12月30日(金)に全国公開を控える本作は、日本に先んじてエストニアで開催された第26回タリン・ブラックナイト映画祭のコンペティション部門に選出され、現地時間の11月23日(水)にワールドプレミア上映され、現地の観客に熱狂的に迎え入れられた。(※上映は、11/23、11/24、11/26の合計3回実施)

第26回タリン・ブラックナイト映画祭にて現地の観客と熱気あふれるQ&A

 第26回タリン・ブラックナイト映画祭は世界15大映画祭のひとつでエストニアの首都タリンにて現地時間11月11日~11月27日に開催されている歴史ある映画祭。国際映画製作者連盟(FIAPF / International Federation of Film Producers Associations)公認の、カンヌ、ヴェネチア、ベルリン、ロカルノなどとともに世界15大映画祭として数えられ、近年その価値を急激に高めているヨーロッパの重要映画祭。過去にはた、日本からも『KOTOKO』(2011) 塚本晋也監督、『ほとりの朔子』(2013)深田晃司監督、『喰女』(2014) 池崇史監督などがメインコンペティション部門出品されるなど、日本映画とも所縁の深い映画祭だ。


 日本からは唯一の選出で、昨年の日本でも映画ファンの観客を中心に熱狂的な人気を巻き起こした『鬼が笑う』(22)に引き続き、タリン・ブラックナイト映画祭史上初の2年連続で本映画祭のコンペティション部門選出となった本作の注目度は、本映画祭出品作品の中でもNo.1の集客数となった点からも、その高さがうかがえる。Q&Aには監督した三野龍一、そして撮影監督として本作に参加した川口諒太郎、プロデューサーを務めた新谷ゆっちーが登壇し、前作のファンからの「作品のタッチが真逆なので驚いた」「劇中で描かれている先物取引に関する投資物語や情報伝達の技術は事実なのか?」という新鮮な反応や「何故300年前の出来事を描いた時代劇で、チャンバラではなく商人を描いたのか?」という素朴な質問も飛び出した。これに対しプロデューサーの新谷が「我々がやりたかったのはチャンバラじゃなく、ビジネス物語だった」と答える通り、映画祭期間中3度上映された本作に、イタリア人評論家・ジャンピエロ・ラガネッリ氏からは「本作は日本映画の古典的なジャンルである刀を使った武士の決闘、切腹、義務と感情の対立の代わりに、資本主義の力学、競争、自由市場、利益が展開し、日本の古典的な時代劇を再構築している。時代劇の多くは、日本の歴史の中で、徳川幕府の再統一で平和になった江戸時代を舞台にしているが、実をいうとあの時代は、紛争から身を引いて他の仕事に従事しなければならない武士階級の衰退期だったのだ。つまり江戸時代は商人階級の台頭を象徴する時代であった」と日本の歴史的な背景に触れた批評も寄せられ、時代劇といった日本を代表するジャンルを三野の視点から描いた本作は大勢の観客たちによって温かく迎えられた。


 『近江商人、走る!』は、12月30日(金)よりお正月全国ロードショー。

登壇者:三野龍一監督、川口諒太郎(撮影監督)、新谷ゆっちー(プロデューサー)

(オフィシャル素材提供)

公開表記

 配給:ラビットハウス
 12月30日(金) 新宿ピカデリー他、お正月ロードショー

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