ノーベル文学賞受賞作家、アニー・エルノーの実体験を基に描いた傑作小説『事件』を原作にした『あのこと』が12月2日(金)よりBunkamuraル・シネマ 他にて全国順次公開となる。
1時間40分、あなたは彼女となり〈あのこと〉の一部始終を体感する。鮮烈な映画体験!
『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞🄬4冠に輝いたポン・ジュノ監督が、審査員長を務めた2021年ヴェネチア国際映画祭での最高賞受賞を皮切りに、世界の映画賞を席巻した本年度最大の話題となっている衝撃作『あのこと』がついに日本上陸! 舞台は1960年代、法律で中絶が禁止され、処罰されていたフランス。望まぬ妊娠をした大学生のアンヌが、自らが願う未来をつかむために、たった一人で戦う12週間が描かれる。この作品の特別なところは、本作と対峙した観客が、「観た」ではなく「体験した」と、それもアンヌと身も心も一体化して、「恐怖と怒りと情熱」を体感したと語ること。全編アンヌの目線で描かれる本作は、観ている者の主観がバグるほどの没入感をもたらし、溺れるほどの臨場感であなたを襲う。
タイムリミットが迫る中、闇をくぐり抜け、アンヌがたどり着く光とは? 身を焦がすほどの映画体験をあなたに──。
いつかは産みたいが、今 自分の未来を犠牲にすることはできない――アンヌの選択とは。
労働者階級の家庭に生まれながら、頭脳明晰で将来が期待されている女子大生アンヌの人生が一転する出来事が起きる重要なシーンを解禁!
女子大生のアンヌは生理がこないことに僅かな不安を抱き、思い切ってかかりつけの病院で検診を受ける。次々と投げかけられる医師の質問に、一瞬たりとも表情を崩さず嘘を交えながら答えるが、医師はあっさりと「妊娠してる」と告げ、アンヌは動揺する。「何とかして」と詰め寄るアンヌに医師は、「無理な相談だ。私以外の医師でも違法行為になる」と中絶処置をきっぱり断り、さらに、追い打ちをかけるかのように「最悪の事態も起こり得る。毎月のように運を試して激痛で亡くなる女性がいる」と違法な中絶手術の危険性を突き付け――。
映画の舞台である1960年代のフランスでは、人工妊娠中絶は法律で禁止され、何らかの処置を受けた女性、それを施した医師や助産婦、さらに助言や斡旋した者までに、懲役と罰金が科せられていた。世の中は<中絶>という言葉すら発することのできない空気に満ちており、人々は<あのこと>と暗に表現するしかなかった。映画の中でも直接的な言葉は使われず、アンヌが経験していることはタブーであることを示している。
誰にも助けを求めることができない爆弾を抱えながら、ひとり、明るい未来を守り抜く方法を探っていくアンヌについて、オードレイ・ディヴァン監督は「彼女は戦争に向かう兵士なのです彼女には世界を相手にする準備ができている。地に足を着け、まっすぐ前を見つめ、反逆者としての地位と、社会から重荷を背負わされることの意味を受け入れなければならないから」と説明している。理不尽な運命を辿るアンヌの旅路の行方は一体――。
公開表記
配給:ギャガ
12月2日(金)、Bunkamuraル・シネマ他 全国順次ロードショー
(オフィシャル素材提供)