「宇賀那健一監督短編集：未知との交流」公開初日舞台挨拶

　12月３日(土)、「宇賀那健一監督短編集未知との交流」公開に伴い池袋シネマ・ロサにて、上演後に出演者による初日舞台挨拶が行われた。今回は宇賀那監督が手掛けたクリーチャー（生物）が出演する『適応』、『往訪』、『モジャ』という３本の短編作品を公開するというもの。『適応』チームからは吉村界人と田中真琴、『モジャ』チームからは兵頭功海、『往訪』チームからは詩歩、そして宇賀那健一監督の５名が登壇した。

　それぞれ挨拶をすませると、現場でのエピソード・トークに。『適応』チームの田中が「撮影の後半になるにつれて、クリーチャーに対してすごく愛着がわきました」と語れば、吉村は現場でクリーチャーの動きが気になっていたようで「みんなで必死になって動かしている姿が面白かった」と感想を語った。

　また『モジャ』チームの兵頭は、現場でモジャを動かすスタッフの様子が印象に残っていたようで「必死に動かしながらセリフまでしゃべって大変そうだなあって。“すーはーすーはー”って呼吸音まで聞こえてきました」と振り返った。また現場で宇賀那監督からアドバイスをもらったようで「言葉のニュアンスを細かく話し合いながら撮影して、すごく俳優のことを気遣ってくれました」と、感謝の気持ちを語った。

　大声で叫ぶシーンが多かった『往訪』チームの詩歩は「物語自体はすごく怖いものですが、現場はすごく明るかったです。みんな血しぶきを浴びたかっていました(笑)」と楽しかった様子を伝えた。

　そして「遭遇してみたいクリーチャーは？」という質問に対し「モジャに会いたいです」と兵頭。その理由として「口数は少ないけど話しを聞いてくれる存在ってなかなかいないですし、あとあの優しさに触れたい」。詩歩は「グレムリンが好きなので、まずギズモと会って、それをグレムリンにして街を破壊したい」と、かなり突飛な話しをしたかと思えば、田中が「私は布団マンに会いたいです！」と、不思議発言をし、登壇したメンバーは困惑。意図を訊くと「布団マンは私の空想上のクリーチャー。私はすぐに眠くなるので、たとえば電車で移動している最中に眠くなった時に布団マンがきてくれて、少しの時間だけ私をくるんでくれるっていう。絶対会いたくないですか(笑)!?」と同意を求めるも、あまりの天然っぷりに登壇者一同苦笑い。

　最後に宇賀那監督が「デジタルが当たり前の今、アナログを用いて人間の触感のある映画を作りたいと思ったのと、コロナ禍で暗くなってしまっている時代に映画だけでもばかばかしい作品を作って明るくなってほしいという思いから制作しました。ここでは今日から一週間限定上映なので、この機会にぜひ多くの方にご覧になっていただきたいです」今作の意図を語り、あたたかな空気で初日舞台挨拶は幕を閉じた。