映画『嘘八百 なにわ夢の陣』の都内で行なわれた完成披露試写会の舞台挨拶に中井貴一、佐々木蔵之介、安田章大(関ジャニ∞)、中村ゆり、友近、塚地武雅とメガホンを取った武 正晴監督が登壇してクロストークを繰り広げた。
本作は2018年から続く『嘘八百』シリーズの第3弾。中井貴一×佐々木蔵之介のW主演。シリーズ第1弾『嘘八百』、第2弾『嘘八百 京町ロワイヤル』に続いて武監督がメガホンを取り、脚本は今井雅子と、足立 紳のコンビが務めている。
豊臣秀吉の出世を後押ししたと言われる7つの縁起物「秀吉七品(しちしな)」の1つ、鳳凰の銘がついた茶碗をめぐり、強欲うずまく人間たちのだまし合いが大阪を舞台に巻き起こる。ラストの思いがけない大どんでん返しに注目。大阪城での撮影場面にも注目。
コロナ禍での撮影となった本作で、中井は「足を運んでもらえるような映画を作り続けるのが使命。今回はよりコミュニケーションを取りながら撮影しました」と振り返る。中井は、大物狙いで空振りばかりの古美術商・小池則夫役を演じる。
腕は立つのにくすぶっている陶芸家・野田佐輔役を務めた佐々木は「3作目が出来るということで、映画を作れる喜びがありました。みんな楽しんで最大限の力を出したと思います」と話した。シリーズ3作目となり、佐々木の陶芸の腕がかなり上がっていることを武監督が明かした。
3度目のタッグとなった2人。中井は、「作品を重ねるごとで遠慮がなくなっていく」とコメントし、佐々木も「登場人物に遠慮がないということだと受け止めたので、僕もそういう芝居ができました」と中井に同調した。脚本を作る段階からみんなで話し合って作り上げたと言う。息ピッタリの2人の演技に引き込まれる。
シリーズに初参加となったカリスマ波動アーティスト・TAIKOH役の安田は「貴一さんや蔵之介さんが空気作りをしてくださって、気を使わなくていい現場でした。何も気にせず現場に入れました」と現場を振り返った。役作りについては、「役作りが逆に難しいと思ったので、台本に書かれてあるTAIKOHというキャラクターを読み込んでみて、感じたままやりました」と明かした。また、「撮影休憩の時にラジオ体操をしていたら(中井)貴一さんに見られてました」と撮影中のエピソードを披露。中井は「偶然目にしたのですが、真剣なラジオ体操なんですよ。コンサートの時でもどんな時でもやられているみたいで……」と、偶然の目撃談で、感心しきりだった。
武監督は、「TAIKOHが絵を描くシーンは大きな見せ場になっていて、絵という新しい要素に我々スタッフはてんてこまいでしたが、安田さんが神のようになって描いてくださいました」と安田にねぎらいの言葉を送った。
TAIKOHの財団を仕切る謎の美女役を務めた中村は「蔵之介さんは本当に優しくて、後輩の私たちに一切プレッシャーをかけないでいてくださいました。貴一さんも『僕もいまだに緊張するんだよ』と声を掛けてくださいました」と先輩に感謝だった。
3作目となる本作だが、中井は、「シリーズだとは思っていないです。1本1本で終わりと思ってきたので、僕たちにとっても新しい作品のつもりでもありました」と話す。佐々木は「お二人(新参加の安田と中村)が関西出身。関西出身で、関西ロケで楽しんでくださっているなというのが伝わって来て嬉しかったです」とコメントした。
終盤、劇中に登場する「秀吉七品」にちなんで、“2023年の運気”を占うコーナーも設けられた。
“凶”の安田は「人生楽しいのが一番っていつも思ってます」とポジティブに捉え、“凶”を“大吉”にする方法として「竹馬に乗る」と発表されると「やりやすい!」と意外な結果に拍子抜けした様子。“末吉”が出た中井は「各駅停車で47都道府県を巡る」というハードな課題が出たので、「絶対おかしい!」と声高に訴え、会場に笑いを誘った。
最後に中井は「私は来年から47都道府県を各駅停車で巡ってみたいと思います。どこかでお会いすることがあったら声をかけていただければ幸いです」とおみくじの結果で笑いを誘った。佐々木が「お正月にご家族皆さんで楽しんで笑っていただければ……」とメッセージを送ってイベントは終了した。
登壇者:中井貴一、佐々木蔵之介、安田章大(関ジャニ∞)、中村ゆり、友近、塚地武雅、武 正晴監督
(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:ギャガ
2023年1月6日(金) 全国ロードショー