イベント・舞台挨拶

『ロストケア』完成披露舞台挨拶

©2023「ロストケア」製作委員会

 松山ケンイチ×長澤まさみ、初共演の二人が入魂の演技で激突する、社会派エンターテインメント、映画『ロストケア』が3月24日に全国公開となる。日本では、65歳以上の高齢者が人口の3割近くを占め、介護を巡る事件は後を絶たない。この問題に鋭く切り込んだ葉真中顕の第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』、『そして、バトンは渡された』の前田 哲監督が映画化。介護士でありながら、42人を殺めた殺人犯・斯波宗典に松山ケンイチ。その彼を裁こうとする検事・大友秀美に長澤まさみ。社会に絶望し、自らの信念に従って犯行を重ねる斯波と、法の名のもとに斯波を追い詰める大友の、互いの正義をかけた緊迫のバトルが繰り広げられる。他に鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、藤田弓子、柄本 明といった実力派俳優が出演。現代社会に、家族のあり方と人の尊厳の意味を問いかける、衝撃の感動作だ。

 来月に公開を控えた2月2日(木)、上映が終わったばかりで余韻に満ちた会場に、松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、戸田菜穂、加藤菜津、前田 哲監督、葉真中顕(原作)ら、豪華俳優&スタッフ陣が登場すると、場内は大きな拍手に包まれた。

 本作で介護士でありながら42人を殺めた殺人犯・斯波宗典を演じた松山ケンイチは「形になってうれしいです。実は皆さんの反応が見たくて一緒に観ていました。同じポイントで感動しているのが分かりました」と挨拶。その斯波を追い詰める刑事・大友秀美を演じた長澤まさみは「皆なさんの元に届けられてうれしいです」と語り、大友と共に事件を追う検察事務官の椎名幸太を演じた鈴鹿央士は「短い時間ですが楽しんでもらえたらと思います」と挨拶。斯波に家族を奪われた女性・梅田美絵を演じた戸田菜穂は「苦しい役でした。ラストは渾身の思いで叫びました」とコメント、斯波と同じ訪問介護センターで働く新人ヘルパーの足立由紀を演じた加藤菜津は「初めての大舞台に緊張しています」と挨拶。そして、監督をつとめた前田 哲は「10年かかってやっと届けられた」と挨拶し、原作の葉真中顕は「こういう形で観てもらえて感激です」とコメントした。

 本作は、原作が出版された2013年の頃から松山と監督で温めてきた作品であったという。前田監督は「小説を読み終わったすぐあとに松山さんから電話がきた」と明かすと、松山は「そうだっけ? 覚えてないな」ととぼける場面も。「なかなか映画化が進まずにいた時にも葉真中先生には僕の情熱だけで待ってもらっていた」と語ると、葉真中も「感激です」と答えた。また、前田監督からは俳優陣に「役に対する捉え方が僕の思いと合致して驚きました、その力が観客の皆さんの心に届く力になったと思います」とねぎらいの言葉がかけられた。


 自分の演技について問われた長澤は「まだ冷静に見られない」と話しつつも「自分が出ていないシーンにぐっとくるものがありました。身につまされる思い。観るべき映画だし、観て欲しい映画」とコメント。鈴鹿は「心に訴えてくるものがありました。自分ならどうする?と問われた気分でした」と作品への思いを語った。そして戸田は「発信して欲しいし、変わって欲しいです。苦しい中にいる人にも光が届いて欲しい」と思いを口にした。


 続いて映画化について問われた葉真中は「想像を超えた素晴らしい作品になりました。作者だということを忘れて観入った」と絶賛。加藤は「家族のあたたかさを大事にしたいと思える作品」とコメント。

 実は本日初めて作品を観たと明かした松山にその理由を問うと「どういった作品になってるかよりお客さんと思いを共有したかった」という答えが。さらに「伝えたいことは伝わったと思います。安全と思われている日本の社会の中にも穴はあり、見たいもの、見たくないものを区別するのではなく、未来のためにも見ないといけない。どうか考えたことを家族と共有してほしいです」と続けた。
 今回の試写会では観客の質問に答えるコーナーも。「自分にも起こり得ること」と本作の感想を語る方から、作品を通じて受け取ってほしいことを聞かれると加藤は「介護のかたちはさまざま。同年代の人には考えるきっかけにしてほしいです」とコメント。鈴鹿は「人間の尊厳や生死とどう向き合うか、じっくり時間をかけて考えて欲しいです」と語った。さらに長澤が「将来の夢を語るのと同じように、老後のことも話し合うのが大事だと思います。言葉にして伝えていってほしいです」と語ると、松山は「ぼくもまーちゃんと同じ考え」と同意すると長澤も「そうだよね、けんちゃん」とお互いをあだ名で呼ぶ場面も。そして松山は「備えは大事。斯波がなぜ殺人をしたか。それは孤独だったから。孤立させないことが大事です」と思いを口にした。葉真中が松山の思いに呼応し、「実際の生活でも他人への想像力を持つことが大事だと思います」と語り、監督も「現場のスタッフもふるえていたほどの俳優の演技の素晴らしさを見てほしいです」とアピールした。
 さらに、松山演じる斯波と長澤演じる大友が対峙するシーンの迫力に圧倒されたと興奮気味みに語る方から、撮影秘話について聞かれた長澤は「大友はルールに沿って正義をぶつけるけど、斯波も正しいと思えてきます。感情が揺れ動き、飲み込まれそうになる演技が難しかったです。斯波が松山さんでよかった安心感がありました。現場では距離感があったほうがいいと思っていたけど、松山さんもそう思ってくれていたと思います。俳優同士では言葉にしないでも伝わるものが現場にはあり、その時に生まれた生のものを積み重ねていけたと思います」と話すと、松山は「ぼくもまーちゃんと一緒です(笑)!」とコメント。ふたりのシーンを間近で見ていた鈴鹿は「演技をするのを忘れるほど圧倒されました」と撮影を振り返った。


 最後は観客へもフォトセッションの時間が設けられ、熱狂のままイベントは終了した。

登壇者:松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、戸田菜穂、加藤菜津、前田 哲監督、葉真中顕(原作)

(オフィシャル素材提供)

公開表記

 配給:東京テアトル 日活
 2023年3月24日 全国ロードショー

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