イベント・舞台挨拶

『別れる決心』スペシャルトークイベント付き試写会

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 いよいよ公開まで10日と、日本中のファンから注目が集まるパク・チャヌク監督最新作『別れる決心』。公開を間近に控え、昨日2月6日(月)、都内にてスペシャルトークイベント付き試写会が開催された。今回イベントに特別ゲストとして登壇したのは、韓流・K-POP MCとして活躍し韓国文化に精通する古家正亨と、映画評論家の森 直人。かねてからパク・チャヌク監督の大ファンである二人。監督の最新作ということで『別れる決心』についても“今回はいったいどんな映画なんだろう”とドキドキしながら鑑賞をしたというが、古家は「一言で表すとするとこの映画は、『パク・チャヌク史上一番官能的な映画』だと思います。直接的なシーンはほぼないのだけれど、間接的なエロティシズムというか、『やらしいな~』と感じるシーンが多々ありましたよね」とコメントすると、森も「『お嬢さん』よりも本作のエロスのほうが深いですよね」と過激な性描写で大きな注目を集めた前作と比較しながら賛同の様子。さらに、古家はお気に入りのシーンとして、ソレがへジュンにハンドクリームを塗ってあげるシーンを挙げ、「塗り方が尋常じゃないですよ……! 絡みのシーンよりも、あの手のシーンがこの映画の中で1番いやらしいと思いました」と大絶賛した。

 そして、昨年の監督の来日時の話になると、古家は「この映画の中で非常にフォーカスされている『霧』という歌ですが、今回の映画はこの歌から始まったのだそうで、この歌を映画化しようと思ったんだそうですよ」と本作の始まりを語り、森も「ソレの死んだ夫が好きだった曲で『マーラーの第5番第4楽章』も印象的に使われていますよね。監督にも直接『ベニスに死す』(1971、ルキノ・ヴィスコンティ監督)の曲ですよねと聞いたんですよ」と当時を振り返った。それについて、監督は「絶対にそう思われるから、本当は使いたくなかったのだけれど、最初に思いついてしまってこれ以上の曲が思い浮かばなくて、『ヴィスコンティが特許を取っているわけではない!』と使用することを決めたんです」と明かしたといい、森は「この映画はフィーリングという部分がすごく大きいですよね。だからリピーターが多くなるんだと思います」と語った。続けて、古家が「BTSのRMも本作の大ファンで何度も鑑賞していて、彼も語っていますが、パク・チャヌク作品は美術もすごいですよね!」と切り出し、来日時に「監督の作品は、あまりセリフが多くないシーンで美術をすごく見せることが多いけれど、監督は美術にしゃべらせているのですか?」と監督に直接尋ねることができた、監督はそれを肯定したという。「この映画でも、何か意味があるのかな?と考えてしまいますよね。お寿司のシーンなどもすごく印象的でした」と本作に夢中の様子だった。森が「お寿司の意味は聞けなかったのだけれど、この映画はいろいろな“対比”の構図を込めているそうですよ。例えばソレが孔子の言葉を引用して『私は慈悲深くないので海の女です』と言うシーンがあるけれど、この映画には、山岳事故や、海辺のイポという街など、<海>と<山>という対比がまずあります。そして、へジュンの妻はデータにこだわる<理系>だけれど、ソレは<文系>的な人間だったり、この映画には、いろいろな対比を込めていると監督はおっしゃられていました。さらに森は、古家のお気に入りの<ソレがタバコを吸う>シーンも<タバコが嫌いな妻>とのすごく重要な対比の一つであると思うと続け、「確実に<タバコ>が“ファムファタール”なキャラクターを引き立たせるアイテムだと思う」というと、古家は「もう1回観たい……! そういったことを頭に入れながらみるともっと面白く観ることができるかもしれない!」と興奮の様子だった。

 森が「この映画にはすごく中毒性があって、もう1度観ると謎が増える気までしますよね」と言うと、古家も「スクリーンで観るからこそいろいろな細かいところまで目がいくし、映画的な楽しみですよね。さらに観客に委ねている部分も多い作品だから、映画を観た人と話をするとより楽しんでもらえると思います。スクリーンで何度も楽しんでいただけたら」とアピールした。

登壇者:古家正亨(韓流•K-POP MC)、森 直人(映画評論家)

(オフィシャル素材提供)

公開表記

 配給:ハピネットファントム・スタジオ
 2023年2月17日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

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