現代において最も影響力のあるアーティストにして“伝説のロック・スター”デヴィッド・ボウイの人生と才能に焦点を当てたドキュメンタリー映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』。3月24日の公開に先駆け、本作の監督を務めたブレット・モーゲンが来日。それを記念して、2月9日(木)に「IMAX®️レーザープレミアイベント」がTOHOシネマズ日比谷で開催された。
イベントにはデヴィッド・ボウイが大好きと公言し、アーティスト・タレントとして多方面で活躍するDAIGOも駆けつけ、会場全体がデヴィッド・ボウイへの愛に溢れたイベントとなった。
デヴィッド・ボウイの名曲「Let’s Dance」に合わせて、ノリノリのダンスで登場したブレット・モーゲン監督は「今夜観に来てくれて本当にありがとうございます」と挨拶。続けて「この映画の製作でユニバーサル・ピクチャーズと契約した時、絶対に劇場公開してほしい国が一つあると条件を出した。それが日本だったんです。だから今晩観てくれること、大変嬉しく、光栄に思っている」と、日本公開の喜びを語った。
このように日本好きのブレット・モーゲン監督に対し、MCが「今回日本ではどんなことをされたいですか? どういったこところが好きですか?」と問うと、「日本のことは全部好きです」と即答。そしてやりたい事に関して「デヴィッド・ボウイのファンの方とカラオケに行きたいですね」と心境を語った。
『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』はデヴィッド・ボウイ初の公式認定作品だが、どういった経緯があって本作を監督することになっただろうか。
「ボウイとは2007年にお会いしています。映画製作のミーティングで、実は日本にも行って、歌舞伎などを観に行くボウイを追う、といった内容だったんですが、ご存知のようにその時彼は健康状態が良くなかった。半分引退状態だったので、フィジカルでエネルギーを使うものは難しいね、という話になりました」と一度企画が頓挫してしまったことを告白。
「そして8年後、カート・コバーンの作品を撮り終えた頃だったんだけど、ドキュメンタリー映画の新しいジャンルを作れるのではないかとハッと閃いた。伝記的な要素を排除し、もっと体感できるような音楽の映画、アイマックス・ミュージカル・エクスペリアンスと仮に名前をつけてたんだけど、物語が直線で起承転結でないもの、没入体験ができる映画を作りたいを思った。みんなが大好きなアーティストと親密でより崇高な体験をできるのではないかと思った」と経緯を説明。
さらに続けて、「ところが、ちょうどそのときデヴィッド・ボウイが亡くなってしまった。しかしデヴィッド・ボウイ財団に聞くとボウイはアーカイヴィストを雇って、自分に関する資料を毎週、20年間、整理していたことを教えてくれた。だけどデヴィッド・ボウイ財団はインタビュー系のドキュメンタリーは絶対に作りたくないと言っていたんです。専門家が出てきて、その人が語ることが真実になってしまう、ヒストリーになってしまうことを憂いたんです。だから私は体感できる、ボウイしか出てこない映画を作りたいと申し上げたところ、アーカイブにアクセスする権利が許されたんです」と製作の裏話を教えてくれた。
本作は、現在、英国アカデミー賞(BAFTA)のドキュメンタリー映画賞にノミネートされている。その心境を問われると、「ワクワクしている。けど今回の作品は賞のことは全然考えてなかった。願いはボウイのファンと共に、いま私たちがいるようなIMAXの劇場で作品を観ること。だから賞のことより、この瞬間がとてもワクワクしている」と述べた。
イベントも中盤にさしかかったところで、スペシャルゲストとしてデヴィッド・ボウイを意識したメイクと衣装でDAIGOが登場! サプライズで花束を渡すと、「アイム・ダイゴ。アイム・ジャパニーズ・フェイマス・コメディアン」と自己紹介。ブレット・モーゲン監督も「私は偽物のアメリカ人です」とジョークで応答し、会場を沸かせた。
デヴィッド・ボウイをリスペクトしていると公言するDAIGOだが、「どんなところが好き?」と問われると、「とにかくカッコいい」と前置きを置きつつ「僕が特に好きなのはハンキー・ドリーやジギー・スターダストとかアラジン・セインとか、いわゆるグラム・ロック時代に魅了されて、そのオマージュの名前で20年前デビューした」と旧芸名のDAIGO☆STARDUSTの誕生秘話を披露。「とにかく変幻自在のロックスター! うちの妻も大好きなので、ボウイの話で盛り上がって、より仲良くなっていったところもあるので、人生で多大な影響を受けています」とDAIGOの妻である北川景子とのエピソードも話した。
映画の感想はいかがだったのだろうか。するとDAIGOは「分かりやすく言うとBOM」。少しの間をおいて「ベスト・オブ・ムービー」とDAI語で感想を伝えた。それに対し監督は「自分はミドル・ネームを入れてBDMなので、名前を言ってくださっているのかと思ったのですが、BOMの方で良かったです」と返答。DAIGOはDAI語が伝わったことに安堵した。もちろんDAI語感想だけでは終わらず、「ボウイの素晴らしさを改めて感じられる映画になっていますし、ボウイが発信する歌、メッセージ、スタイル、あと苦悩があってりして。全部、改めてこの映画で感じられるので僕の人生のバイブルがまた一つ増えた、そういう素晴らしい映画」と付け加え、太鼓判を押した。
トークも終盤になり、MCから「せっかくなので、ボウイの好きな1曲を選ぶとしたらどの曲でしょうか」と難しいお題が。DAIGOは「いっぱい好きな曲があるんですけど、やっぱりジギー・スターダストですかね。やはり火星から降りてきて~といったコンセプト、衣装、メッセージで心を鷲掴みにされたし、日本武道館でLIVEを見たとき、最後にジギー・スターダストをやってくれたんですけど、その時に一曲が持つパワーというものを感じました」と楽曲への思いを熱弁。さらに「ギターリフも含めて最高です!」と締めくくり、会場からも共感の拍手が聞こえてきた。
対してブレット・モーゲン監督は「サウンド+ヴィジョン」と回答。理由は「何も言ってないけど全てを語っている曲で、ボウイの美、荘厳さ、ミステリー全てを孕んだ曲」と紹介した。「この映画を観る前に紹介する曲としてもぴったりなんです。僕にとってボウイは定義できない人。けど表現はできる。そろそろ映画を体感していただきたい」と語った。
MCからの呼びかけで、最後に二人からそれぞれ観客へのメッセージを促されると、DAIGOは「この映画を観て、改めて僕自身また感銘を受けたんです。観る皆さんもそうだと思うんですけど、デヴィッド・ボウイのようにチェンジしていくっていうんですかね。そういう精神でこれからも生きていこうと思ったんです。だから、たくさんの人に、分かりやすく言うとWTM……」。少しの静寂のあと、監督が「ウォッチ・ザ・ムービー!」と発し、まさかのDAI語的中! DAI語が世界共通語だったことが分かり会場の盛り上がりも最高潮。
そしてブレット・モーゲン監督からは、「ホームは物理的な場所ではなく、自分は心の場所だと思う。実は英国でプレミアをした時にこの作品の紹介のところで『ボウイがやっと戻ってきた』と言ってくれとお願いされた。でもボウイが第一に英国人だと思っていたとは必ずしもそうでないと思うんです。もしホームが心の場所だとすれば、いま日本で上映されるという意味で、やっとボウイがホームに戻ってきたんだと思う。僕も、きっとボウイ自身も日本以上にこの映画を観せたい場所はない。日本はデヴィッド・ボウイを応援して、インスピレーションを与えた。改めてボウイに代わって感謝を伝えたい」と話し、イベントを締めくくった。
登壇者:ブレット・モーゲン監督、DAIGO
公開表記
配給:パルコ ユニバーサル映画
3月24日(金) IMAX®️ / Dolby Atmos 同時公開
(オフィシャル素材提供)