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『幻滅』監督が語る“欲と虚飾と快楽にまみれた19世紀”&場面写真一挙解禁!

©2021 CURIOSA FILMS – GAUMONT – FRANCE 3 CINÉMA – GABRIEL INC. – UMEDIA

 19世紀フランスを代表する文豪、オノレ・ド・バルザックが書き上げた『幻滅——メディア戦記』を、『偉大なるマルグリット』(2015)のグザヴィエ・ジャノリ監督が映画化。念願のセザール賞において史上最多ノミネートされ、作品賞他、最優秀助演男優賞(ヴァンサン・ラコスト)、有望新人男優賞(バンジャマン・ヴォワザン)を含む最多7冠を受賞しフランス映画界を席巻した『幻滅』(4月14日公開)。豪華キャストが集結し、200年も前の物語とは思えないほど現代と酷似したメディアの状況を鋭利に描く、社会派人間ドラマがついに日本に上陸する。

 この度、バンジャマン・ヴォワザン、グザヴィエ・ドラン等華麗なる衣装に身を包んだ豪華キャストの場面写真を一挙8枚解禁! また、グザヴィエ・ジャノリ監督が本作の背景となった“欲と虚飾と快楽にまみれた19世紀”を語る。

 オノレ・ド・バルザックが冷徹に描いたのは、社会を俯瞰し、そのなかで翻弄されるさまざまな人間像。44歳で書き上げた「人間喜劇」の一編、『幻滅——メディア戦記』を映画化した本作。

 この度解禁された場面写真では、フランソワ・オゾンの『Summer of 85』で日本でも大きな注目を浴び、主演リュシアンを演じたバンジャマン・ヴォワザンが、オゾン作品とは打って変わり、初のコスチューム劇で、純粋な青年が野心と欲望に惑わされ堕落していく過程を見事に演じている姿を見ることができる。また、リュシアンの先輩格として彼を教育していく、ジャーナリストを演じるのは、『アマンダと僕』のヴァンサン・ラコスト。私欲にまみれた人々のなかで唯一、誠実にリュシアンを見守る作家のナタン役は、監督としても世界的な人気を誇るグザヴィエ・ドラン。他、セシルド・フランス、新星サロメ・ドゥヴェル、彼らを固める脇役にフランスの国民的スター、ジェラール・ドパルデュー、ジャンヌ・バリバー。等、フランス国内外の実力派俳優を集めた魅力的なキャストが勢揃いしている。

フェイクニュースにステルスマーケティング
嘘と詐欺にまみれたパリの都とマスメディアの世界を鋭く描く!
ストーリーの舞台となる19世紀についてグザヴィエ・ジャノリ監督が語る。

 「幻滅」は文学を愛し、詩人として成功を夢見る田舎の純朴な青年リュシアン(バンジャマン・ヴォワザン)が、あこがれのパリで暮らす中で、当初の目的を忘れ欲と虚飾と快楽にまみれた世界に身を投じていくというストーリー。時代は1820年。フランスで宮廷貴族が復活し、自由と享楽的な空気をまとい始めた時代だ。

 本作の監督グザヴィエ・ジャノリは、19世紀という時代について、「リュシアンが“生きて”いくためには、過酷なルールを受け入れなければいけなかった」と語る。「アングレーム(フランス中西部の都市)の城壁の下にはフランスの“下層”があり、丘の上には貴族たちの“上層”がありました。リュシアンはこの地方都市の出身です。その地形は社会的格差を表しており、野心的なリュシアンはこの格差を埋めようとするのです。
 ところがパリでは、どこにいるかではなく、どこの出身であるかが重要視されます。パリの裕福な貴族もまた殻に閉じこもっていて、自分たちの特権に執着しています。その中に自分の居場所を見つけるには、価値観を捨ててでも利益への執着が課す新しい“ルール”を受け入れなくてはなりません。スペクタクルと化した社会では、自分の意思に反するとしても喜劇を演じる以外に選択肢がないのです」。

 打算的な人々が集まり、生き馬の目を抜くようなパリの都とマスメディアの世界。今で言うフェイクニュースやステルスマーケティングがこの時代から横行していたことがつまびらかに描かれる。ジャノリ監督は、そんな現代的とも言える要素を強調しながら、風刺に富んだ、極上のエンターテインメントを織り成した。

 「幻想に胸をふくらませてアングレームからやって来たリュシアンは、ひどいまやかしを覚え、美しい望みを浪費していきます。失われた純真さ、“自分の浪費”、自分の中の美しく貴かったものを“浪費”するというテーマは、特に私の心に響きました。環境によって自分の理想や最も美しい“価値観”を否定せざるをえなくなる、そんな時代の陰湿な手口により、アングレームからパリにやって来た理想家肌の若き詩人は、文学作品を著したかったはずが広告ライターに落ちぶれていくのです」と語る。「バルザックは才能ある若者たちがこうした罠にはまり、自分を見失い、自らを浪費していくのを見ていたのです」。

 最後に「バルザックは、この“新しい世界”が息をのむほど魅力的だったことにも目を向けています。残酷さと哀愁、この2つの音を喧騒が渦巻く中に響かせたいと思いました」と締めくくる。監督が「幻滅」に出会ったのはソルボンヌ大学で文学を学んでいた20代の頃だったという。あらゆる流派の批評家から研究対象にされていたバルザックの「幻滅」をいつの日か映画化したいと思い描いた当時の夢が昇華した本作。公開にご期待を!

公開表記

 配給:ハーク
 2023年 全国公開!

(オフィシャル素材提供)

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