トム・ハンクスの最新作『オットーという男』が、3月10日(金)に全国の映画館で公開される。この度、マリソル役を熱演したマリアナ・トレビーニョのインタビューが到着した。
マリアナ・トレビーニョは、メキシコで最も人気のあるコメディ女優のひとりで、コメディとドラマを自在にこなすその才能はハリウッドでも注目されている。今回のマリソルという役は、子どもが二人いるメキシコ人の母親。夫のトミーとともに豊かな生活を求めてアメリカで暮らすことになり、近所に引っ越してきたことでオットーと出会うことになる。
曲がったことが大っ嫌いでいつも不機嫌なオットーの頑な心に、いつしか自然と寄り添い絆を深めていく。マリソルの一家がオットーに与えた影響は計り知れない。
「マリソル一家は、この表現が適切か分かりませんが……オットーの視界の中、彼の生活の中に押し入ってくる感じだと思います。子どもがいる夫婦ってどういう感じかわかりますよね。車には荷物がいっぱい詰め込まれてるし、子どもたちはいろいろなものを持っています。いつもいろいろなことが起きる生き生きとした世界です。愛と喜びにあふれ、賑やかに日常生活を送るマリソル一家が、オットーの閉ざされた生活に入り込むんです。実際押し入ったようなものですね。彼女たちはなんとかしてオットーとコミュニケーションを取ろうとし続けるので」と、頑固で人付き合いを極端に拒むオットーの生活に、マリソルたちがグイグイと距離を詰めていったと話す。
マリソルは世間知らずだが、とにかく陽気で人懐っこく、超お節介。オットーとはまるで真逆な性格。
「彼女には物怖じしないし、すごく気さくで、世の中で起きることに対して率直に反応します。そんな彼女に、最初のうちオットーはどう対処していいのか戸惑います。“そんな大げさに反応することじゃないだろう”とオットーは思います。でもそれは、人生がもたらすものを受け入れるからこその過剰反応なんです。オットーもだんだんと、そういう彼女の力に屈していきます。他の人たちと繋がっていることから来る力ですね。私たちもときどき、あまりフィルターがないような人にずかずかと入り込まれて、困惑することがありますよね。でもだんだんと、“そうか、こういう生き方もあるんだ。もしかしたら自分はフィルターをかけすぎているのかもしれない”と思い始めるんです」と、自分とは性格がまったく違う人がもたらしてくれる思いがけない影響や、素直な気持ちが人を変えていく力になると笑顔で答えた。
本作のメッセージとなる“人との繋がりと愛”について「この映画は、今私たちの社会に存在する問題の多くを取り上げています。その中心に、さまざまな状況に置かれたオットーがいるのが素晴らしいと思います。隣人の一人ひとりが、社会のテンションを象徴していて、その中心にオットーがいる。その中心人物が傷ついていること、皮肉なことにたくさんの愛情の持ち主だということもとても興味深いです。それは、私たちが暮らす社会の多くで起きていることの美しいメタファーになっていると思います。私たちは、多くの愛情を与えることができるし、それが人生において何よりもすべきことです。愛することが私たちの一番の目的なのに、それを忘れている。冷めてしまって、人生と切り離されてしまったと感じているんです」と、語っている。
公開表記
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
3月10日(金) 全国の映画館で公開!
(オフィシャル素材提供)