イントロダクション
アメリカを襲った未曾有の大惨事9.11テロの発生直後、途方もない仕事に挑んだ人々がいた。それは約7000人ものテロ被害者に補償金を分配する国家的な大事業。このプログラムを束ねる弁護士ケネス・ファインバーグは、前代未聞の難題に直面する。年齢も職種もバラバラの犠牲者たちの“値段”を、どうやって算出するのか。彼らの“命”を差別化することは、道義的に許されるのか……? 全米の道徳観を揺さぶったこの知られざる実話は、犠牲者遺族それぞれの苦悩と向き合い、厳しい批判に晒されながらも、使命に立ち向かった弁護士たちの驚くべき2年間の軌跡である。
共に米アカデミー賞®︎作品賞に輝いた『スポットライト 世紀のスクープ』『それでも夜は明ける』の製作陣が手がけ、『バットマン』のマイケル・キートンが主演とプロデュースに名乗りを上げた本作。2020年サンダンス映画祭でお披露目されるや「尋常じゃなく感動的! ―New York Times」と絶賛を浴び、熱狂的な映画好きとして知られるバラク・オバマ元大統領夫妻が創設した製作会社ハイヤー・グラウンド・プロダクションズがいち早く配給権を獲得した。政府や経済界が求める合理的なルール、多様なヒューマニズムに根ざした正義というふたつの異なる視点がせめぎ合う物語は、私たち観客に、自分自身の“命の重み”をも問いかけてくる。世界を大きく変えた9.11という歴史的事件を、新たにセンセーショナルなテーマで追及する、社会派エンターテインメントの傑作がここに誕生した。
ストーリー
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ発生後まもなく、政府が被害者と遺族を救済するための補償基金プロジェクトを立ち上げる。特別管理人を任されたのは、弁護士ケン・ファインバーグ。調停のプロを自認するファインバーグは、独自の計算式に則って個々人の補償金額を算出する方針を打ち出すが、さまざまな事情を抱える被害者遺族の喪失感や悲しみに接するうちに、いくつもの矛盾にぶち当たる。
約7000人の対象者のうち80%の賛同を得ることを目標とするチームの作業は停滞する一方、プロジェクト反対派の活動は勢いづいていく。期限が刻一刻と迫るなか、苦境に立たされたファインバーグが下した大きな決断とは……。
(原題:WORTH、2019年、アメリカ、上映時間:118分)
スタッフ&キャスト
監督:サラ・コランジェロ
脚本:マックス・ボレンスタイン
出演:マイケル・キートン、スタンリー・トゥッチ、エイミー・ライアンほか
ギャラリー
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公開表記
配給:ロングライド
2月23日(木・祝)、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
(オフィシャル素材提供)