アカデミー賞®作品賞受賞『スポットライト 世紀のスクープ』製作陣×マイケル・キートン主演『ワース 命の値段』が2月23日(木・祝)、TOHO シネマズ シャンテほか全国公開となる。
日本テレビ「世界一受けたい授業」出演し話題! マイケル・キートン演じる実在のモデル、9.11テロ被害者遺族の“命に値段をつけた”ケネス・ファインバーグ弁護士のインタビューが到着した。
ケネス・ファインバーグ弁護士は、これまで枯葉剤後遺症の集団訴訟やメキシコ湾BP原油流出事故など数々の大規模事件の補償問題に携わってきた。ジョージ・W・ブッシュやバラク・オバマからも頼られるほどの高名な弁護士だ。「調停のプロ」を自認し、9.11被害者補償プロジェクトを引き受けるが、被害者遺族と向き合うことで“命に値段をつける”究極の難題に直面する……。
自身の経験が映画化することについて
私の回顧録の本『What Is Life Worth?』では、当時このプロジェクトで経験した葛藤を伝えられた、という自負はありました。でも映画では表現することができないんじゃないか……と疑っていました。でも映画を観て、監督、脚本家、役者たちの素晴らしい仕事により当時直面した葛藤や感情を正確に伝えられていると感動しました。苦悩やストレス、議会がどのような要求をしてきたのか、2001 年に経験したことが非常に正確に描かれている。だから100%この映画を支持しています。
マイケル・キートンが自身を演じることについて
ボストン訛り、歩き方や動き方の特徴まで掴み、学生に計算式について教えているシーンがあるけど、あまりに私そっくりで目を見はりました! 『バットマン』のマイケル・キートンが……!?と最初は驚きましたが、私の仕事に興味を持って、知りたいと聞いてきてくれたことが嬉しかったし、彼の素晴らしい演技を見て心動かさました。今では仲の良い友人でもあり、本当に感謝しています。
マイケル・キートンの映画化への熱意
キートンは、補償基金プロジェクトに関わっている私たちがどんな仕事をして、どういう状況だったのかを世界中の人に伝えることが重要だと言ってくれました。議会で補償基金プロジェクトの法案が通ったとき、共和党、民主党、関係なく全員一致でした。いかにアメリカ社会が一丸となっていたのか、そしてこの物語を伝えることが彼のモチベーションでもあり、主演だけでなくプロデューサーとしても参加したいと思ってくれました。
マイケル・キートンとのエピソード
キートンは取材でどんなふうに役作りにアプローチしたのか、私の訛りや癖をどう表現したのかと、しょっちゅう聞かれていました。彼は『それに答えるのは構わないが、ファインバーグさんに取材するべきだ。実際に仕事をしたのはファインバークさんだし、僕は役者にすぎないから、ファインバーグさんの話を聞こう!』と私を立てて、敬意を表してくれました。控えめで目立とうという気持ちがない、とても素敵な人柄でした。
被害者遺族とのエピソード
プロジェクトを達成する上で、被害者遺族と直接会って声を聞くことは大事だと感じ、2500人の遺族や被害者に会いました。なかでも印象的だったのは、消防士の夫を亡くした女性。二人の幼い子どもがいて、自身が末期ガンで寿命も数週間と僅かであることから、補償金の受給を早めて欲しいと言いました。そのお金で子どもたちの面倒を見てくれる後見人を探す、ということで支払いを早めたんです。そのお金を受け取って8週間後、彼女は亡くなってしまいました……。そういう出来事に心は衰弱していきました。でもチームで励まし合い、家族に支えられたことで乗り越えることができたんです。
“命に値段をつける“仕事で気づいたこと
9.11補償基金はテロ13日後に批准し、被害者は悲しむ、悼む時間がありませんでした。愛する人を失った遺族や、怪我を負った方々にとっては、お金よりも感情を吐き出す場が必要でした。このプロジェクトは被害者遺族の感情に寄り添い、敬意を示すことがかかせなかったんです。
9.11テロ被害者補償のプロジェクトが人生に与えた影響
人生に長く残る大きなインパクトを残しました。プロジェクトが終わった後、法律事務所のサイズを小さくして、自分がやりたいと思う仕事を後悔のないように選ぶようになりました。9.11の被害者のことを考えたとき、人生は最高のプランを持っていても、変わってしまうことがあります。ABCという選択をすると思っていても、その通りにはいかないですから。テロの被害者はその日、ただ仕事に行って、そんな悲劇が起こるとは思っているわけがなかった。この経験から、未来をあまり先まで計画しない運命論者的になりました。
公開表記
配給:ロングライド
2月23日(木・祝)、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
(オフィシャル素材提供)