作品紹介

『トリとロキタ』

©LES FILMS DU FLEUVE – ARCHIPEL 35 – SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINÉMA – VOO et Be tv – PROXIMUS – RTBF(Télévision belge) Photos ©Christine Plenus

イントロダクション

 パルムドール大賞と主演女優賞をW受賞した『ロゼッタ』以降、全作品がカンヌのコンペに出品され、世界中で100賞以上を獲得するという、偉業を越えて、もはや奇跡を起こし続けている監督ダルデンヌ兄弟。『トリとロキタ』では彼らの代名詞とも言える、BGMなし、演技未経験の主演俳優、削ぎ落された作劇に加え、先の読めないサスペンスを極め、第75回カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を見事受賞している。ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、分断が進む世界で、アフリカ、中東、ウクライナと祖国を追われた者はどこで安息を得られるのか。もはや対岸の火事ではなく、いま、世界が直面している、人間の尊厳の在り方を突き付ける。ダルデンヌ作品で初めて、怒りまでをもにじませ、観客の良心を震わせる、シンプルでいて、これまでにない強靭な傑作が誕生した。
 トリを演じたパブロ・シルズ、ロキタを演じたジョエリー・ムブンドゥともに演技初経験ながら、カンヌ国際映画祭でのワールドプレミア以降、各国のメディアが絶賛を贈る素晴らしい演技を見せた。彼らの気持ちに寄り添い、止まることないふたりを追うカメラの運動に、映画の原点を見る。そして、観客はふたりの幸せを祈りながら、固唾をのんで彼らをただ見守るのだ。

©LES FILMS DU FLEUVE – ARCHIPEL 35 – SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINÉMA – VOO et Be tv – PROXIMUS – RTBF(Télévision belge) Photos ©Christine Plenus

ストーリー

 地中海を渡りヨーロッパへやってきた人々が大勢ベルギーに暮らしている。トリとロキタも同様にベルギーのリエージュへやってきた。トリはまだ子どもだがしっかり者。十代後半のロキタは祖国にいる家族のため、ドラッグの運び屋をして金を稼いでいる。
 偽りの姉弟としてこの街で生きるふたりは、どんなときも一緒だ。年上のロキタは社会からトリを守り、トリはときに不安定になるロキタを支える。偽造ビザを手に入れ、正規の仕事に就くために、ロキタはさらに危険な闇組織の仕事を始める……。
 他に頼るもののないふたりの温かく強固な絆と、それを断ち切らんとする冷たい世界。彼らを追い詰めるのは麻薬や闇組織なのか、それとも……。

キャスト&スタッフ

 監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
 出演:パブロ・シルズ、ジョエリー・ムブンドゥ、アウバン・ウカイ、ティヒメン・フーファールツ、シャルロット・デ・ブライネ、ナデージュ・エドラオゴ、マルク・ジンガ

原題:Tori et Lokita、2022年、ベルギー=フランス、上映時間:89分)

ギャラリー

予告編

オフィシャル・サイト(外部サイト)

https://bitters.co.jp/tori_lokita/

公開表記

 配給:ビターズ・エンド
 3月31日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国順次ロードショー!

(オフィシャル素材提供)

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