イベント・舞台挨拶

『レジェンド&バタフライ』学生向けティーチインイベント

©2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会

 東映創立70周年記念作品として、日本映画史上最高峰のキャスト・スタッフが集結して製作された映画『レジェンド&バタフライ』。壮大なスケールで、誰もが知る日本史上の“レジェンド”織田信長と、謎に包まれたその正室・濃姫(別名“帰蝶”)の知られざる物語を描いている本作。1月27日に全国の映画館で公開を迎えると、公開33日間で動員171万人、興行収入は22億円突破する大ヒットとなり、公開から1ヵ月が経った今日でも、“レジェバタ旋風”の勢いはまだまだ留まることを知らない!そんな本作が、3月4日(土)に学生向けティーチインイベントを行い、宮沢氷魚、大友啓史監督、プロデューサーの井元隆佑が登壇した。

 春の訪れを感じさせる心地よい気温で迎えたこの日、ステージに登壇したのは、本作で明智光秀を演じた宮沢氷魚、監督の大友啓史、プロデューサーの井元隆佑の3名。劇中で見せる野心に燃えた表情とは打って変わって、爽やかな笑顔で登場した宮沢は、「なかなかない機会なので、ざっくばらんにいろいろとお話ができたら」と挨拶した。続いて、監督の大友は、映像業界を目指す学生がたくさん来場していることから「有益な話ができると良いなと思います」と、意気込みを語った。
 まず、オファーをもらった時の感想について、宮沢は「これまで若い人が明智光秀を演じた作品がなかったので、ハードルがあった」という一方で、「大友監督の作品ということもあり、新しい解釈がされて、素晴らしい明智になるのではと前向きな気持ちになりました」と当時を振り返った。そして、自身の身長が184cmあることから「時代劇に出られるとは思っていなかった」そうで、それに対して大友も「リアルに再現しようと思うとできないことが多い」「“温故知新”、真似をするのではなく、取り入れたものを違うものとして吐き出すことが大事」と大友ならではの考えを打ち明けた。そして、「“見目麗しい光秀”という脚本を読んだ時に、宮沢さんしか思い浮かばなかった」と、熱烈なオファーだったと、宮沢に熱い視線を向けた。

 本イベントは、「新しい時代劇を若い人にも届けたい」「これからの映像業界の未来を担う若い世代と映画の話がしたい」という大友の強い思いから実現に至ったのだが、その大友の思いが通じたのか、この日は客席には多くの学生が集まった。
 早速客席から手が上がると、「監督は本能寺で信長が本当に死んだと思いますか?」と中学生の男の子。大友は、「死んだと思っている」と即答し、「歴史上の人物にはいろいろな説がありますが、それを踏まえたうえでリアルなものを見せたほうが良いと思い」本作での結末に至ったという。宮沢は、「方言での台詞など、役作りをする上で気をつけたこと」への質問に対し、事前に準備はしっかりと行った上で「方言指導の方に聞きながら、その場で対応した」ため、気負いせず芝居ができたという。専門学生からは、「日本の映画は国内向けに作られることが多いのが現状だが、今後海外に向けて作品を発信する意味で、どのように働きかけていきたいか」という質問が上がり、宮沢は「クリエイションをしている身としては、日本だけではなく世界的に伝わるものを常に作りたいと思っている」一方で、「遠い人に気を向けていると、一番近い人に届かない」「いいものを作るだけ」と自身の志を述べた。また「配役を決める上で一番重視している点」を聞かれると、「自分を純化できる俳優が好き」と大友。「他人の人生を生きることは大変」「役に対する献身さ」を重視するという自身の考えを明かした。

 そしてこの日、客席には、映画を鑑賞しイベントに参加しに来ていた俳優・鈴木 福の姿も。「“温故知新”という言葉の通り、いろいろな名作を勉強しつつ、これから新しい俳優になっていかないといけないということは常に感じています。新しいものを作る上で、取捨選択とその判断基準を教えてください」という俳優ならではの質問が投げられた。井元は、「やったことのないことに対して、怖いけど向かって行くというのが大事」、大友は「他人からどう見られるのではなく、自分がどう思うかが大事」「今の時代に目を向けて、自分に正直になること」、宮沢は「その瞬間瞬間をその役として生きていれば、自然と評価が追いついてくる」と、それぞれの立場から回答した。

 そして最後の質問として、「映画館で映画を観ることのメリット」という鋭いテーマが飛び出すと、「同じ空間で一つの物を体験できることは映画館でしかしえない、それも思い出として残る」と井元。宮沢は「自分と作品の繋がりだけを楽しむことができるのが映画館」と述べ、大友は「映画が一番人間の感情が見えるメディア。まだ見ぬ感情を大スクリーンを通して“追体験”できるし、訴求力が強い」と、映画館という場所の強みをそれぞれアピールした。

 最後に、集まった観客に向けて、宮沢からは「これからの映像業界は皆さまが担っていくと思うので、楽しんで盛り上げていただけたらと思います。いつか皆さんと一緒にお仕事ができる日が来るのを楽しみにしています」、大友から「映画は“集団芸術”。観客の皆さんとのコミュニケーションがなければ完成しないメディアです。いろいろな可能性がまだまだあるので、ぜひこの世界に飛び込んできてもらって、ご一緒できる日が来れば嬉しいです」と、メッセージを送った。
 映画館で映画を観る意味や、海外に向けて日本の映画を発信する意味など鋭い質問が飛び出し、学生たちとの熱いキャッチボールが行われた本イベントは、これからの映像業界の明るい兆しを感じさせるものとなった。

■登壇者:宮沢氷魚、大友啓史(監督)、井元隆佑(プロデューサー)

公開表記

 配給:東映
 大ヒット上映中!!

(オフィシャル素材提供)

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