「次世代の映画監督を育成する」をモットーに、昨年8⽉3⽇(⽔)より作品の募集が開始され、4ヵ⽉間で426作品の応募が集まった東京インディペンデント映画祭2022。その中から6作品がノミネートされ、授賞式ではグランプリ、準グランプリを発表する授賞式が3⽉9⽇(⽊)に実施された。
審査委員⻑には、『余命10年』の⼤ヒットが記憶に新しい藤井道⼈監督が務め、さらに、連続テレビ⼩説『半分、⻘い。』で脚光を浴び、ドラマ『あなたの番です』など話題作に出演し、映画やドラマに引っ張りだこの⼈気⼥優の奈緒、映画ファンの若者たちに圧倒的な⼈気を誇る映画ライターのSYO、株式会社AbemaTVより中村好佑、東宝株式会社より馮年、株式会社Lat-Lonより⾓⽥道明、録⾳技師の根本⾶⿃、映画祭アメリカ・マーケティング・ディレクターの河野 洋、映画祭プロデューサーの久那⽃ひろなど、次世代の監督をサポートすべく、最旬の審査員9名が集結した。
まず最初に来賓の株式会社AbemaTV プロデューサーの中村好佑よりご挨拶。本映画祭にあたってAbemaTVからは、グランプリ・準グランプリに選ばれた授賞3作品の監督に、300万円の製作費⽀援を⾏う他、AbemaTVでの配信権も贈られる。
続いて、株式会社東京オフラインセンター代表取締役眞⽥博之よりご挨拶。東京オフラインセンターからは、エントリーされた方々に撮影機材や編集室の貸し出しなど、5万円の利⽤券が贈られる。
東京インディペンデント映画祭2022受賞作品の発表では、藤井道⼈、奈緒がプレゼンターを務め、準グランプリには全⾠隆(チョンジニュン)監督『ミヌとりえ』、⽥中 聡(タナカサトシ)監督『うまれる』の2作品が選ばれた。応募総数426作品から栄えあるグランプリに選ばれたのは、古川 葵(フルカワアオイ)監督『MY HOMETOWN』。古川監督は、歓声の中ステージ上に登壇し、「グランプリいただきありがとうございます。まさかいただけると思っていませんでした。ずっと作品を撮り続けていきたいなと感じていて、ただそのためにどうすれば良いかわからなくて悩む⽇々を過ごしていいたので、この機会をいただけてすごく嬉しいです」と喜びを語った。
審査員からの総評では、映画ライターのSYOは、「僕はライターなので、お客さん側の⼈間で、観るときに、お客さんはどう思うかなみたいな感覚で観ているのですが、今回いろいろな作品を拝⾒した時にすごく⾃分がいやすい時間を作ってくれる作品がたくさんありました。⾃分もこの空間にいてもいいんだな、この時間にいていいんだな、と思える作品がすごくたくさんあったので、僕⾃⾝すごく成⻑させていただいたという感覚です。」とライター⽬線での想いを語った。
東宝株式会社の馮年は、「東京インディペンデント映画祭なのになんで東宝の⼈がいるんだって多分思われた⽅も多いと思うのですが、私のチームはまだ出会ったことがない新しいクリエイターの⽅と出会って、それから⼀緒にものを作っていきたいということを本気で活動しているチームです。その中で藤井監督にお声がけいただいて、こうして参加させていただきました」と審査員になった理由を明かした。
株式会社Lat-Lonの⾓⽥道明は、「本当に映画って出会いだなっと思っておりまして、このような若くて才能のある⼈たちとで会えたっていうのは僕としては宝です」と出会いの⼤切さを話し、録⾳技師の根本⾶⿃は、「本当に僕も10年前は、体が消えて無くなるくらい⾃主映画をやっている⼈間だったので、⽇本でも今現役でやっているスタッフの中では多分1番ぐらいに⾃主映画に実際にプロになった⼈間の⼀⼈だと思います。1作品1作品すごく講評をちゃんと書いて藤井さんに送ったのですが、想いがあって話したいです」と⾃⾝の経験を織り交ぜながら受賞3作品を賞賛。映画祭アメリカ・マーケティング・ディレクターの河野 洋⽒は、「僕はアメリカに渡って30年になるのですが、映画祭を初めて12年、⽇本の今回拝⾒させていただいた映画、こういった作品をアメリカで待っている者です。今回選ばれた作品や選ばれていない作品を含めてどんどんそのアメリカ全⼟で上映できる機会を増やしていきたいと思っています。またこの映画祭が、年々どんどんもっと知名度をあげて、たくさんの⽅に応募していただいて、たくさんの⽅に観ていただけるように、アメリカから応援したいです」とエールを送った。
俳優の奈緒は、「たくさんの応募の中から、今⽇は本当におめでとうございます。俳優部はなかなか審査されることはあっても審査するという機会は本当にはなかなか少ないので、すごく緊張する場でしたが、お受けさせていただいて、本当に毎⽇、⼀本映画を観ている時間というのが、私はすごくすごく幸せでした。たくさんの作品の中で厳選された作品を拝⾒して、やっぱりどうしても私は俳優部なので、⾃分が“ここにいたかったな”とか出演していないことが悔しいなと思うほど、皆さんの作品が素敵で、そう思う瞬間がたくさんありました。その中でも、⾃分⾃⾝も現場にいた時に、演出で引き出してもらった瞬間というものが、⾃分の中ではすごく覚えています。それは準備されたものではなくて、現場で⽣まれたもので、⾃分がなにかこうひとつ超えられたという瞬間をすごく覚えているので、今回受賞された皆さんの作品を観ていて、“あ! この⽅たちはもしかしたらこの現場で何かを超えられたのかな”と思ってしまうような演出を受けたのかなって。本当に現場にいたいなって思う作品だったので、ぜひ私もお仕事をご⼀緒させていただける機会があったら、お願いしたいなと思います」と審査員として参加できたことを感謝し、受賞作品を絶賛。
藤井道⼈監督は、「この度はおめでとうございました、本当にありがとうございました。僕も映画祭に育てていただいて、そこへの恩は⼀⽣忘れない気持ちで毎年広島に帰っています。映画祭は、出会いの場ですし、それを作ってくださる⽅もいらっしゃる、あとは監督たち次第です。その後を作っていくかは、その⼈たちの⼈⽣なのですが、ただやっぱりそれにしても、セカンド・チャンスを誰も作ってくれませんでした。僕は⾃分で道をぶっ壊したかもしれないけど、そのいらない苦労もあったなと思います。そのためにやらなきゃいけない作品だったり、そういう時間は本当に⾃分にとって必要だったのかなと思うこともあるのですが、こういう場を、東京インディペンデント映画祭の皆様にいただけて、ABEMAの皆様にこのように⼿助けいただいて、次には少しだけ楽にもっと⾯⽩いものを作れる環境を伝播させていきませんか?と思ってます。⾔葉ではみんな環境がきつい、お⾦がないというのですが、じゃあお⾦をしっかり獲得して、しっかり⾯⽩いものを⽇本から世界にどう届けるかっているのを本気で考えていますか?との疑問符から僕は今回お⼿伝いさせていただいいます。まずはこの三⼈の監督の次回作をサポートさせていただいて、そして僕らの今回のインディペンデント映画祭も2回3回と続いていき、プロになるには⼀番早い道だよね、という思いで、勝ちに⾏くならあそこでまず勝っていこう、というような、作家性を潰さない、そういう場にしたいと個⼈的に思っています。来年再来年とたくさんの監督たちが募集してくださることを願っていますし、それをたくさんのスタッフをと審査員の皆様でサポートできるような体制を予定しております」と映画祭の想いを語った。
最後に映画プロデューサーの久那⽃ひろは、「今回のエントリー作品含めて、今年の秋にニューヨークで上映会を予定しております。⽇本の⽂化に興味のある⽅々に観ていただく予定です」とまさに夢のある映画祭であることを明かし、授賞式は幕を閉じた。
ノミネート作品紹介
◆『ミヌとりえ』全⾠隆監督
◆『MY HOMETOWN』古川葵監督
◆『うまれる』⽥中 聡監督
◆『親⼦の河』望⽉葉⼦監督
◆『四⾓の中の⼈たち』渡邉裕也監督
◆『ワン・オブ・アス』古⾕⼤地監督
※ 詳細は下記よりご確認ください。
東京インディペンデント映画祭TOKYO INDEPENDENT MOVIE FESTIVAL(TIMF)
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(オフィシャル素材提供)