世界最大のアジア映画祭である、第25回ウディネ・ファーイース映画祭が4月21日(金)から29日(土)まで開催。昨年2022年の北野武監督に続き、今年は日本映画界が誇る女優、倍賞千恵子のゴールデン・マルベリー(生涯功労賞)授与が決定した。また、映画祭では、最新主演作『PLAN 75』(2022年、早川千絵監督)と、ウディネ・ファーイースト映画祭の観客のために倍賞自ら選んだ傑作、『男はつらいよ』シリーズ1作目の『男はつらいよ』(1969年、山田洋次監督)と『家族』(1970年、山田洋次監督)の特別上映にあわせ、倍賞千恵子が現地に赴き、ウディネ・ファーイースト映画祭に参加されることも決定した。
倍賞千恵子曰く「ウディネ・ファーイースト映画祭功労賞を受賞し招待されたと聞き『え、何故? どうして『PLAN 75』で?』ビックリ。お聞きしたら、私が映画の世界に入ってから演じ仕事をして来た事に対しての生涯功労賞とのこと、とてもビックリいたしました」また、「日本で仕事していた私を、外国の方が見ていてくださったことに大変驚き、感謝し、うれしく思っています。映画って素晴らしいですヨネ。ウディネ・ファーイースト映画祭の皆さん本当にありがとうございました。私、これからも精進してまいります」とコメントを寄せた。
ゴールデン・マルベリー(生涯功労賞)を受賞される倍賞千恵子は、1941年生まれ。映画『男はつらいよ』シリーズ50周年記念作品である映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019年、山田洋次監督)を含む本シリーズ全作品(1969年~)にさくら役として出演したことで知られ、1980年には、『遙かなる山の呼び声』、『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』(共に山田洋次監督)にて第4回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞、『劇場版 機動戦士ガンダムI』(1981年、富野喜幸監督)、『ジャングル大帝』(1997年、手塚治虫原作・竹内啓雄監督)『ハウルの動く城』(2004年、宮崎 駿監督)など、アニメーションの世界でも声優として多才な才能を発揮している。
映画祭で上映される『PLAN 75』は、早川千絵監督の長編デビュー作で、2022年、第75回カンヌ国際映画祭にてカメラドール特別賞を受賞、イタリアではタッカーフィルム配給で今年5月11日より公開される予定。『PLAN 75』は企画開発中に、2019年のウディネ・ファーイースト映画祭の期間中に行われる「フォーカス・アジア」という業界関係者向けのネットワーキング・セッションにも選出されていたプロジェクトであり、早川監督はこの年、オムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一編『PLAN 75』の監督としても、映画祭に参加していた。
『PLAN 75』は、今や国家的な緊急事態となった高齢化問題の解決策として国会で可決され施行された社会システム。福祉にかかる公的コストや、高齢者への財政支援と引き換えに、高齢者が満75歳から生死の選択権を与えられる制度。生きることに精一杯の78歳のミチ、「プラン 75」の申請窓口で働く青年・ヒロム、「プラン 75」関連施設で働くフィリピン人看護師のマリアを主人公に、早川千絵監督は厳格な社会劇を優雅かつ自然に演出する。ミチ役で倍賞千恵子が、類いまれな才能で輝きを放っている。
ウディネ・ファーイースト映画祭
第25回 ウディネ・ファーイースト映画祭2023
開催地:イタリア、ウディネ
開催期間:2023年4月21日(金)~4月29日(土)
公式Webサイト
映画公式Twitter : @NIAFF_animation
(オフィシャル素材提供)