1976年サターン賞最優秀男優賞とヒューゴー賞最優秀映像部門賞受賞。西暦2024年の荒廃した地球を舞台に、少年とテレパシー犬のさまよえる旅が描かれる異色のSF黙示録ブラック・コメディ『少年と犬』が、5月19日(金)より、シネマート新宿ほか全国順次公開することが決定。映画の舞台を来年に控えた今、1975年制作の映画が満を持してこの度、日本劇場初公開となる。
原作は、2018年6月に84歳で死去したアメリカのSF作家、鬼才ハーラン・エリスンが1969年にネビュラ賞・中長編小説部門を受賞した同名小説。1000を超える小説を執筆し、TVシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」(64-68)や「アウター・リミッツ」(63-64)のほか「宇宙大作戦(スタートレック)」などTVの脚本家としても活躍した彼の作品の中でも、斬新な設定が人気を博した一作だ。
監督は、バイオレンス映画の巨匠サム・ペキンパー監督作品の常連俳優として知られるL・Q・ジョーンズ。世界観や設定、登場キャラクターなどが、『マッドマックス』シリーズ(79~)に影響を与えたとも言われており、ゲーム「Fallout4」の元ネタのひとつにもなっているなど、現在まで特異な存在感を放ちながらも、日本では劇場未公開となっていた傑作だ。
少年ヴィックを演じるのは、当時25歳のドン・ジョンソン。後に主演を務めたTVドラマ「特捜刑事マイアミ・バイス」(84-89)で渋さと色気を振りまき一躍スターダムに。彼の若く初々しい姿が観られる点にも注目だ。テレパシー犬ブラッドの深みある声を担当しているティム・マッキンタイアは声の出演以外に音楽も担当。エンディングでは歌唱も披露している。
ポスタービジュアルには、〈西暦2024年は、気づけば来年だった。〉〈かなり高い確率であなたが目にする未来。〉という、本作の舞台である2024年を目前に控え、決して他人事では無くなってしまった私たちへの緊急予言が。地上は陽光のオレンジ、地下は陽の当たらない暗闇の黒で2つの世界が表現されている。中央には地下世界へとつながる扉、その前には、少年と犬、横たわる女性は何を意味するのか……。このキービジュアルを描いたのは70年代から80年代にかけてハリウッド映画のポスター・アートワークの多くを手掛けたロバート・テネンバウム。サム・ペキンパー監督『戦争のはらわた』(77)、ジョン・カーペンター監督『要塞警察』(76)、全米大ヒットを記録した『ウォーキング・トール』(73)や『ダーティ・メリー クレイジー・ラリー』(74)など、数々の印象に残るポスターを世に残しており、80代を迎えても精力的に活動している大御所イラストレーターだ。
同時に解禁となる予告編は、〈緊急初公開〉の文字が出たかと思うと、けたたましい爆発音が鳴り響き、核ミサイルの爆破映像と共に〈西暦2024年、第4次世界大戦後〉〈この世は終わり、犬が喋りだす。〉という、あまりにも衝撃的な言葉が記される。「腹が減った」とテレパシーで話す犬ブラッドに対し「お前は女を探せ 俺は食い物を」と返す少年ヴィック。騒々しい地上で二人はお互いを支え合いながら生きているのだ。しかし、ある日地下から来た少女クイラと出会い、状況は一変。ヴィックはブラッドの静止を聞かずクイラを追って、ひとりで地下世界へ足を踏み入れる。地下世界ではなにやら臨時会議が行われるらしい。これは何の会議なのか? 荒れ狂う地上と比べ、笑顔の人が多いようだが……。徹底的に管理された地下社会にヴィックはとどまるのか。少年と犬の友情はどうなってしまうのか。予告の最後は鼻歌を歌うブラッドの姿が収められており、とにかく犬が可愛い、目が離せない予告編となっている。
また、3月31日(金)から全国鑑賞券1.500円も販売。特典は【近未来予習型・予言ステッカー】。
劇中の2024年で起こる出来事が記されており、これで未来に備えていつでも予習が可能だ。
2024年という限りなく近い未来に備え、我々がスクリーンと現実世界と言うなの荒野に見るのは果たして絶望か希望か。映画『少年と犬』は、5月19日(金)より、シネマート新宿ほか全国順次公開。
公開表記
配給:アンプラグド
5月19日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
(オフィシャル素材提供)