本年度ベルリン国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金熊賞を受賞した日仏共同製作によるニコラ・フィリベール監督最新作『ON THE ADAMANT』(英題)の邦題を、『アダマン号に乗って』とし、4月28日(金)にヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国公開となる。
今年2月、第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で俳優クリステン・スチュワートら審査員たちが華々しい作品群のなか最高賞《金熊賞》を贈り、「人間的なものを映画的に、深いレベルで表現している」と賞賛された本作。手掛けたのは、世界的大ヒット作『ぼくの好きな先生』(02)で知られる、現代ドキュメンタリーの名匠ニコラ・フィリベール監督。多様性が叫ばれる以前から、多様な存在や価値が共にあることを淡々と優しい眼差しで映し続けてきた。パリ、セーヌ川のきらめく水面に照らされた木造建築のユニークなデイケア・センターの船<アダマン>。精神疾患のある人々を無料で迎え入れ、絵画、音楽、ダンスなど創造的な活動を通じて社会と再びつながりを持てるようサポートしている。この船では誰もが表情豊か。共感的なメンタルケアを貫くこの場所をニコラ監督は「奇跡」だという。深刻な心の問題やトラウマを抱えた人々にも、素晴らしい創造性があり、お互いの違いを認めともに生きることの豊かさを観るものに伝えてくれる。本作は、間違いなく最も「優しい」映画であり、この時代にもたらされた“希望”そのものである。
この度、初となる本編映像が解禁! カメラが映すのはセーヌ川に浮かぶデイケアセンター、アダマン号の船内。一人の男性患者が歌を披露する。歌うのは、フランスで1976年から1986年に活動していた人気ロックバンドTéléphon(テレフォン)最大のヒット曲「La bombe humaine(人間爆弾)」だ。「自分を手放すべきじゃない、絶対にダメだ」魂が込められた力強い歌声を、優しいギターの伴奏とともに温かい目線で見つめる仲間たち。アダマンに集まる人々の気持ちを代弁したかのような歌に、どこからともなく大喝采が沸き起こる! アダマン号の人々の愛に溢れた瞬間を捉えた、観るものの心を動かすシーンとなっている。
そして、早くも『アダマン号に乗って』に、魅了された著名人の面々よりコメントが到着! 俳優の常盤貴子氏は「議論を重ねて権利を勝ち取ってきたこの国に於いては、留まるのではなく、常に流れる水の上でこそ自由に漂うことができるのかもしれない」とセーヌ川に浮かぶアダマン号を称えた。また、憲法学者の木村草太氏は「その声、その眼差し、仕草、紡がれる言葉、そしてメロディーに魅せられた」とアダマン号の人々の姿に胸を打たれた様子。詩人の谷川俊太郎氏は「面白い! リアルでメチャクチャ面白い! 日本が製作に参加してるのが誇らしい」と非常に本作を気に入り、日本が共同製作であることに喜びの言葉を述べた。
『アダマン号に乗って』は4月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国公開!
コメント
常盤貴子(俳優)
議論を重ねて権利を勝ち取ってきたこの国に於いては、留まるのではなく、常に流れる水の上でこそ自由に漂うことができるのかもしれない。
セーヌ川に浮かぶアダマン号に集い、話し合う様は、尊い、と思った。
谷川俊太郎(詩人)
面白い! リアルでメチャクチャ面白い! 日本が製作に参加してるのが誇らしい。
白石正明 (編集者・医学書院「シリーズ ケアをひらく」 )
登場する一人ひとりが怪しすぎて見惚れてしまう。
瞼のようなブラインドが開いてセーヌの川面が光り、鉄橋を渡る列車の音がぼんやり響く。
なんて贅沢なアダマン号。さあ、ブルシット・ジョブを捨てて乗船しよう!
想田和弘(映画作家)
アダマン号、誰もが自然体になれそうな、心地良さそうな空間だなあ。
フィリベール監督らが散歩のついでにぶらりと立ち寄ったような、
てらいのない描き方も素晴らしい。デイケアも映画も、これでいいんだよな。
当たり前のことを、当たり前にやればいいんだ。
櫛野展正(クシノテラス主宰)
こころの病を抱える人たちが集うデイケアセンター<アダマン号>。
そこに行けば「仲間」がいる。
ここで互いに語り合い、表現し合うことが治癒へと繋がっていく。
薬だけに頼らない「社会的処方」の素晴らしい実践が、ここにある。
木村草太(憲法学者)
なんて多彩な人たちなのだろう。
その声、その眼差し、仕草、紡がれる言葉、そしてメロディーに魅せられた。
船の窓が開く姿も、たまらなく良い。
公開表記
配給:ロングライド
4月28日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
(オフィシャル素材提供)