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「第1回ミラーライアーフィルムズ・フェスティバル」クロージングセレモニー

 4月22日から東京・渋谷を拠点に行われた「第1回ミラーライアーフィルムズ・フェスティバル」のクロージングセレモニーが5月14日(日)、表参道ヒルズのスペースオーで開催された。

竹中直人、大橋裕之、浅野忠信の監督参加決定!

 同フェスティバルでは、ホール上映、野外上映、カラオケ上映、展示上映など短編映画に気軽に触れられるような形式で『MIRRORLIAR FILMS』作品を上映。特別企画では『MIRRORLIAR FILMS』全シーズンのテーマ音楽を手がけるAsahi(内田朝陽)&tah(山田孝之)による音楽ユニット『quu』主催のクラブイベントも開催した。

 第1部で行われた『MIRRORLIAR FILMS』新シーズン監督トークショーでは、俳優の竹中直人と漫画家の大橋裕之、伊藤主税プロデューサー(and pictures)が参加。竹中監督作品にはお笑いコンビのスクールゾーン、大橋監督作品には又吉直樹が出演することが発表されたほか、俳優の浅野忠信も監督として新シーズンに参加することも決定した。

 『MIRRORLIAR FILMS』発起人の一人である山田孝之も監督として参加したオムニバス映画『ゾッキ』で大橋や伊藤との出会いを得たという竹中監督。「『ゾッキ』から繋がった貴重な出会いから、また作品を作っていけるのは夢のよう。たくさんの夢が広がるこのプロジェクトにこれからも夢を託したい」と喜んだ。監督初挑戦の大橋は「自信はいまだにない」と苦笑いしつつも「伊藤さんから『ゾッキ』クランクアップ直後に“いつかMIRRORLIAR FILMSで撮って欲しい”と言われた」と参加経緯を回想。その伊藤は竹中と大橋の監督起用について「ずっと前から決めていたこと」と念願叶ったようだった。

 新シーズンとなる『MIRRORLIAR FILMS Season5~8』では、シーズンごとに公募3作品+著名監督による2作品を合わせて、5作品のオムニバス映画を全国の劇場で公開する予定。選出された公募12作品には30万円、年間最優秀に選ばれた作品には賞金1,000万円が付与される。伊藤は「映画が撮りやすくなっている時代において、映画を活用した自己表現をしてほしい。若い世代の方たちにこそ、自分の感性を爆発させて短編映画を撮って欲しい」と新たな才能の出現を待ち望んでいた。

渋谷で阿部進之介部長の映画部が発足!?

 <渋谷×地域の文化発信>をテーマにしたトークセションには渋谷区長の長谷部健、渋谷区観光協会代表理事の金山淳吾、『MIRRORLIAR FILMS』プロデューサーの阿部進之介、伊藤主税、関根佑介、松田一輝が参加した。『MIRRORLIAR FILMS』では全国の地域と連携した制作支援や上映イベント、ワークショップと連動することで、誰でも参加できる参加型プロジェクトを目指していることから、伊藤は渋谷を中心地とした映画製作ワークショップ「映画部」発足を提言。「いろいろな人が集まってくるのが渋谷の特徴なので、映画部を発足して改めて渋谷を文化発信の街にしたい。『MIRRORLIAR FILMS』は行政と民間が一体になって実行員会を作って映画を活用した地域創生など映画作りをきっかけにした仲間づくりを行っています。今後は渋谷と全国を繋げてクリエイティブを中心としたネットワークを作っていきたいです」と渋谷発の日本活性化に期待を寄せていた。

 渋谷出身の長谷部渋谷区長は「渋谷は情報の発信や多様な人が集まってそこでぶつかり合い、新たな価値や文化を発信してきた街です。そんな渋谷の子どもたちと一つのテーマを決めて学校でワークショップをしてもらうのもいい。ドラマや映画に近所が映ると嬉しいもの。若い人たちが短編映画製作に関わることで感じることも色々とあると思う」と興味津々。金山も「渋谷に新しい映画コミュニティが出来上がれば町全体をプレゼンしていける」と前向きだった。

 渋谷での映画祭開催に関根は「渋谷はストリートから文化が生まれる場所であり流行の発信地。そんな場所で開催できたのが嬉しい」、松田は「『MIRRORLIAR FILMS』は若者が映画を撮ってみようという気持ちを大切にしたいので、カルチャーの発信地である渋谷で第1回を開けたのが嬉しい」と喜んだ。阿部は「野外上映会や展示上映会を渋谷でやらせていただき、いろいろな方に映画を身近に感じてもらうことができた。これからも渋谷を拠点に、映画部企画も含めていろいろな活動を続けていきたい。その際には部長は僕かな?」などと意気込んでいた。

新プロジェクト短編『MIMI』に横浜流星が主演

 さらにイマーシブアート(没入型アート)と短編映画を融合する新プロジェクトの短編映画『MIMI』に横浜流星が主演することが発表された。山田孝之プロデューサーが発案したプロジェクト名「MIRRORLIAR」がテーマで、横浜の表情をアップで捉えたポスターも解禁。榊原有佑監督は「15分の短編の中にいろいろなチャレンジを詰め込みました。青年(横浜)と臨床心理士(阿部)の会話劇で、人間の内面や精神的なものを含めてテーマにしています。映画として初めて最先端AIテクノロジー・ナーフ撮影にも挑戦しました」とアピール。主演の横浜については「シーンによってはお任せした部分も多かったけれど、いろいろな表情や感情を出して見事に演じてくれました」と絶賛した。

 臨床心理士を演じた阿部も「構成が複雑ながらも脚本の段階で的確に表現されていた。撮影中に監督に『面白くならないわけがない』と言ったくらい、期待値の上がる撮影でした」と完成に自信。ナーフ撮影という技術と映画のコラボレーションの未来について松山周平(THINK AND SENSE)は「創作として面白いことができる技術なので、今回の作品を起点に映画でもクリエーションをミックスしたコミュニケーションの広がりを実現したい」と期待していた。

 同作は「MIRRORLIAR FILMS Season5」収録作品として劇場公開のほか、THINK AND SENSEプロデュースのイマーシブアート、没入型アートとしても発表予定。一般公開に先駆けて5月21日には109シネマズプレミアム新宿でプレミア上映が行われる。

佐藤浩市主演『インペリアル大阪堂島出入橋』撮影秘話も

 第2部では三島有紀子、井樫 彩、花田 陵、柴田有麿、針生悠伺、村上リ子、Azumi Hasegawa、駒谷 揚、林 隆行、真壁勇樹ら『MIRRORLIAR FILMS』に参加した監督陣がトーク。自身の監督作をPRしたり、『MIRRORLIAR FILMS』の理念などに共感を寄せたりしていた。

 そして三島監督の新作『東京組曲2020』公開記念として、また、この日が母の日ということから、佐藤浩市主演の三島監督作『インペリアル大阪堂島出入橋』を上映。三島監督の名前と共に三島監督の実母の名前が監督・脚本にクレジットされているが、それは三島監督の今年2月に亡くなった実母の「インペリアルのハンバーグが食べたい」という一言が本作を生み出したからだ。

 三島監督は「小さい頃から母と通っていた洋食屋インペリアルがコロナ禍で閉店。それを知ったときに、お店でデミグラス・ソースを作ってきたシェフの人生を描かなければと思った」と明かし、実母が倒れた際に完成した作品をパソコンで見せると奇跡的に意識を取り戻したという驚きのエピソードも披露。800キロメートルにも渡る距離を11分40秒のワン・カットで移動撮影した長回しシーンに話が及ぶと「11分40秒の中にシェフの人生をどれだけ盛り込んでいけるかがカギでした。全員で緊張しながら始めた本番で、このワン・カットを撮るために全員が佐藤さんと一緒に走りました。まさに映画的な時間が流れていました」と手応えと共に舞台裏を解説した。

JOYSOUND観客賞&グランプリ発表!

 第3部では『MIRRORLIAR FILMS Season1~4』の全36作品の中からグランプリ及び観客賞の発表と表彰式が行われた。冒頭では山田孝之プロデューサーの動画コメントが上映。「オープニグセレモニーから始まり、野外上映や展示上映、横浜国際映画祭とのコラボなどを行い、約3週間に渡り映画祭を開催してきました。初年度のフェスティバルは終了ですが、『MIRRORLIAR FILMS』としてこれからもまだまだ作り続けていきます。いろいろな方々と手を組んで新たな展開が出来れば」と呼び掛けていた。

 そしてスタートした受賞式。SNSでの投票によるJOYSOUND観客賞は、志尊 淳監督作品『愛を、撒き散らせ』が受賞した。志尊監督の登壇は叶わなかったが「この度は素敵な賞を頂けて嬉しいです。監督は一度経験してみたかったことですし、何よりも俳優として作品に携わるときには分からない苦労がありました。関わってくださったスタッフ・キャストなしでは何一つできませんでした。少しでも皆さんに恩返しをと思いましたが、たくさん助けてもらいました。これからも作品を絶やさず、自分にできることを全うしたいです。この作品を応援してくださり、ありがとうございました」と喜びのメッセージを寄せた。

 そして『第一回ミラーライアーフイルムズ・フェスティバル』のグランプリは、福永壮志監督作品の『シルマシ』が受賞。グランプリの投票方法は、36作品の監督・プロデューサーが互いの作品を褒め合う形で、好きな3作品に投票した。劇場ビーコンの観客投票を参考にした。福永監督は「個性豊かな作品の中でこんなに静かな映画が選ばれるとは思わず、ただただ驚きました。新作の長編の準備の一環として書いていた脚本で、伸び伸びとシンプルに撮れた作品です。自分としても思い入れの深い作品なので、たくさんの方に観ていただけたら嬉しいです」と喜びを噛みしめていた。

 約3週間続いたフェスティバルもついにフィナーレ。阿部は「ふらっと立ち寄って映画を観ていただける視聴環境の中で映画祭を行ってきました。気軽に映画に触れ合えるような環境で身近に映画を感じていただき、映画を楽しみ参加できる映画祭を目指しました。これからも地方都市を中心として撮影を続けて新たなクリエイターと連携し、渋谷を拠点に新たな才能を発掘していきたいです。誰もが自由に映画を撮れる時代、皆さんに近い距離で映画を楽しんでもらえるような環境作りをこれからも行いたいです」と意気込みを新たにしていた。

 登壇者:第1部 竹中直人、大橋裕之(漫画家)、伊藤主税プロデューサー(and pictures)
     トークセッション 長谷部健(渋谷区長)、金山淳吾(渋谷区観光協会代表理事)、阿部進之介(『MIRRORLIAR FILMS』プロデューサー)、伊藤主税、関根佑介、松田一輝
     第2部 三島有紀子、井樫 彩、花田 陵、柴田有麿、針生悠伺、村上リ子、Azumi Hasegawa、駒谷 揚、林 隆行、真壁勇樹、阿部進之介
     第3部 福永壮志、阿部進之介、山田孝之プロデューサー(動画)

「MIRRORLIAR FILMS」(ミラーライアーフィルムズ)とは

 伊藤主税、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーとインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト。
 2020年に始動し、2021年から2022年にかけて劇場公開されたSeason1~4では、“変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で発表した。
 4月22日(土)~5月14日(日)に渋谷で開催される映画祭「MIRRORLIAR FILMS FESTIVAL」では、「MIRRORLIAR FILMS Season1~4」の36作品から、グランプリ・観客賞が発表される。

【監督】Azumi Hasegawa/阿部進之介/安藤政信/井樫 彩/池田エライザ/枝 優花/GAZEBO/紀里谷和明/Ken Shinozaki/駒谷 揚/齊藤 工/志尊 淳/柴咲コウ/柴田有麿/武 正晴/西遼太郎/野﨑浩貴/花田 陵/林 隆行/針生悠伺/福永壮志/藤井道人/藤原知之/真壁勇樹/松居大悟/三島有紀子/水川あさみ/三吉彩花/村岡哲至/村上リ子/ムロツヨシ/山下敦弘/山田佳奈/山田孝之/李闘士男/渡辺大知 (五十音順)

Season1 2021年9月17日公開


 安藤政信監督『さくら、』
 武 正晴監督『暴れる、女』
 花田 陵監督『inside』
 枝 優花監督『Petto』
 西遼太郎監督『充電人』
 藤原知之監督『無題』
 針生悠伺監督『B級文化遺産』
 三吉彩花監督『inside you』
 山下敦弘監督『無事なる三匹プラスワン コロナ死闘篇』

Season2 2022年2月18日公開


 Azumi Hasegawa監督『Denture Adventure』
 阿部進之介監督『point』
 紀里谷和明監督『The Little Star』
 駒谷 揚監督『King & Queen』
 志尊淳監督『愛を、撒き散らせ』
 柴咲コウ監督『巫.KANNAGI』
 柴田有麿監督『適度なふたり』
 三島有紀子監督『インペリアル大阪堂島出入橋』
 山田佳奈監督『煌々 go on a picnic』

Season3 2022年5月6日公開


 井樫 彩監督『可愛かった犬、あんこ』
 Ken Shinozaki監督『INTELLIGENTIA』
 野崎浩貴監督『絶滅危惧種』
 林 隆行監督『そこにいようとおもう』
 松居大悟監督『サウネ』
 村岡哲至監督『家族送』
 山田孝之監督『沙良ちゃんの休日』
 李闘士男監督『ママ イン ザ ミラー』
 渡辺大知監督『Good News,』

Season4 2022年9月2日公開


 池田エライザ監督『Good night PHOENIX』
 GAZEBO監督『BEFORE/AFTER』
 齊藤 工監督『女優iの憂鬱/COMPLY+-ANCE』
 福永壮志監督『シルマシ』
 藤井道人監督『名もなき一篇・東京モラトリアム』
 真壁勇樹監督『星ニ願イヲ』
 水川あさみ監督『おとこのことを』
 村上リ子監督『THE NOTES』
 ムロツヨシ監督『バイバイ』

『MIRRORLIAR FILMS Season5~8』エントリー募集

 2024年春より順次公開する新シーズン『MIRRORLIAR FILMS Season5~8』に収録される短編映画を公募。
 詳細は、4月22日オープン予定の特設サイトにて発表される。
 『MIRRORLIAR FILMS Season5~8』ではシーズンごとに、公募3作品、著名監督による2作品を合わせて、5作品のオムニバス映画が全国の劇場で公開される。

全国会場

渋谷会場

横浜国際映画祭

 5月4日(木) 『MIRRORLIAR FILMS Season1~4』セレクション上映
 詳細は、横浜国際映画祭HPへ http://yiff.jp/(外部サイト)

公開表記

 4月22日(土)~5月14日(日) 第1回ミラーライアーフィルムズ・フェスティバル

(オフィシャル素材提供)

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