フランス時間5月17日(水)、コンペティション部門での公式上映を迎えた『怪物』(インターナショナルタイトル:MONSTER)。是枝裕和監督をはじめ、脚本家の坂元裕二、主演の安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太が華やかなレッドカーペットを歩き、会場内で大きな拍手で迎えられた後、着席し上映が開始となった。エンドロールが始まると、2200人もの観客を収容する会場からは拍手がおこり、坂本龍一さんへの追悼文が流れた際には、さらに割れんばかりの大きな拍手が沸き、敬意を表するような歓声もあがり、その後も9分半にもわたるスタンディングオベーションが続いた。その間、監督は少しホッとしたような表情を見せながら、大きく会場内を見渡し、おじぎをしながら称賛にこたえ、両脇の安藤と永山ともハグをし、言葉を交わし、その喜びを分かち合った。また脚本家の坂元ともしっかり肩を組み、『怪物』が多くの観客に届いた手応えを確かめ合い、称え合った。
スタンディングオベーションの後、マイクを渡された是枝監督は「こんなに多くのスタッフとキャストに支えられて作ることができました。まずはそのスタッフとキャストに感謝します。そのスタッフとキャストの多くが今日ここに集まってくれたことがすごくうれしいです。でもいろいろな事情でみんながここに集まるわけにもいかなくて、でもここに来られないスタッフとキャストの思いもここ(胸に手をあてて)に抱いて今ここに立っているつもりです。戻って皆さんのこの拍手と、皆さんの顔を、ここに来られなかったチームのみんなに報告したいと思います。とても良いワールドプレミアになったとおもいます。ありがとうございました」と語った。
今回審査員長を務めるのは、昨年のカンヌで2度目となる最高賞パルム・ドールを受賞した『ザ・スクエア 思いやりの聖域』『逆転のトライアングル』のリューベン・オストルンド監督。さらに、審査員には俳優のブリー・ラーソンやポール・ダノらが名を連ねている。コンペティション部門に選出された計21作品の中から最高賞となるパルム・ドールをはじめ各賞が発表となるのは、フランス時間の5月27日の授賞式を予定している。
是枝監督作品がカンヌ国際映画祭で【コンペティション部門】に選出されるのは、昨年の韓国映画『ベイビー・ブローカー』以来2年連続、7回目(カンヌ国際映画祭への出品自体は9回目)。なお昨年の『ベイビー・ブローカー』では、エキュメニカル審査員賞、そして主演のソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞した。これまでも、2004年『誰も知らない』では主演を務めた柳楽優弥が《最優秀男優賞》を受賞、2013年『そして父になる』では《審査員賞》を受賞、2018年『万引き家族』では最高賞である《パルム・ドール》を受賞している。
出席者:是枝裕和監督、脚本・坂元裕二、安藤サクラ、永山瑛太
公開表記
配給:東宝、ギャガ
6月2日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか 全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)