映画『大名倒産』の公開直前イベントが都内で行なわれ、主要キャストの神木隆之介、松山ケンイチ、桜田 通が登壇してクロストークを繰り広げた。
本作は、浅田次郎のノンストップ時代小説を実写映画化。借金を抱える松平藩を舞台に、藩主の跡継ぎとなった小四郎(神木)が、新次郎(松山)、喜三郎(桜田)と借金100億円を返すために節約プロジェクトに挑み奮闘する姿が描かれる人生逆転エンターテインメント。徳川家康の血を引く小四郎役を演じた神木は、突然丹生山藩の殿様になるのだが、藩にある100億円もの借金を背負うことに――。
劇中、3兄弟役を演じた3人。実年齢的に松山と桜田は神木より年上。神木は2人について「松山さんは、決断力があります。困った時とか『これどうしたらいいですかね?』って言った時に、『こうでいいんじゃない?』というのをパッと決めてくれるので、頼りがいがあるお兄ちゃんだなと思いながら接しています」と、松山の決断の早さを称賛。松山の役はうつけものだが、庭造りに天才的な能力を発揮する。
10代の頃から交流のあるという桜田について、神木は「とにかく心優しくて。人の繊細な気持ちの動きにすごく敏感な方だなっていうのは昔から思っていますね」と印象を語った。
桜田の役柄は松平家の3男で小四郎の兄。聡明だが、病弱。桜田は「(神木と)出会ってから18、19年くらいたちます。最後に背中をさするシーンは、もちろん喜三郎の小四郎に対する思いからなのですが、普段からりゅう(神木)自身は身の回りの人やお世話になっている人、仲間に対して、自分が頑張ることで返していきたいという人で、僕も同じ気持ちを持っていたので、上手く役柄と合わせてできたのかなと思います」と話した。
神木は、「今回は物語の中でいきなり兄弟になりましたが、実際に僕は2人を信頼しているから、その雰囲気は出ていたんじゃないかなと思っています」と普段の関係性も踏まえて、いい“兄弟感”が出せたことを自負した。
映画の内容にちなんで3人が節約術について語る場面があった。神木は、「同じような物はなるべく買わないようにしている。シンプルに臨機応変さは必要ですね」と話すと、桜田から「同じような物を買っているイメージがあるけど……」と突っ込みが入る。神木は「僕は、オタクだからね。欲しいものは手に入れたいし、欲しいものの小さな変化は大きな変化なので、徹底して手に入れる。でも、節約という観点から言うと、食事にはお金をかけない。何でもいい」ときっぱり。
松山は「できるだけ長く使うのが節約だなと思う。ある程度の金額の物は、最初高くついても、10年、20年使って、日割りで考えたら安くなる。そういう買い物を心がけている。壊れたら何とか直して使う努力はする」と回答して客席は納得。笑いを誘った。
桜田は、「僕は“節約”というより、お金をいっぱい使って、(お金を)使わないと手に入らない経験とかは、それをちゃんと仕事に活かして、ご縁としてかえってくれば良いと思っているので、僕はバンバン(お金を)使いたい」と話す。それぞれ三者三様のお金の使い方を明かした。
撮影中のエピソードを聞かれると、神木は「ごはんを食べるシーンがすごく印象的だった」と言い、いきなり殿様になって、兄がいることも知って、一緒にごはんを食べるシーンになって「本当に兄弟になってきたんだな、なってるんだな、というあたたかさを感じた。撮影も楽しかった」と撮影を振り返った。
松山も食事のシーンで「後ろでわちゃわちゃしているシーンがあるけれど、監督からやるように言われて、自由演技をした」とアドリブだったことを明かす。
桜田は「シャケのおにぎり、美味しかったな。僕はずっと『ぴょこぴょこ』言ってました。意外と使われていて嬉しかったです(笑)」と話した。
その後、全国から募集して、応募があった「節約川柳」が発表された。全国から3484件の応募があった。神木が小四郎賞、松山が新次郎賞、桜田が喜三郎賞として紹介し、最後に神木が大賞を発表して、舞台上で受賞者への賞状授与が行われた。大賞には「節約は 心を映す 鏡かな」という一句が選ばれた。
最後に神木が「時代劇ですが、自分と似ている状況に置かれたキャラクターがたくさん出ていると思うので、観ていただくたびに違うキャラクターに感情移入できると思います。皆さんにとって『明日からちょっと頑張ってみようかな』と思える映画になればいいなと願います」とメッセージを送った。
主題歌は「WONDERFUL」GReeeeN(ユニバーサルミュージック)。
登壇者:神木隆之介、松山ケンイチ、桜田 通
(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:松竹
2023年6月23日(金) Let’s 返済!?
(オフィシャル素材提供)