イベント・舞台挨拶

『リバー、流れないでよ』初⽇舞台挨拶

 6⽉23⽇(⾦)、TOHOシネマズ⽇⽐⾕にて、『リバー、流れないでよ』の初⽇舞台挨拶が開催。藤⾕理⼦、⿃越裕貴、中川晴樹、近藤芳正、⼭⼝淳太監督が登壇した。

 Filmarks でもトレンド1位を記録しているなど、話題沸騰中の本作。上映後の会場にキャストが登場すると、満席の会場からは⼤きな拍⼿が送られた。
 2分間を何度も繰り返す本作に絡め、藤⾕は「ミコト役の藤⾕理⼦です」と3度繰り返すと、中川は「藤⾕! ループしてる! ⾃⼰紹介がループしてる!」とツッコミ。藤⾕は「失礼いたしました」と笑い、改めて「こんなたくさんの⽅がいらっしゃってることに今、ちょっとびっくりして緊張しておりますが、今⽇は本当にありがとうございます」と挨拶した。

 ⿃越は「念願のヨーロッパ企画さんの作品に参加ということで、本当に僕にとって⼤切な作品になりました」としみじみ。劇中で、⼊浴中にタイムループに巻き込まれるスギヤマを演じた中川は「ほぼ裸で頑張りました」と撮影を振り返り、笑いを誘った。

 また「2年半ほど前に京都の⽅に移住した」と明かした近藤が、京都・貴船で撮影された本作への出演について「この映画、交通費と宿泊がいらないということでオファーいただきまして、移住して良かったなと思いました(笑)」とジョークを⾶ばすと、⼭⼝監督は「気まずい暴露がいろいろ⾏われましたけど(笑)」と苦笑。

 続けて、「このように満員御礼をいただきまして、本当にありがとうございます。本当に夢のようです。今⽇の初⽇は、たくさん応援いただいた⽅だったり、クラウドファンディングしていただいた⽅だったり、いろいろな⽅の⽀えでここまで来られました。本当に感謝申し上げます」と感謝を⼝にした。

 さらに⼭⼝監督は、ヨーロッパ企画の前作『ドロステのはてで僕ら』に触れ、「それも2分がテーマで、2分先の未来を教えてくれるテレビが出てくるお話を、70分ワンカットでやるという難しい映画を作ったんです」と説明。その『ドロステのはてで僕ら』が国内外で好評だったことを受け、ヨーロッパ企画の映画第2弾として本作を製作することとなった、と経緯を語った。

 脚本の感想を聞かれた藤⾕は「私はこの舞台になった貴船出⾝でして、よく知っている⼟地」と明かし、「脚本に、キャラクターがどこにいるかの“図解”が載っているんですが、読むとロケーションが浮かぶわけですよ。普段、映画でも脚本を読んでロケーションが浮かぶってあまり経験しないことなので、『不思議だなぁ』と思いながらも、やっぱり脚本がすごく⾯⽩くてガーッと読んでしまいました」と告⽩。⼀⽅、同じ質問に⿃越は「念願のヨーロッパ企画さんの作品だったんで、1⼈で家でニタニタしながら脚本を読んでいた。そんな⾃分は相当気持ち悪かったと思います(笑)」と答えた。

 裸のシーンが多い中川は「最初、上⽥の話では『裸ですが、すごくおいしい役です』ということだったので、『おいしい役ならいいだろう』と出たんですけど、10年に⼀度の⼤寒波が起きまして、とっても寒かったです」と吐露。⾵邪をひかなかったかと⼼配されると、「⾵邪はひかなかったです。(旅館の)ふじやさんの⽅でお⾵呂を毎⽇温めていただいて、⼤浴場に俺⼀⼈、中川専⽤⾵呂をご⽤意いただいていたので、全然⼤丈夫でした!」と明
かした。

 近藤は本作について、「とても本が⾯⽩くて、『これは絶対にヒットするんじゃないかな』とは思っていました」としつつ、観客席を⾒渡し「こんなに集まっていただいて、僕は出ているだけなんですけど、実はちょっと感無量でございます」と満員御礼の劇場に感激していた。

 劇中で繰り返される2分に関しては、⼭⼝監督が「『ごめんなさい、10秒オーバーしたのでNGです』とか『5秒ショートしたのでもう⼀回お願いします』とか、延々やっているんです」と実際に2分間のシーンとなるよう、何度も撮り直しがあったことを紹介。⿃越は「僕、『本当にループを抜け出せへんねや』という実体験をずっとしているような感じでした(笑)」と笑い、中川は「芝居が良かったかどうかじゃないんですよね。『良い芝居できた!』と思っても、2分を超えてたらだめだから、判断してるのは監督じゃなくて時計なんですよ!」と続いた。

 「こんな2分だったら永遠に繰り返してもいいという“理想の2分”はあるか」という話題では、⿃越が「僕はずっと貴船神社を参っていたい。それくらい本当に良い場所なんですよ。⼈間がリセットされる感じ」と語り、近藤は「⼀⽇の最後に⼊るお⾵呂が⼤好きなので、お⾵呂に⼊った瞬間にすべての幸せを感じるんです」と⾔い、⼊浴中にタイムループに突⼊した劇中のスギヤマを羨んだ。そして藤⾕は「私は本当に、⼆度寝が好きで、わざわざアラームをそれこそ2分おきにかけて⼆度寝し続けるぐらい⼤好きなので、⼆度寝の2分を⼀⽣繰り返したい」とにんまり。旅⾏が⼤好きだという⼭⼝監督は「⾏きたかったホテルに⾏って、部屋に最初に⼊って、『ふぅ』ってなる時あるじゃないですか。ベッドにとりあえず腰掛けるみたいな。あれ」と思いを馳せ、中川はハマっているドラマのオープニング曲とエンディング曲をずっとループしていたい、と語りつつ、「皆さんにとって、この『リバー、流れないでよ』のくるりさんの『Smile』という曲がそうなったらいいな」とまとめた。

 最後にキャストそれぞれがコメントを求められた場⾯では、藤⾕が「つい数ヵ⽉前までは、こんなふうに皆さんの前に⽴つどころか、皆様に観ていただくことすら諦めかけていたくらい、こんな世界線があるなんて思ってなかったくらいだったものですから、今こうやって皆さんに『リバー、流れないでよ』をお届けできることが本当に本当に幸せでたまりません。ここで終わりではなくて、今ここにいらっしゃる皆様に、もっと良いご報告だったり、素敵な話をお届けできるように、これからも頑張りますので、引き続き応援していただけると嬉しいです」と改めて感謝。
 ⿃越は「10年に⼀度の⼤寒波もあって、撮影が中断になったりもしたんですけれども、現場で上⽥(誠)さんがその場に応じて脚本を書き換えながら、奇跡のような作品になっています。誰も真似のできない作品になっています。仲良くない友達を連れていっても、もしかしたらこれを観た後、奇跡のように仲良くなったりするかもしれない奇跡が詰まっていると思いますので、ぜひ口コミをよろしくお願いします」と呼びかけた。
 中川は⾃⾝のこれまでの俳優活動を思い返しながら、「街を歩けなくなるかも」「⼈⽣変わるかも」と思えるほどの⾃信作に巡り合いながらも、今までは⼈⽣が変わらなかったと告⽩。その上で、「僕らヨーロッパ企画は今年で25周年。この『リバー、流れないでよ』は、僕らにとって本当に⼈⽣を変えるくらいの熱を持って作って、ひょっとしたらそうなるんじゃないかと思うくらい、僕らは⾯⽩いものができたと思っています」と胸を張った。
 近藤は「みんながトラブルに巻き込まれながらも、それでも『前に進もうよ』と戦っている姿を⾒ていました」と本作が公開に⾄るまでの紆余曲折を回顧。「6⽉公開は決まっていたので、そこに合わせて絶対公開しなきゃいけないんだけれども、みんなのスケジュールもなかなか合わなかったりとか、いろいろなことがあったりして」と語り、「僕は髭を⽣やしていたんですが、違う撮影が⼊っていて、どうしても髭を落とさなきゃいけなくて。それもメイクさんの⼒で髭を⽣やしていただきました。映像で⾒ても全然分からないと思うんですけれども、本当にスタッフ・キャストが⼀丸となった作品です」と⼒を込めた。
 ⼭⼝監督は「⾮常にニッチな作品であるとは思っているんですけれども、世界に向けて放っても⾃信を持てるようなエンターテインメント作品だと思って、僕らは⾼い志も忘れず、でもインデペンデントの魂も忘れず、というような感じでずっとやってきております」とヨーロッパ企画の姿勢を伝え、「これはたぶんリメイクすることも難しいような、唯⼀無⼆のタイムループ作品が出来上がったと思っております。最初に⽬撃していただいた皆様には、数年後に⾃慢していただけるような機会にできればと思って、これからこの映画を⼤きくしていこうと頑張っていきますので、これからも応援のほど、よろしくお願いできれば幸いでございます。本⽇はどうもありがとうございました」と⼒強く締めくくった。

 なおこの⽇は⽇⽐⾕以外にも、東京と京都で舞台挨拶を開催。下北沢トリウッドには、藤⾕、諏訪 雅、中川、⼭⼝が、ヨーロッパ企画のお膝元である京都シネマには、⽯⽥剛太、酒井善史、永野宗典、原案・脚本の上⽥ 誠が、そして彼らの事務所“ヨーロッパハウス”にほど近い京都・⼆条のTOHO シネマズ⼆条には、⽯⽥、酒井、永野、上⽥のほか、旅館の⼥将キミを演じた本上まなみも登壇した。全ての会場も満員御礼が続出!

下北沢トリウッド
下北沢トリウッド
京都シネマ
TOHO シネマズ⼆条
TOHO シネマズ⼆条

 24⽇以降も全国各地でヨーロッパ企画メンバーの舞台挨拶ツアーを実施する。

 登壇者:藤⾕理⼦、⿃越裕貴、中川晴樹、近藤芳正、⼭⼝淳太監督

 (取材・⽂・撮影:⼭⽥健史)

公開表記

 配給:トリウッド
 全国順次公開中!

(オフィシャル素材提供)

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