『ウムイ芸能の村』が6月6日よりドイツで開催されたニッポン・コネクション日本映画祭にノミネート、上映された。当日は本作出演者による獅子舞や琉球舞踊の実演も行われた。
また、6月27日には沖縄県那覇市の桜坂劇場にて『ウムイ芸能の村』の沖縄試写会が実施された。
小さな村の文化を残す試みが、映画を通して徐々に発信され始めている。
また、著名人からのコメントも新たに到着した。
沖縄県宜野座村の獅子舞、舞踊が海を越えドイツでお披露目!
沖縄での凱旋試写会も開催
映画『ウムイ芸能の村』が、ドイツ・フランクフルトで開催された第23回ニッポン・コネクション日本映画祭に選出され、上映に加えて特別公演を行った。
上映当日はダニエル・ロペス監督、小越友也プロデューサーの登壇に加えて、本作の顔とも呼べる獅子舞と琉球舞踊のチームも登場。創作エイサーLUCKの浦崎直史さんと島袋拓也さんによるいきいきと動き回る獅子舞に会場は大盛り上がり、さらに宮城流豊舞会の宮城小寿江さんと仲地彩葉さんが「四つ竹」「浜千鳥」の二演目を披露。ニッポン・コネクションではさまざまなイベントが実施されてきたが沖縄の伝統芸能は初ということもあり、スクリーンを飛び出した演舞に観客は釘付けとなった。
6月27日には沖縄凱旋を果たしたロペス監督が桜坂劇場で行われた特別試写会に登壇。
まずは沖縄公開が決まったことへの感謝を述べつつ、話題は制作秘話へ。「この作品が制作される経緯としてはコロナによって活動が縮小されつつあった村の伝統芸能を映像で残すプロジェクトがきっかけでした。そしてベテランたちの技や若い世代の芸能への想いに触れるうちに作品の骨格が出来上がってきた」と監督は明かした。
印象的な思い出として「撮影を通してまさしく獅子舞が厄災を払い除ける村の守護神のように感じ、作品の成功には村に引き継がれてきたさまざまな想いや積み重ねがあった」と監督は語った。
『ウムイ芸能の村』は沖縄では7月8日より桜坂劇場にて、東京では7月15日より公開。両会場とも初日、二日目には監督とゲストを迎えた舞台挨拶やイベントが予定されている。
映画へのコメントも続々到着!
ゴリ(ガレッジセール)
生きる苦しみを歌で紛らわせ、踊って発散し、人力の届かない部分は神に頼る。そのように生きてきた先祖が書き残した日記のようなものが「伝統芸能」になったように思う。生きていく知恵、皆で助け合う大切さ、どうしようもできない自然の力。我々に命をつないでくれた祖先から生きる真理を学び、感謝し、それを次に繋げる。沖縄だけでなく、世界中で行われていること。それを絶やさぬようにするのがこれからの課題。大人と子どもの優しいやりとり、芸能に真摯に取り組む村人たちの生活に見惚れ、あっという間に時間が過ぎた。ここまで村に溶け込んだ監督に頭が下がります、とても良い映画でした。
金子 遊(批評家・映像作家)
スイスからきた映像作家が敬意をもって記録する、沖縄の芸能伝承者たちの思い。宜野座村の人たちと協働して撮られた、繊細な映像設計にうならされる。映像人類学や民族誌映画としても、価値のある作品になっている。
映画祭歴
受賞
東京ドキュメンタリー映画祭2022文化人類学部門グランプリ(宮本馨太郎賞)
ノミネート
フランス・第12回映画における民族と音楽
カンボジア・第12回カンボジア国際映画祭
ドイツ・第23回ニッポン・コネクション日本映画祭
エストニア・第37回パルヌ国際ドキュメンタリー映画祭
オフィシャル・サイト(外部サイト)
Twitter:@umuicinema
公開表記
配給:ムーリンプロダクション
7月8日(土)より沖縄・桜坂劇場先行上映、7月15日(土)より東京・ポレポレ東中野ほか全国劇場公開
(オフィシャル素材提供)