イントロダクション
世界の果ての通学路』製作チームが贈る、感動の教室ドキュメンタリー!
通学路は最長で片道22km、象に襲撃されても、車いすが壊れても、学ぶことが好きだから学校に通う。ケニア、アルゼンチン、モロッコ、インドの小学生の驚くべき登校風景をカメラに収め、日本でも大ヒットした『世界の果ての通学路』(12)の製作チームが、今度は世界の果ての先生に注目した。舞台になるのは、3ヵ国の学校。ソーラー発電はあっても、水道とガスはなく、スマホの電波も途切れがちなブルキナファソのティオガガラ村。シベリアの雪原で伝統的な遊牧民生活を送るエヴェンキ族のキャンプ地。年の半分は洪水で土地が消えるバングラデシュのスナムガンジ地方の農村。
どこも学校へ赴任するだけでも一苦労の僻地ばかりだが、「子どもたちには明るい未来がある」と、3人の先生は熱意、工夫、根気で教壇に立つ。相談相手になる同僚はおらず、時には無理難題を吹っかける保護者も相手にすることもある。孤立無縁の状況に心が折れかける先生を救うのは、日々進化する子どもたちだ。日に日にわかることが増えて、自信に満ちた笑顔を見せるようになってくる。言葉が分からなくて悔し涙を流した少年も、結婚を強制する親とケンカして進学を選んだ少女も、宿題を忘れて下を向く兄弟も、みんな先生が大好きなのだ。
貧困や児童婚、消えゆく伝統の継承……
子どもたちの運命を変えるために、先生ができること
1億2,100万人。これは就学費用がない、近くに学校がない、学校に先生がいないなど、さまざまな理由から学ぶことのできない子どもたちの数だ。教育を受けられずに、読み書きができない非識字者は約7億7300万人(世界の15歳以上の7人に1人)もいる。義務教育就学率99. 96%の日本からすると、信じられない数字だろう。この問題を解決するために教育後進国ではさまざまな政策が実行されている。
3人の先生の奮闘を見守るのは、前作『MON MAITRE D’ECOLE』で、定年退職間近の恩師ジャン=ミシェル・ブレル先生の風変わりな授業を記録したドキュメンタリー作品で高評価を得たエミリー・テロン監督。監督本人や教え子に影響を与えてくれた恩師のように、世界のどこかで希望の種を植える先生に密着するプロジェクトは、教育支援団体やジャーナリストなどの協力を得て実現した。キャスティングの条件は意外性に満ちた教室であることと、情熱的に子どもたちに向き合う女性教師だった。
識字率アップが国家の使命であるブルキナファソでは、国立初等教育学校を卒業したばかりの新人教師20名から、2人の子を持つ母でもあるサンドリーヌ・ゾンゴを。バングラデシュ北部のボートスクールで働く7人の女性教師の中から、子どもや女性の権利を守るために粘り強く闘う若きフェミニストのタスリマ・アクテルが。広大なシベリアに暮らす遊牧民、エヴェンキ族の研究者から紹介されたのは、現役の遊牧民であり伝統の消滅を危惧するスヴェトラーナ・ヴァシレヴァと、彼女たちが直面する困難も個性も職歴は三者三様。子どもたちに広い世界を知ってほしいという情熱を共有する3人は、家族と離ればなれになっても、両親から反対されても、「子どもたちには明るい未来がある」と、信じる道を進み続ける。
そして修了式。壁のない教室に、キャンプに、ボートに教室に奇跡の時が訪れた。達成感に満ちた3人の先生と子どもたちの笑顔に、いつかの自分を思い出す感動の教室ドキュメンタリー。この瞬間も世界のはしっこでたくさんの夢が育っている!
(原題:Être prof/英題:Teach me If you can、2021年、フランス、上映時間:82分)
キャスト&スタッフ
監督:エミリー・テロン
製作:バーセルミー・フォージェア
ナレーション:カリン・ヴィアール
出演:サンドリーヌ・ゾンゴ、スヴェトラーナ・ヴァシレヴァ、タスリマ・アクテル
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
提供:ニューセレクト
ギャラリー
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公開表記
配給:アルバトロス・フィルム
7/21(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
(オフィシャル素材提供)