7月15日(土)、『丸木位里・丸木俊 沖縄戦の図 全14部』が公開初日を迎え、「沖縄戦の図」が収められている沖縄の佐喜眞美術館に20回以上足を運び、「沖縄戦の図」に向き合った元NHKディレクターの河邑厚徳監督が舞台挨拶に登壇し、8月の終戦記念日を前に、本作に込めた想いを語った。
初日の舞台挨拶に登壇した河邑厚徳監督は、劇場一杯のお客様の前で、「今日初めて本土でこの映画が上映されました」と感無量の様子。
冒頭監督は、本作が取り上げている「沖縄戦の図」全14部について、「丸木夫妻は、戦争だとか人類が残したいろいろな罪を絵にした上で、『最後に描かなきゃいけないものは何か。沖縄戦を描かないと自分たちの人生は完結しない』と、沖縄戦の図を6年かけて完成させました。沖縄の戦争が起きた場所を自ら歩いて、沖縄と共同して制作した絵です」と説明。
「沖縄戦の図」全14部についてのドキュメンタリー映画を作った理由については、「アート・芸術というのは、時空を超えたものだと思うんです。描かれたのは1945年に起きた出来事を中心に描かれていますが、戦争がどういうものかという本質は変わらないわけです。今まさに日本が戦争に一歩片足を踏み出している状態の中で、平和の意味や戦争が起きるとどういうことが起きるのかということを皆さんと共有したいと思って、この映画を作りました。過去のものではなくて、今現在、それからどういう未来を作っていくかというテーマに向かって、作ってきました」と話した。
「沖縄は素晴らしい南の島ですから、全国から沖縄には学生や家族を含め、行く方が多いと思うんですが、その時半日でもいいから佐喜眞美術館に行って、あの絵を見ていただければ、改めて沖縄から未来の平和への発信が始まるのではないかと思います」と沖縄に沖縄戦の図がある意義についても言及。
最後に、「この映画の内容は、決して古くなることではないし、若い人たちにも次々と観ていただきたいです。戦争の意味、平和がいかに尊いか、戦争が起きたらどういう形で人間が破壊されていくかということが伝わると思います」と熱いメッセージを送った。
登壇者:河邑厚徳監督
公開表記
配給宣伝:海燕社、アルミード
沖縄にて先行公開中
7月28日(金)までポレポレ東中野にて公開中
8月1日(火)~8月6日(日) 東京都写真美術館ホールほかにて公開
(オフィシャル素材提供)