2021年に『春原さんのうた』が第32回マルセイユ国際映画祭でグランプリを含む3冠を獲得し、その後もサン・セバスチャン国際映画祭、ニューヨーク映画祭、釜⼭国際映画祭など世界各地の主要な映画祭を巡り、国内外で評価の⾼まりを⾒せた杉⽥協⼠による待望の⻑編4作⽬にして12年ぶりのオリジナル作品『彼⽅のうた』(英題:Following the Sound)が、この度、第80回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部⾨に選出された。このニュースに合わせ、海外版ポスタービジュアルとスチール、キャスト情報が解禁となった。
⻑編デビュー作以来12年ぶりのオリジナル作品
出演に⼩川あん、中村優⼦、眞島秀和
今作『彼⽅のうた』は、短歌を原作として製作された『ひかりの歌』『春原さんのうた』を監督してきた杉⽥協⼠にとって、デビュー作『ひとつの歌』以来の12年ぶりのオリジナル作品となる。助けを必要としている⾒知らない⼈のことを思い、⼿を差し伸べ、丁寧に関係を築いていこうとする書店員の主⼈公・春を演じるのは⼩川あん。そして、春が⾃分⾃⾝と向き合うきっかけとなる雪⼦役に中村優⼦、剛役に眞島秀和。そして、飯岡幸⼦(撮影)、⼤川景⼦(編集)、⻩永昌(⾳響)、スカンク/SKANK(⾳楽)と、これまでの杉⽥作品を⽀え続けるスタッフが集った。製作はねこじゃらし、配給はイハフィルムズが⼿掛ける。
杉⽥協⼠監督、初のヴェネチア国際映画祭への正式出品
海外版ポスタービジュアルとスチールを解禁
ヴェネチア国際映画祭は世界最古の映画祭として知られ、ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭と並び、世界三⼤映画祭の⼀つとして知られている。
本作が出品されるヴェニス・デイズ部⾨は、⾰新性や探究⼼、オリジナリティ、インディペンデント精神などにあふれた作品がセレクションされるコンペティション部⾨。第80回を迎える今年のヴェネチア国際映画祭はイタリア時間での8⽉30⽇から9⽉9⽇まで⾏われ、杉⽥監督も出席予定。
今回のニュースに併せ、監督、キャストからのコメントも届イた。杉⽥監督は「『彼⽅のうた』の脚本に書かれたすべてのシーンを撮り終えた⽇、この映画にはもうひとつのシーンがあると気づきました。皆さんと過ごした撮影の⽇々がそのことを最後に教えてくれました」とコメント。主演の⼩川あんは「4年前。俳優をやめていた時に、また映画のひかりを⾒つけられたのは、杉⽥さんの映画を⾒たからでした」と杉⽥監督への想いを語り、中村は「撮影でお世話になったお⼀⼈おひとり、お顔の⾒える⼿作りの作品が、軽やかに海を超える奇跡。映画って素敵です」、眞島は「現場では杉⽥監督の世界観で、独特な杉⽥時間が流れているんです。演出していないようでしているような、カット割を決めていないようで決めているような、そんな優しい時間が流れています」と撮影時を述懐した。
コメント
杉⽥協⼠監督
『彼⽅のうた』の脚本に書かれたすべてのシーンを撮り終えた⽇、この映画にはもうひとつのシーンがあると気づきました。皆さんと過ごした撮影の⽇々がそのことを最後に教えてくれました。⾒返すたびに、どうしてこのような瞬間を残すことができたのだろうと⼼が震わされます。そこに⾄ることができたのは、⼩川あんさん、中村優⼦さん、眞島秀和さんをはじめとした出演者の皆さん、スタッフの皆さんが、楽しむことも迷うこともただそのままに、ありのままにそこに⼀緒に居続けてくれたからだと思います。それは信じるということだったと思います。そうして完成したこの映画がヴェネチア国際映画祭で上映されることをとてもうれしく思います。これから多くの⽅々にこの作品に出会ってもらえるように、ひきつづきがんばってまいります。
⼩川あん
4年前。俳優をやめていた時に、また映画のひかりを⾒つけられたのは、杉⽥さんの映画を⾒たからでした。『彼⽅のうた』に出演することができて、とても幸せです。作品に関わっている全ての皆様、国を超えて⾒つけてくださった皆様、物語の中に⽣きてるみんなも、本当にありがとうございます。
ヴェネチアからはじまり、多くの⽅に『彼⽅のうた』が届きますように。
中村優⼦
杉⽥さん、おめでとうございます。
『彼⽅のうた』の⻑い旅が、美しいヴェニスより始まる幸運に⼼から感謝いたします。
撮影でお世話になったお⼀⼈おひとり、お顔の⾒える⼿作りの作品が、軽やかに海を超える奇跡。映画って素敵です。
眞島秀和
杉⽥監督とは約20年ほど、⾃主映画仲間としての付き合いがあります。
今回久しぶりにお会いして、あの頃と変わらずというか、ますます思慮深く穏やかな、どこか少年のようなところはそのままの杉⽥監督でなんだか嬉しくなったことが印象に残っています。
現場では杉⽥監督の世界観で、独特な杉⽥時間が流れているんです。演出していないようでしているような、カット割を決めていないようで決めているような、そんな優しい時間が流れています。
そんな杉⽥作品が多くの⽅に触れる機会が訪れたこと、とても嬉しく思っております。
ヴェネチア国際映画祭への参加、おめでとうございます。
杉⽥協⼠(すぎた きょうし)監督 プロフィール
東京都出⾝。
『ひとつの歌』(2011)、『ひかりの歌』(2017)がそれぞれ東京国際映画祭などへの出品を経て劇場公開。『春原さんのうた』(2021)が第32回マルセイユ国際映画祭にてグランプリを含む3冠を獲得、第70回マンハイム=ハイデルベルク国際映画祭ではライナー・ヴェルナー・ファスビンダー賞特別賞を受賞し、他にもサン・セバスチャン国際映画祭、ニューヨーク映画祭、釜⼭国際映画祭、サン・パウロ国際映画祭、ウィーン国際映画祭、FICUNAM、⾹港国際映画祭など世界各地の主要な映画祭を巡り、2022年に劇場公開。第36回⾼崎映画祭にて最優秀監督賞受賞。今作が⻑編4作⽬となる。
オフィシャル・サイト(外部サイト)
『彼⽅のうた』公式SNS:https://twitter.com/kanata_no_uta(外部サイト)
Roadstead 公式サイト:https://roadstead.io(外部サイト)
公開表記
制作プロダクション・配給:イハフィルムズ
2024年劇場公開予定
Web3時代の動画配信プラットフォーム「Roadstead」にて独占配信予定
(オフィシャル素材提供)