イベント・舞台挨拶

『バラシファイト』初日舞台挨拶

©K-Entertainment

 映画『バラシファイト』の初日舞台挨拶が、7月28日(金)に東京・TOHOシネマズ池袋にて開催され、主演の小澤雄太(劇団EXILE)をはじめ、共演の寺坂頼我、濵尾咲綺、石崎なつみ、外岡えりか、長戸勝彦、福井博章と、開沼 豊監督が登壇。また、MCは本作のプロデューサーであり、劇中にも出演している浅野寛介が務めた。

 本作は、公演後に劇場内を現場復帰する撤収作業「バラシ」にスポットを当てた、撤収作業×アクションの舞台裏バトルエンターテインメント。バラシは舞台に関わるスタッフたちにとって最も危険が伴い、集中力を要し、常に時間との戦いを強いられている……。「演劇」に関わるすべてにリスペクトを込めた物語であり、放送作家・演出家の開沼豊監督の映画デビュー作であり、アクション監督にシェイン・コスギを迎えた本格アクション映画だ。

 公開初日を迎え、小澤は「やっと公開を迎えることができました!」と晴々とした笑顔を見せ、「公開できたこと、皆さんにも感謝します。公開すること自体がすごく大変なこと。劇場に並ぶ激戦区のラインナップの真ん中に『バラシファイト』(のポスター)がドーンと入ってます(笑)」と胸を張る。

 MCから「その気持ちを5文字で表すと?」と振られ、少々緊張ぎみの浅野をいじりながらも、「(公開は)すばらしい!」と答えた小澤。同じく、寺坂が「ありがたい!」と続けると、監督はなぜか「カレーライス」と自信満々に回答。その理由を「(カレーライスは)毎日食べても飽きないでしょ?」と述べ、会場から温かい拍手が送られた。それでも、「初監督で初めてのコメントが“カレーライス”って……」と苦笑いし、会場の笑いを誘っていた。

 また、個性豊かなキャラクターが揃う本作だが、演じるうえで意識したことを問われると、外岡は「基本的に夫婦のやり取りのシーンだったのですが、会話ではなくて全部文章でのやり取りで。言葉を発せない分、表情や雰囲気で見せられたらいいなと思って臨みました」と話し、石崎は、「小森は“バラシファイト”に参加する目的がみんなとは違っていて、師匠と巴川さんだけを見ているので、他の人に感情がわからないようにしつつ、意思を持ってるという塩梅を意識しました」と、コメント。

 寺坂は「本当に皆さん“この子、バカだな”って思っていただきたい、愛していただきたいっていう思いがありました。監督から『とにかく、言ってることは無茶苦茶だけど、真剣に熱量も込めてやれば面白くなるから』って言っていただいたので、それを信じて演じました。とにかく言葉遣いがよろしくないのですが、言い慣れていないなと思われないように気をつけました」と、真摯に臨んだ様子。

 小澤も「冒頭10分くらいで発狂していたもんね。あんなに打ち上げ行きたい人はなかなかない(笑)。素晴らしかった」と寺坂の熱の入った演技を称えると、寺坂も「他にはないセリフで楽しかったです」とにっこり。

 小澤は「それよりもね」と前置きをし、「僕が言いたいことはですね、これだけね素晴らしい映画の公開日に煌びやかな衣装じゃなくて、みんな役衣装で真っ黒。これどう思います? 僕の奥さん役の外岡さんは家から出てきたような……」と自虐したが、「でもそれが本当に味が出ていいなって」と、本音はまんざらでもないようだった。

 役については、「健一という男は、過去に引きずられ、未来になかなか目を向けられない中、自分が自分のことを見つめ直して、皆や奥さんに背中を押されていくんです。みんなで感謝の言葉を伝え、本当にスタッフさんにリスペクトを込めた作品なので、自分が普段あまり口に出さずにしている感謝の気持ちを、この映画に込めました」と思いの丈を口にした。

 濱尾は「打ち上げにすごく憧れを持っている役なので、最初の方はとにかく楽しみにしている気持ちを大切に演じました。私だけ“バラシファイト”の存在を知らないので、アクション・シーンがないんです。皆さんのアクションをかっこいいなと思いながら、『こんなこと、聞いてないよ!』という気持ちで震えていました(笑)」と語る。

 長戸は「僕は美術家の役ですが、開沼さんとは舞台のほうで何作かやらせていただいていて。監督と『舞台の美術はあの人ですかね?』とか言いながら(笑)、役作りをさせてもらいました、1年前の話ですよ」と、ほくそ笑む。

 福井は「私は、前半はちょっと胡散臭いプロデューサーで、後半ちょっとラスボス感がある。だから、前半に胡散臭さをいっぱい出して、後半ちょっとカッコ良く、狂気が出たらいいなと思って」と照れ臭そうに話すと、小澤が「終始カッコ良かったですよ」と笑顔を向けると「ありがとうございます」と、恐縮しきり。

 撮影時には、それまで準備してきたが直前になって変更になることも。短い時間で撮りきらないといけない時間との闘いもあったようだが、小澤は「アクションの稽古をずっとしてきたんですが、全然違う立ち回りが2日前くらいに動画で送られてきた」と言えば、寺坂は「アクションもお芝居も、2回くらいやったらOKが出て。それにだいぶカットもされちゃったんですよ」とこぼすと、思わず監督が「ごめんなさいって言えばいいのかな?」と平謝りし、会場を沸かす。

 小澤は「監督が『キレイな手とかいらない』っていうんです。膝蹴りとか妙な形だしね。なんだか『バラシファイト、リアルバージョン』というのがもう1つ出そうですよね(笑)」と、リアルを追求した作品作りに言及も。

 それでも、コロナ禍のなか、笑顔を忘れず楽しく撮影に臨んだ彼ら。監督は、「30代とか20代ときは、偉い人との飲みでも適当に飲んでたんすよ。でも、40歳を過ぎたときに、こういう方々と飲めるのって大事だなと“飲み会”の大事さみたいなものが分かり始めたんです。コロナになって飲む機会がなくなってしまい、打ち上げはお疲れ様でしたを言う場なんだと改めて感じたことがきっかけですね。あんまり覚えてないけど(笑)」と、照れ臭そうに話し、「台本や脚本を書くときは、自分がお客様や俳優やスタッフの皆さんに僕の思っていることをお手紙で送る意識でいます。その思いがたぶん詰まっているはずです。その思いを受け取っていただけたら」と伝えた。

 最後に、監督は「この作品を編集のたびに何度見ても楽しかった。いろいろなところで感動したり、笑ったり。何度観ても見え方が変わって違う楽しみ方ができると思います」とアピール。小澤は「コロナが明けると信じて、希望をもってこれからもっと楽しいことしよう、みんなで日本全体を盛り上げていこうと思える作品になればいいなと思って、一生懸命作った作品です。でも、観てくださる人がいないと映画はすぐ終わってしまいます。この映画を観て、明日から頑張ろうと少しでも思っていただけたら、どんどん拡散していただいて、未来に繋げていきたいと思っています。よろしくお願いします」と、メッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。

 登壇者:小澤雄太(劇団EXILE)、寺坂頼我、濵尾咲綺、石崎なつみ、外岡えりか、長戸勝彦、福井博章、開沼 豊監督
 MC:浅野寛介(プロデューサー)

公開表記

 配給:kys STUDIO TOKYO
 2023年7月28日(金) 全国公開

(オフィシャル素材提供)

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