映画やドラマで俳優として活躍する一方、監督やプロデュース業でも多彩な才能を発揮している齊藤 工が監督を務める映画『スイート・マイホーム』が全国公開中。ついに全国公開を迎えた本作を祝して、9月2日(土)、公開記念舞台挨拶を開催! 齊藤 工監督と、蓮佛美沙子、奈緒、窪塚洋介が登壇し、ケガで静養中の主演・窪田正孝も、リモート出演で参加した。
この日のイベントは映画上映後に実施。衝撃的なクライマックスの余韻が場内に広がる中、ステージに登壇した蓮佛は「朝早くからありがとうございます。皆さん、映画をご覧になっていただいた後ということで、すごくドキドキしています」と挨拶すると、「特に今回はホラー・ミステリーと言われているので、わたしのまわりにも怖いから観られないかもと言っている人がいました。でもこれは監督が言っていた言葉なんですけど、この作品は年齢制限がないので、子どもから大人まで楽しんでもらえる作品だということで、『STAND BY ME ドラえもん』と同じような映画なんだと。ですから、もし皆さんのまわりにちょっと敬遠している方がいらっしゃったら『いやいや、齊藤監督がドラえもんと一緒だと言ってたよ』とお薦めして、この映画の輪を広げていってください」と冗談めかしたコメントを付け加え、会場を沸かせた。
続く奈緒は、満面の笑みで「皆さんご機嫌はいかがですか? わたしたちは映画が公開されて、皆さんに観てもらえて、朝からすごくご機嫌です! 今日はこの後に、主演の窪田(正孝)さんが今日限りのスペシャルというか、(スクリーンいっぱいの)すごく大きいサイズで登場してくださる予定ですので、お顔がすごくよく見えると思います。楽しみにしてください(笑)」と観客にメッセージ。それを聞いた窪塚が「こんなにもみんなを、(映画で)重い気分にさせたのに、『ご機嫌いかがですか?』というのはステキな挨拶だなと思いました」と感心した様子で続けると、「2021年の7月3日に、齊藤監督とやり取りをしたLINEが残っていましたが、それからずいぶん時間がたったなと。そしてやっとこの日を迎えることができて。あまりやったことのないタイプの役だったので、不安もあったんですけど、本当に齊藤監督に委ねて。人という字みたいに、寄りかかるような形でやらせていただきました。今日は皆さんに観ていただけて幸せです」としみじみと語った。
そして最後に齊藤監督が「足かけ4年。企画のゼロ段階からだともっと長い時間がかかりましたが、その間にも世界は変動し、今は落ち着きを取り戻したようで、そうでもないような、波乱の時代であるような気がします。この作品に宿る魔性のようなものに関わり続けて。昨日から公開されることになって。偶然から必然にたどり着いたような気がします。映画は観てもらうことで完成するものだと思っていますので、今日は観てくださってありがとうございました」と観客に呼びかけた。
主演の窪田は、頸椎(けいつい)剝離骨折のためにこの日はリモートで参加することに。スクリーンいっぱいに映し出された窪田の顔に、登壇者たちからも「とてつもなくデカい」「進撃の巨人みたい」などと続々ツッコミが入り、会場は大笑い。その様子に笑顔を見せた窪田は「今日という大切な日に舞台挨拶に伺えなくて……」と無念そうに語るも、窪塚から「元気?」と声をかけられると「元気です」と笑顔で返答。登壇者たちから口々に「良かった!」という声が飛び交うなど、温かな雰囲気が会場を包み込んだ。
そしてあらためて初日を迎えた喜びを尋ねられた窪田は、「本当に4人の皆さんに助けてもらって。この時間を皆さんと共有できたことがすごくしあわせでしたし、本当に役者冥利(みょうり)に尽きる時間だったなと思います」と晴れやかな表情。窪田は、兄役の窪塚のことを“洋介兄さん”と親しみをこめて呼んでいるようで、和気あいあいとした雰囲気。齊藤監督も「本当にこの二人のことを、兄弟として見てみたかったんです」と念願だったというキャスティングについて語ると、窪塚も「本当に現場でも弟、兄として違和感なくいられたというか。自然でいられる間柄だった。それは齊藤監督の采配もあってできたこと。最初から波長が合ってましたね」としみじみ。
そしてあらためて撮影を振り返った窪田は「現場の時間は、もちろんお芝居に没頭している時間というか。すごく楽しいというか、幸せな時間でした。でもそこにはいい意味での怖さもあって。わが家なのに、全然わが家のような感じがしなかったり。そういう違和感がむしろ心地よくなって。芝居ではない時間で皆さんと話していた時も、その時間がすごく有意義で。この作品で出合えたご縁というのは、自分にとっても財産だなと思います」と晴れやかな表情。窪塚も「すごくアットホームな現場だったよね。俺も途中でホラー・サスペンスを撮っているんだということを忘れることもあった」と語ると、齊藤監督も「子役の方が多く出演してくださっていたんで、現場は子役ファーストというところはありましたよね」と振り返った。
そしてそれは蓮佛も同じ意見だったようで、「ここにいらっしゃる皆さんは、本当に優しい人しかいないという現場で。正さん(窪田)がかもし出してる空気感もそうですし。わたしは個人的に正さんの“ありがとう”の言い方に感激していて。例えば誰かにものを取ってもらった時とか、メークさんにメークを直してもらった時とか、いろいろな場面でわたしたちが反射的に言っている“ありがとう”を、正さんは本当に心から“ありがとう”と思って言っていて。わたしはそれに感動してしまって、見習わなきゃないけないなと思っていました。だからなんでこんな優しい人たちと、こんな映画を撮っているんだろうというのが逆にクラクラするくらい、心が浄化される日々でした」と述懐。
さらに奈緒が「本当にこの現場で優しくなれたのは腸のおかげだと思っていて。監督が最初にオリジナルの腹巻きをプレゼントしてくださったんですよ。わたし、それをつけて現場に行くと、おなかがあったかいので、すごく優しい気持ちになるんですよ」と振り返ると、齊藤も「いわゆるスタッフTシャツみたいな形で。僕は何より、皆さんの腸を守りたかったんです」とその思いを吐露。奈緒も「日本で一番腸内環境がいい現場でした」としみじみ付け加えた。
そんな窪田に向かって齊藤は、「僕は最初から窪田さんが演じてくださるなら、この原作を実写化する意味、価値が生まれると思って、そういった条件として出させていただいたんです。ほぼ立ち上がりから今日まで、窪田さんが寄り添っていただいたおかげでひとつのゴールを迎えることができた。それは本当にうれしいですし、心から感謝しています。今日も(お怪我をされても)こういう(リモートの)形で作品に関わってくださって。窪田さんの心根に救われ続けています。責任感が強い方なので、どうか軽やかに過ごしていただいて、また現場でお会いできることをスタッフ、キャストともに願っております。軽やかに再会しましょう!」とメッセージ。
その言葉を聞いた窪田は、あらためて会場に向かって「皆さん映画はいかがでしたか?」と尋ねると、大きな拍手が。そして、本作のキャスト、スタッフ陣との時間は家族と過ごすような安心感があり、役者としての成長をもたらしてくれた、ということをせつせつと語った窪田は、「財産として残るものというのは、人とのつながりなんだなと感じられましたし、僕にとっても生涯忘れられない作品になりました。公開して間もないですけど、ひとりでも多くの皆さんに、工さんの想いが届けられたらいいなと思います」とメッセージを送った。
登壇者:齊藤 工監督、蓮佛美沙子、奈緒、窪塚洋介、窪田正孝(リモート出演)
公開表記
配給:日活・東京テアトル
絶賛公開中
(オフィシャル素材提供)