新日本プロレス創立50周年を記念して製作されたドキュメンタリー映画『アントニオ猪木をさがして』の一周忌先行上映が10月1日(日)に都内映画館で実施され、プロレスラーの棚橋弘至、オカダ・カズチカ、海野翔太が参加した。
2022年10月1日に79歳で惜しまれつつこの世を去ったアントニオ猪木。その一周忌をしんみりと偲ぶのではなく、大いに盛り上げるべく、棚橋ら3選手は映画館とは思えぬ試合入場スタイルでステージ入りした。
海野選手は入場曲「shooter」を、棚橋選手は入場曲「LOVE&ENERGY」を、オカダ選手は入場曲「RAINMAKER」をそれぞれ大爆音で響かせて登場。客席通路を花道代わりに練り歩き、詰めかけたファンにたっぷりとアピール。拍手喝采となった。
新世代レスラーの海野は「僕は猪木さんと接点がない分、オファーを頂いときは自分で大丈夫なのか?という不安があった。でも猪木さんを知らない世代代表として猪木さんやプロレスのことを広げるきっかけになるのではないかと思った」とオファー快諾の理由を回想。猪木を敬愛する棚橋は、出演オファーについて「僕しかいないだろうと思った」と胸を張り、「いろいろな姿の猪木さん像を持ち寄って、猪木さんの人となりを浮き彫りにするのが僕らの仕事だと思った」と責任を持って引き受けた。オカダも「僕も猪木さんを知らない世代ではあるので、この映画を通して猪木さんを知るきっかけになると思った」と出演への胸の内を明かした。
棚橋は猪木の人柄について「入門当時に猪木さんに『お疲れ様でございます』と挨拶をしたら、『疲れてねえよ』と返された。……やべえ、猪木さんカッコいいと思った。それ以来、僕は疲れていない=カッコいいと受け取っています」と影響を明かし「猪木さんは永久電池を作ろうとされたけれど、人々にエネルギーを与え続けたという意味では、猪木さんの永久電池は完成した。猪木さんは人間永久電池。必ずオーラが出ていたから」とリスペクトしていた。
また自ら新日本プロレスの道場に猪木の巨大パネルを設置したことに棚橋は「見守ってほしいという思いが強くなったから」といい、オカダは「気を引き締めて練習をしなければと思った」と襟を正し、海野も「常に猪木さんに見られているような緊張感が自然と生まれる」と写真であっても猪木さんの迫力は衰えてはいないようだった。
海野は本作を通して「素直にカッコいいと思った。この先、猪木さんのような生き方をするレスラーは出てこないと思う。戦い方はまさに闘魂。ストロングスタイル」と猪木の偉大さに触れていた。
猪木といえば、さまざまな名言を残したことで知られる。海野は「猪木さんの言葉はどれも印象深く、それはプロレス・ファンでなくても口ずさめるものが多い」と評しながら『馬鹿になれ』をピックアップ。「カッコつけて恥をかかないように生きる若者も多いけれど、それはもったいないこと。馬鹿になって恥をかいて失敗して初めて大きくなれる。そんなことを猪木さんの言葉を通じで感じました」と実感していた。
棚橋は「1、2、3、ダー!」の「ダー!」が気になるそうで「何故“ダー!”なのか、その答えはいまだ見つからない。多分“あ”の音階は言いやすいんだと思う」と分析し「ちなみに初期の頃は“ダー!”の前に“あ”が入っていました。これはテストに出ますよ」とトリビアを織り交ぜていた。
一方、オカダは猪木との対談時に「猪木さんを超えたいと思います」というオカダの言葉への「どうぞ超えてください」という猪木のリアクションを回想。「やれるものならやってみろ!という意味が込められているのかもしれないけれど、“どうぞ超えてください”と言われたときは“あ、そんなに軽く言うんだ……”とビックリ。忘れられません」と猪木の人柄を表すやり取りを紹介していた。
登壇者:棚橋弘至、オカダ・カズチカ、海野翔太
公開表記
配給:ギャガ
10月6日(金) TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)