この度、スペイン&ラテンアメリカ映画の祭典「第20回ラテンビート映画祭」(LATIN BEAT FILM FESTIVAL 2023)」が東京国際映画祭《2023年10月22日(月)~11月1日(水)開催》の共催企画として開催される。
今年も東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門内にて、「第20回ラテンビート映画祭 IN TIFF」として、5作品を上映する。カンヌ国際映画祭でワールド・プレミア上映され、話題となったペドロ・アルモドバル監督の最新作で西部劇の『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』、ベルリン国際映画祭でエキュメニカル審査員賞を受賞した7歳の少女の物語『Totem(原題)』、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で上映された『犯罪者たち』 、スペインを代表するイザベル・コイシェ監督の最新作であり、サンセバスチャン国際映画祭コンペティション出品作品『ひとつの愛』、サンダンス映画祭で上映された『魔術』のラインナップとなっている。
「第20回ラテンビート映画祭 IN TIFF」のチケットは、10月14日(土)から一般発売開始となる。詳細は東京国際映画祭 公式サイト(https://2023.tiff-jp.net/ja/、外部サイト)をご確認いただきたい。
ラテンビート映画祭 プロデューサー/プログラミング・ディレクター アルベルト・カレロ・ルゴ(Alberto Calero Lugo)コメント
私は30年前、東京藝術大学に留学生として来日しました。大学生だった私は「じぶんで」と「がんばる」をコンセプトに骨の髄まで学びました。日本に来て10年が経った頃、ラテンビート映画祭を開催しました。ゼロから何かを作るには20年もの努力が必要でした。そうして、日本とスペイン(およびポルトガル)、ラテンアメリカとの繋がりを発展させてきました。今年はLBFF20周年を記念して、ピンクとイエローを主役にしたポスターを作成しました。ピンクとイエローは映画祭を象徴するポスターの中で繰り返し使われてきた色です。子猫は私の15歳のルームメイト、ミニちゃん。
第1回LBFFを振り返ってみましょう。オープニングを飾ったのは、ペドロ・アルモドバルの『バッド・エデュケーション』。新人監督たちによる初監督作も上映され、そのひとりはイザベル・コイシェでした。今年、両監督がLBFFに戻ってきます。アルモドバルは男性同士の愛憎を描いた作品で。コイシェは澄みきった険しい山を舞台にした作品で。ロドリゴ・モレノは2006年の初長編作『ボディーガード』に続き、2023年にも法の両側にいるキャラクターを描いています。クリストファー・マーレイは2016年の『盲目のキリスト』に続き、社会的に疎外された人々、今回は植民地化と闘う人々を、原住民の言語で描いています。過去のLBFF作品にも、ケチュア語、グアラニー語、カタルーニャ語、ガリシア語、バスク語の作品があったように。『Totem(原題)』のリラ・アヴィレスのように、LBFFでは女性監督たちが常に存在感を示しており、その数は第1回から増え続けています。タンゴの世界では、20年踊ってもまだまだ、大したことはないと言われます。これまで支えてきてくださった観客と、私たちを迎え入れてくださったTIFFに感謝します。
「第20回ラテンビート映画祭 IN TIFF」詳細
ラテンビート映画祭公式サイト:https://lbff.jp/(外部サイト)
Facebook:https://www.facebook.com/LatinBeatFilmFestival?locale=ja_JP(外部サイト)
X(Twitter):https://twitter.com/LATINBEAT_FF(外部サイト)
Instagram:https://www.instagram.com/latinbeat_filmfestival/(外部サイト)
上映作品
『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』 Strange Way of Life [Extraña Forma de Vida]
監督:ペドロ・アルモドバル/出演:イーサン・ホーク、ペドロ・パスカル、ペドロ・カサブランク
(31分/カラー/英語/2023年/スペイン、フランス)
作品概要:カンヌ映画祭でワールド・プレミア上映され、話題となったアルモドバルの最新作。再会したふたりのカウボーイの愛憎をイーサン・ホークとペドロ・パスカルが演じた西部劇。
『Totem』(原題)
監督:リラ・アヴィレス/出演:ナイーマ・センティーエス、モントセラート・マラニョン、マリソル・ゲイス
(95分/カラー/スペイン語/2023年/メキシコ、デンマーク、フランス)
作品概要:7歳の少女ソルは、祖父の家で父親のためのパーティーの準備を手伝う。やがて彼女はその日がかけがえのない日になることを知る……。ベルリン映画祭でエキュメニカル審査員賞を受賞。
『犯罪者たち』 The Delinquents [Los Delincuentes]
監督:ロドリゴ・モレノ/出演:ダニエル・エリアス、エステバン・ビリャルディ、マルガリータ・モルフィノ
(189分/カラー/スペイン語/2023年/アルゼンチン、ブラジル、ルクセンブルク、チリ)
作品概要:自らが務める銀行の金を奪った男が、完全犯罪を実現するためにとる驚くべき行動を描く作品。予測のつかないストーリーテリングのうまさが光る。カンヌ映画祭「ある視点」部門で上映。
『ひとつの愛』 Un Amor
監督:イザベル・コイシェ/出演:ライア・コスタ、ホヴィク・ケウチケリアン、ウーゴ・シルバ
(127分/カラー/スペイン語/2023年/スペイン)
作品概要:スペインを代表するイザベル・コイシェの最新作。山間の村の一軒家で暮らす女性と、ドイツから移住してきた隣人の男性との奇妙な関係を描く。サンセバスチャン国際映画祭コンペティション作品。
『魔術』 Sorcery [Brujería]
監督:クリストファー・マレー/出演:バレンティーナ・ベリス・カイレオ、ダニエル・アンティビロ、セバスティアン・フールク
(101分/カラー/スペイン語、マプチェ語、ドイツ語/2023年/チリ、メキシコ、ドイツ)
作品概要:1880年のチリ。ドイツ人入植者に父親を殺害された13歳の先住民の少女が、村の祈祷師に助けを求める。祈祷師はドイツ人一家の子どもたちを呪術で犬に変える……。サンダンス映画祭で上映。
上映スケジュール
『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』
10/25(水) 16:15、10/29(日) 16:35
『Totem』
10/27(金) 18:05、10/31(火)18:45
『犯罪者たち』
10/25(水) 19:50、10/30(月) 12:00、11/1(水) 10:50
『ひとつの愛』
10/23(月) 20:50、10/29(日) 13:50、10/31(火) 15:00
『魔術』
10/24(火) 15:10、10/28(土) 12:25、10/31(火) 10:20
ラテンビート映画祭
2003年6月に「バスク映画祭」としてスタートした「ラテンビート映画祭」は今年で20周年を迎えます。「ラテンビート映画祭」は、スペイン・ラテンアメリカ映画の最新注目作をどこよりも早く日本に紹介する映画祭であり、日本とラテン諸国(ラテンアメリカ諸国、スペイン、ポルトガル)の架け橋にもなっています。文化やイベントは、国や国の生産品などのイメージ促進の手段として最適です。「ラテンビート映画祭」は“日本⇔ラテンアメリカ諸国“双方向の文化交流を目指し、日本をラテン諸国に紹介しています。
2022年1月より新たな試みとして、日本未配給のスペイン語・ポルトガル語圏の名作を中心に紹介する常設の配信チャンネル「ラテンビート・クラシック『CANOA(カノア)』」をオープン中。
CANOA(カノア):https://canoa.lbff.jp/(外部サイト)
主催:LBFF実行委員会 プロデューサー・プログラミングディレクター:アルベルト・カレロ・ルゴ
制作コーディネート:杉田洋子
字幕:東映ラボ・テック
ライター・編集:村上健一
アートディレクション&デザイン:金澤竜也、奥津裕郁
プレス:ライトフィルム
(オフィシャル素材提供)