「アンフェア」<刑事 雪平夏見>シリーズや「サイレント・トーキョー」など、話題作を数多く手掛けた秦建日子による、名古屋・岐阜を舞台にしたミステリー小説の映画化で、連続犯罪事件に巻き込まれた姉弟が、地元愛溢れる仲間たちの助けを借りて真犯人に迫る、痛快ミステリーエンターテインメント。
10/13(金)から池袋シネマロサほか全国での上映がスタートし、公開を記念して剛力彩芽と醍醐虎汰朗、主題歌を担当しているヒグチアイ、そして松岡達矢監督が揃って登壇した。
この日の上映は見事に満席。観客が詰めかけた場内を見渡し、剛力は「こんなにたくさん集まっていただいて、本当に嬉しいです。心臓バクバクしています」と今の想いを感謝と共に述べた。
本作の原作・脚本を手がけた秦建日子の作品への参加をずっと楽しみにしていたという剛力。今回演じた主人公・美桜について「正義感が強い女の子だと思うし、素晴らしい姉弟です。秦さんが描いているからこそ、人間味が出ていると思います」と話し、「“お姉ちゃん”してるよね?」と弟を演じた醍醐に問いかけると、醍醐が「してます!」と笑顔で即答し、会場の笑いを誘った。
監督は美桜について、「原作も脚本もある状態で剛力さんとお話をして、剛力さん自身の優しさなどの魅力を撮影する時には足していきたいなと思っていました。それが実現できてよかったなと思っています」と当時を振り返った。
そんな美桜とは正反対の、ヘタレかつチャラさも持ち合わせた大夏を演じた醍醐は撮影を思い返し、「美桜とのシーンは全体的に若干の居心地の悪さがありまして……こんなに優しい剛力さんが、お芝居が始まると急に怖くなっちゃうので『やだな~』って思っていました(笑)。二面性があるキャラクターですが、観客の皆さんには“ビビっている大夏”を見て欲しいです」と注目ポイントにも言及。姉弟喧嘩での大夏のビビりっぷりは見どころで、撮影時にはどう演技するか二人で相談していた、と撮影裏のエピソードも語られた。
冒頭に流れる「誰でもない街」そして主題歌として作品を飾る「この退屈な日々を」を手掛けたのはヒグチアイ。
「誰でもない街」のオープニング映像の撮影時、出演者やスタッフに挨拶するため現場に参加すると「田中要次さんが、『キル・ビル』(クエンティン・タランティーノ監督)みたいな曲にしてほしい、とおっしゃっていて(笑)!」と思いがけないリクエストがあったことを暴露。加えて「女子大小路の雰囲気は、“誰でもなくても、誰にでもなれる。誰でもない人を受け入れてくれる町”。そんな印象を織り交ぜました」とジャズテイストもある「誰でもない街」の制作秘話が語られた。
一方で、バラード調の「この退屈な日々を」がエンドロールで流れた時の気持ちを聞かれると、醍醐は「うわぁ~できたんだ!と。やっぱり、音楽が入って映画が完成すると思っているので、素敵な曲だと思いました」と率直に感動した時の様子を再現。剛力は「最後の曲を聴いていただいて、この映画が完成するなと思いました。すべてのキャラクターの人間像、言葉にできない想いをまとめていただいている。それはキャラクターだけでなく、誰もが共感できる人間味のようなものが溢れています」と話した。
ヒグチアイのライブに行ったという監督は「ライブが素晴らしかったので、かっこいいオープニング、そして映画の世界を締めるエンディングを聴きたいなとリクエストしました。僕も醍醐さんと同じで『うわぁ~!』と思いましたね(笑)」とコメント。
ヒグチは「すごくテンポ良く物語が進む中で家族の話がたくさん出てくるんです。私はお母さんとのシーンがすごく好きで、いろいろな家族の形を感じるんですよね。憎み合っていたとしても血や気持ちが繋がっている、そういうことを原作にも感じて。いろいろな家族を思い浮かべながら聴いてもらえたらなと思います」と楽曲に込めた想いを明かした。
最後には剛力が「スタッフ皆さんにすごく熱い想いと愛情がいっぱいあって、本当にこの作品への参加を即決してよかったなという思いでいっぱいです。みんなにたくさん集まっていただいて、作品の中には不器用な人がいっぱい出てきます。私も不器用ですし、人に伝えることって難しいなと思うんですが、その中で愛情だったり、人との繋がりだったり、コミュニケーションの大切さに気づいたり。どんな想いを大切にしたいか、などの気持ちを感じていただきながら、ミステリーも楽しんでいただける作品になっているのではと思います。皆さんに楽しんでいただけたら」と締めくくり、イベントは幕を閉じた。
登壇者:剛力彩芽、醍醐虎汰朗、ヒグチアイ、松岡達矢監督
公開表記
配給:ラビットハウス
全国絶賛上映中!
(オフィシャル素材提供)