『赫い髪の女』(79)、『キャバレー日記』(82)など日活ロマンポルノの名作から、『ヴァイブレータ』(03)、『共喰い』(13)をはじめとする日本映画の脚本を数多く手がけてきた荒井晴彦が、主演に綾野 剛、共演に柄本 佑、さとうほなみを迎えた映画『花腐し』(11/10公開)より、栩谷(綾野)と伊関(柄本)、静かながらもどこか滑稽な2人の対話の魅力に引き込まれる本編特別映像が解禁された。
斜陽の一途にあるピンク映画業界。栩谷(くたに)は監督だが、もう5年も映画を撮れていない。
梅雨のある日、栩谷は大家から、とあるアパートの住人への立ち退き交渉を頼まれる。その男・伊関は、かつてシナリオを書いていた。映画を夢見たふたりの男の人生は、ある女優との奇縁によって交錯していく。
自身のアパートの家賃の支払いに困っていた栩谷は、支払いを待ってもらう代償として、大家からある提案を持ちかけられる。大家の所有する取り壊し予定の古いアパートへ居座り続ける男がいるため、立退を依頼してほしいというものだ。気の向かないまま、アパートを訪れ、なぜか居座り続ける伊関に要件を伝える栩谷だったが、人を喰ったような対応を続ける伊関に栩谷はイラついてしまい――。自身の役割を果たすために凄んでみるものの、どうしても人の良さを隠すことできない栩谷、図々しい態度をとりながらもどこか飄々と憎めない伊関。本格的な共演は初めてだという綾野 剛と柄本 佑による、静かながらもどこか滑稽さを醸し出す、そして、2人の対話の魅力に思わず引き込まれるような本編特別映像となっている。
ふたりの男とひとりの女が織りなす湿度の高い男女の物語――荒井晴彦が、『火口のふたり』(19)に続く自身4作目の監督作品として選んだ本作は、芥川賞受賞の松浦寿輝による同名小説に“ピンク映画へのレクイエム”という荒井ならではのモチーフを大胆に取り込み、原作の“超訳”に挑んだ意欲作で日本映画史に残ること必至! 切なくも純粋な愛の物語にご期待いただきたい。
公開表記
配給:東映ビデオ
11月10日(金) テアトル新宿ほか全国公開
(オフィシャル素材提供)