『繕い裁つ人』『幼な子われらに生まれ』『Red』など多くの作品を手掛け、国内外の映画祭でも高い評価を受ける三島有紀子監督の長編10作目となる最新映画『一月の声に歓びを刻め』が、2月9日(金)に劇場公開する。
本作は、自身が47年間向き合い続けた「ある事件」をモチーフに、自主映画からスタートしたオリジナル企画。八丈島の雄大な海と大地、大阪のエネルギッシュな街と人々、北海道洞爺湖の幻想的な雪の世界を背景に、3人の個性的な役者たちと、方舟をテーマに罪と赦しを繊細な映像で描いた。船でやってきた者を前田敦子が、船を待つ者を哀川 翔が、そして、船で向かう者をカルーセル麻紀が。性暴力を別々の角度から静かに美しくそして凄まじく描き、その先を見る者に託した挑戦的な映画だ。
この度、前田敦子演じる“れいこ”が印象的に映し出された本作のメインビジュアルが完成した。
5年前に別れた元恋人の葬儀のため、船で大阪・堂島に帰郷したれいこ(前田敦子)。吹き荒ぶ海風のなか、なかなか下船できずにいるれいこと、何かを決心して歩き出したれいこ。一連のシーンの中で対照的なカットを使用したシーンは、この後の物語の展開に胸が膨らむ。キャッチコピーは「美しく、凄惨な、罪の歌」。
今までどんな罪を背負ってきたのか。そして本作に登場する“れいこ”とは、いったいどういう意味を持つのか。
これは声なき声で繋がるすべての人の物語。
さらに追加キャストが一挙解禁!コメントが到着した。
レンタル彼氏を生業にし、前田敦子演じるれいこと一晩を過ごすトト・モレッティ役には、『バカ塗りの娘』「きのう何食べた?season2」等の出演で今もっとも勢いのある若手俳優の一人である坂東龍汰、カルーセル麻紀演じるマキの長女で47年前に妹を亡くした美砂子役には、数々の作品に出演し演技力に高い評価を受けている片岡礼子、美砂子の夫、正夫役を演じるのは、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」出演でも話題のバイプレイヤー宇野祥平、哀川翔演じる誠の弟分、龍役を、『相棒 劇場版シリーズ』等、幅広く活躍する原田龍二、妊娠して八丈島に帰ってくる誠の娘、海役を、『1秒先の彼』、12/1公開の『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』出演や、自身の個展を開催するなど絵画アーティストとしても活躍する松本妃代、美砂子の娘さら役に『メタモルフォーゼの縁側』出演の長田詩音、自由奔放なれいこの母親、真歩役を、確かな演技力でドラマ、映画、舞台に多数出演し、絵画など多彩な趣味を持つとよた真帆が演じる。
コメント全文
坂東龍汰
三島監督の映画の世界観に魅了されながらの撮影期間でした。丁寧に演出してくださりリラックスしながらいろいろなチャレンジをさせていただきました。美しい映像と音と、今まで見たことの無いような新しい感覚になりました。ぜひ映画館の空間で体験していただけると嬉しいです。
片岡礼子
三島組。今回は有紀子監督とカルーセル麻紀さんのやりとりが漫才や喧嘩に聴こえるほど賑やかで。時に皆でハラハラしたことも(笑)。愛しき現場でした。
月の輪郭は見えない時もそこにある。
例えば誰しも、気づかないところで鍵のかかった記憶があって、開ければ自分を見失うような出来事を孕む扉もあるとしたら、自分を深く傷つけた魂に何を問うのか。
新月の空に見えたはずの月を想い強く生きることを願う。
宇野祥平
初めての三島組、快い緊張が常にありました。 映画を観て、自分たちが日常的に安心している地盤がグラグラと揺らされたような思いです。 ぜひ劇場で観ていただけたら幸いです。
原田龍二
誰もが皆、無格好で、ぎこちなくて、屈折してもいい。もっと己を曝け出して、精一杯自由に『生』を貪っていい。たった一度きりの人生なのだし、そもそも生きること自体が、贖罪なのかもしれないのだから……。
松本妃代
八丈島の海の音、吹き荒れる風、木々のざわめき。
三島監督の包み込むような愛のある演出のもと、自然の力に大きく突き動かされながら海という人間を生きました。
この作品が、届くべき人たちへのひかりになりますように。
長田詩音
三島監督をはじめ、キャスト・スタッフの皆さんの映画にかける想いを強く感じ、この作品に参加させていただけて本当に幸せでした。この想いが観てくださった方にも伝わったら嬉しいです。
とよた真帆
とても純粋で、それでいて痛みをもった空気の中、思いが交差する厳粛な現場でした。
監督の特別な作品に参加できたことを心から幸せに思います。1人でも多くの方に観ていただけますように。
公開表記
配給:東京テアトル
2024年2月9日(金) テアトル新宿ほか全国公開
(オフィシャル素材提供)