現地時間の11月15日(水)、台湾・台北市で開催されている第60回台北金馬映画祭にて和山やまの人気マンガを映画化した『カラオケ行こ!』のワールドプレミアが実施された。
山下敦弘監督が映画祭に参加し、現地メディアらのインタビューや本作を世界最速で鑑賞した現地の観客からの質問に答えるティーチインイベントを実施。391枚のチケットは発売直後に瞬殺し、多くの和山やまファン、綾野 剛ファン、山下敦弘ファン、そして野木亜紀子ファンが熱心に映画を鑑賞した。
Q.監督した経緯について
A.綾野 剛さんが主演、野木亜紀子さんが脚本を担当されるのを聞いて参加することに決めました。野木さんとはドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」(19)で一度ご一緒したのですが、映画でもいつかご一緒したいと思っていたので今回願いが叶いました。
Q.狂児、聡実のキャスティングについて
A.綾野さんは元々原作の大ファンだったので、「ぜひやりたい」と手を挙げたそうです。もう一人の主人公の岡 聡実は誰にしようか?ということになったのですが、今回は全国から募集しようということになり、22年に聡実オーディションを行いました。最終的に選ばれたのは皆さんご存じの通り齋藤 潤君です。齋藤 潤は当時聡実と同じ中学3年生で、彼から原作における聡実の影や青春の悩みを一番感じ取ることができました。歌唱に関してはクランクイン前にボイス・トレーニングなどを行って特訓してもらいましたね。
Q.日本でも台湾でも知られてる人気曲たくさん出てきましたが選曲はどのように?
A.劇中でメインの楽曲となるX JAPANの「紅」は原作でも重要な曲です。他の曲は音楽プロデューサーを交えてみんなで協議しました。なるべく世代が偏らないよう、かつカラオケで人気のある曲を揃えました。
Q.映画を見る部は原作にないオリジナル要素だと思いますが、このシーンが加わった理由は?
A.今回の原作マンガは非常に短いお話なので、映画向けに膨らませる必要があり、その一つとして野木さんが【映画を見る部】の話を追加してくれました。あの場面で出てくるのは古い映画ばかりですが、いくつかリストアップした上で脚本にあるセリフとマッチするものを選んでいます。
Q.大人と子どものコミュニケーションや微妙な関係性が非常によく描かれていましたが、それについて教えてください。
A.原作よりもさらに【大人と子どもが織りなす青春】という色が強くなったと思います。監督の自分は男性ですが、原作者も脚本家は女性ということで、いろいろな視点が混ざりあったからだと感じています。
Q.『1秒先の彼』はリメイク作品で、今回の『カラオケ行こ!』もコミックリメイクです。映画のリメイクとコミックのリメイクは違いはありますか?
A.前作の『1秒先の彼』はリメイク映画です。オリジナルの監督が作り上げた世界観を咀嚼して別の監督が作り直すわけなので、これは非常に難しかったですが満足にいく仕上がりになったと思います。逆に『カラオケ行こ!』のようにコミック原作の映像化はかなり経験があるので、自分の力が思う存分発揮できたと思います。
台湾では24年の2月という旧正月のホリデー・シーズンに公開されます。周りの人を誘っていただいて、また劇場に足を運んでいただけると嬉しく思います。今日はご来場ありがとうございました。
公開表記
配給:KADOKAWA
2024年 1月公開
(オフィシャル素材提供)